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夏の小物はいつまで使う? 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.58

夏の小物はいつまで使う? 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.58

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単衣を着る時期が長くなっている、というのはすでにきもの仲間では当然のように言われていますが、もう単衣だけじゃなく、夏の小物を使う時期もぐんと長くなっていいと思うんですよ。見た目の清涼感って大事ですもの。

昨年8月18日のコラムはこちら!

2021.08.18

よみもの

小さい秋見つけた! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.34

夏の小物はいつまで使う?2

残暑お見舞い申し上げます。

気が付けば立秋を過ぎまして、暦の上では秋。でもなんだかこの頃の日本列島は、冬と夏ばかりが長く感じられて、春と秋の存在がほんの少し、という感じがしませんか?

そう、夏がやけに長い!

4月というと入学式があったりして桜が咲くイメージですので「春」と言いたいところなのですが、中旬を過ぎたら汗ばむ陽気の日も出てきます。これは完全に初夏です。

わたしの感覚で言うと10月も暑い日が多い。初秋と言えるほどの爽やかさがあればいいんですが、決まり通りに袷を着る気になど、とてもじゃないけどなれません。かつては「暑さ寒さも彼岸まで」と言っていたはずなんですけれどね。

四季のある風光明媚な国、日本!と思い込みたいのでなるべくなら認めたくないけれど、わたしの体は、4月から10月は夏~!!と言っています。3月だけが春で、11月だけが秋、12~2月が冬、という感じです。

えっ!そうしたら一年の半分以上が夏じゃないですか!長すぎる!!

単衣を着る時期が長くなっている、というのはすでにきもの仲間では当然のように言われていますが、もう単衣だけじゃなく、夏の小物を使う時期もぐんと長くなっていいと思うんですよ。見た目の清涼感って大事ですもの。

わたしは「夏の小物は6月に入ってから」と教わりましたが、知らんぷりして5月解禁、この頃では4月のフライングも平気です。だって暑いんだもの。

では、夏の小物はいつまで許されるのでしょうか。

フォーマルなら9月末までと言われていますが、ファッションとして着るのなら基本的にすべて自由です。オーガンジーのように透け感のある素材のスカーフを巻いている人や、レースのハンカチや手袋を持った人に、あなたそれ夏物ですよ、とは誰も言わないでしょう。きものの世界の絽もレースも、堂々ともっと開き直っていいと思います。

とはいえ、きものの世界では、先取りはお洒落だけれど、おしまいはさっぱりと後を引かないのがいいとされています。

身軽で自由なファッションの楽しみ方も好きですが、祖母が教えてくれた「昔からの日本の美意識」というのも大好きなので、わたしは、以前は「絽の半衿と帯揚げはお彼岸まで」にしておりました。ですがこの頃はあまりにも残暑が厳しくて、絽の半衿も帯揚げも9月末まで使っています。麻足袋に至っては10月でも履いていたりします。

大事なのは、基本を知った上で、自分に合ったセレクトをすること!これに尽きると思います。

ITEM

記事に登場するアイテム

絽 帯揚げ 銀糸縫い取り 斜めぼかし格子柄「白地/緑/黒」

絽ちりめん帯揚げ ろうけつ染め 筆描き風「水色×青」

レース半衿 七宝 「オフホワイト」

呉竹組レース帯締め 「ターコイズドット」

[井登美-れん-] ガラス帯留め ティアドロップ型 「グリーン」

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