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9月の着物コーデは夏あり冬ありのグラデーション! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.75

9月の着物コーデは夏あり冬ありのグラデーション! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.75

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いつまで夏物を着ていいのか、いつから単衣にするといいのか。夏帯なのかそうじゃないのか、半衿は絽なのかそうじゃないのか。迷いに迷って、周りに聞けば聞くほどわからなくなってしまう……

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きもの初心者にとって鬼門の9月

はい、今年もやってまいりました、問題の9月!

いつまで夏物を着ていいのか、いつから単衣にするといいのか。夏帯なのかそうじゃないのか、半衿は絽なのかそうじゃないのか。

迷いに迷って、周りに聞けば聞くほどわからなくなってしまう、きもの初心者にとっては鬼門の9月です。

9月の組み合わせは3パターン

何度でも言いますが、きものを着る上で大切なのは「気分よく、その時間を過ごすこと」

わたしなら「夏の名残り」と開き直って絽や麻を着ますが、どうしても単衣を着たいなら、中に着る襦袢を麻にしたりして工夫するかな。

一般的に9月は単衣のきもの、と言われますが、上旬なら夏物でもいいんですよ。実際に祇園の舞妓さんや芸妓さんも、9月の上旬はまだ絽を着ています。

以前インタビューをさせてもらったことがあるんですが、9月1日から一気に衣更えするということはなく、「周りのお姐さんが単衣を着始めたら、それに倣う」とのことでした。

現実はグラデーションなんですよ。

9月の単衣には夏帯も冬帯もどっちもあり。自由に組み合わせていいということです。ただ夏帯には夏の小物、冬の帯には冬の小物を組み合わせたほうが、まとまりがいいと思います。

組み合わせとしては以下の3パターンに分けられると思います。()内はわたしの目安。

9月の組み合わせは3パターン

1 きものが夏物なら、帯も小物もすべて夏物(9月上旬の残暑厳しい日)
2 きものを単衣にして、帯と小物を夏物(目安としてお彼岸前くらいまで)
3 きものが単衣で、帯も小物も袷用(その地域の気候にもよるけれど、暑い地域ならばお彼岸の後から)

9月の長襦袢は?

1~3すべてにおいて、中に着る長襦袢は自由です。暑ければ麻などの涼しい素材のものを着てもいいのです。ちなみにわたしの場合は、お彼岸を境にして、麻襦袢に付けていた夏用の半衿から冬用の半衿に付け替えます。

9月の羽織やコートは?

これもわたしの場合ですが、きものの上に羽織る、紗などの透ける素材の羽織やコートは、お彼岸まで着ていることが多いかな。

それ以降は単衣の羽織やコートを使って、吐く息が白くなってきたら袷の羽織とコートの出番。上に羽織るものは着る人それぞれの体感で!

暑がりさんもいれば寒がりさんもいる

難しく考えなくていいんです。9月は基本的に組み合わせ自由!

「まだまだお暑うございますね」という挨拶と、「やっと暑さも落ち着いて参りましたね」、「いよいよ秋めいて参りましたね」の違いです。

暑がりさんもいれば寒がりさんもいて、人の感じ方はグラデーション。基本さえ覚えておけば、あとは自由。すべて気候のせいにしちゃってください。

さぁいよいよ秋のはじまり。暑くてきものを諦めていた人たちが目覚める季節です。みなさまどうぞ抜かりなく、思いっきり楽しんじゃいましょう!

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