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落ち込んだら、張り扇を貼り替える。 講談師 七代目 一龍斎貞鏡さんの愛用品

落ち込んだら、張り扇を貼り替える。 講談師 七代目 一龍斎貞鏡さんの愛用品

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昨年真打へ昇進し、新たな講談界のスターとして活躍する一龍斎貞鏡さん。インタビューでは、”着物ありきの職業”ならではのエピソードをうかがいました。今回は、貞鏡さんが愛用している品々を紹介いただきます。

2024.03.08

インタビュー

とっつきにくくても、魅力を伝えたい。 講談師 七代目 一龍斎貞鏡さん(後編)

釈台

”一龍斎貞鏡””女性講談師””釈台”

真打昇進にあたり、お客さまがポータブル釈台を作ってくださったんです。有り難いですよね。中陰光琳桐の家紋も入っているんです。

昨年10月17日の真打昇進披露目のパーティーで初お目見えして。改めて撮影してもらうのはこれが初めてでしょうか」

”一龍斎貞鏡””女性講談師””講談”

師匠の手ぬぐい

”一龍斎貞鏡””手ぬぐい””一龍斎貞山”

うちの師匠のは本当にシンプルです。きれいでしょ」

”一龍斎貞鏡””手ぬぐい””一龍斎貞山”

「ご存じのように、二ツ目になってから自分のデザインで染めることができるんです。今回の真打昇進に際して、新たに自分の手ぬぐいを染めようと思ったんですけれど、師匠の手ぬぐいを参考にして、私は家紋と縞を入れたものにしました

張り扇

”一龍斎貞鏡””女性講談師””張り扇”

一番下は2023年の1月1日に作ったもので、(取材時の時点で)ほぼ9ヵ月使ったものですね。毎年、元旦に作り替えます

上のものは前座時代に作ったものだと思います。よく割れずに折れずにもってくれたな、と。読んでいて折れてしまうことがありますから」

”一龍斎貞鏡””手ぬぐい””中陰光琳桐”

「あと、私はうじうじ考えるほうだから、『今日のお客さまはとても喜んでくださったな。なんで喜んで下さったんだろう』って考える。一方で、シーン……となんの反応もなかったときにも、なんでだろうと考え込んでしまうんです。

それで、そういう渦にはまったときには張り扇を貼り替えるんです。自分で厚紙を切って、買ってきた竹のひと節を鉈で割って、削っていって。そうすると、音もよく手に馴染むものができるんです。

うまくいかなくなったときは張り扇を貼り替えると気持ちが切り替わりますね。まず道具をきれいにするのが大事なのかな」

扇子

”一龍斎貞鏡””女性講談師””扇子”

扇子は噺家さんのもので、仲のいい柳家㐂三郎兄さんのです。今日はここにアンチョコ書いちゃった(笑)。扇子にアンチョコ書いてしまうこともあるんです。

講談はあまり扇子は使わないですね。釈台を前にして軽くチョンっと叩くくらいでね」

”一龍斎貞鏡””女性講談師””扇子”

匂い袋

”一龍斎貞鏡””松栄堂””匂い袋”

松栄堂の『誰が袖』です。とても好きで愛用しています。『堀川』も、あの甘い香りが大好きですね」

2022.04.05

まなぶ

『香老舗 松栄堂』 専務取締役 畑元章さん【YouTube連動・インタビュー編】「元芸妓 紗月が聞く!京都、つなぐ世代」vol.1

昔から香りのものは好きで、家に仏壇があったこともありお線香やお香には親しみがありました。匂い袋は袂に忍ばせて使っています

”一龍斎貞鏡””女性講談師””講談”
一龍斎貞鏡ひとり会

一龍斎貞鏡ひとり会

5月4日(土) 13時開演
前売3,800円、当日4,000円
千駄ヶ谷・国立能楽堂
ご予約 yoyaku@mixyose.jp
(オフィスエムズ)

一龍斎貞鏡 真打昇進特別公演

一龍斎貞鏡 真打昇進特別公演

6月19日(水)  19時開演
銀座・博品館劇場
3800円
ご予約 0570-06-6600(夢空間)

取材・構成/渋谷チカ
撮影/五十川満

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