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きもののイベントで、リアル着せかえごっこ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.71

きもののイベントで、リアル着せかえごっこ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.71

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わたしには派手よ、とか、だってもう〇〇歳だもの、なんて言わず、こんなときだからこそ、年齢や好み、いっそ性別までも越えて、鏡の前で遊ぶんですよ!

昨年5月1日のコラムはこちら!

2022.05.01

よみもの

緑コーデで出かけましょ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.51

きもののイベントで、リアル着せ替えごっこ2

紙の着せかえ人形の話が、昭和生まれにしか通用しないと知ったときの衝撃は忘れられません。

紙の着せかえ人形、みなさんはご存知でしょうか? 

厚紙で出来ていて、ワンピースやドレスなどの着替えを肩に引っ掛けるアレです。雑誌の付録だったり、本のようになっているものもありました。ミシン目から丁寧に切り取りながら、わくわくしました。お土産でもらった素敵なクッキーの缶にしまっていたっけなぁ。

衣裳はジャンルがさまざまで、セーラー服があるのに、花嫁衣裳もあったりして、今になって思えば「どういう家庭環境の子なんだ」とツッコミを入れたくなりますが、当時はそんなことに何も疑問を抱かず、「ピンクの振袖にしようかな、それとも黒い振袖にしようかな」とか「パーティー用のドレスはミニとロングどっちにしようかな」など空想妄想の世界に浸りつつ、とっかえひっかえして遊んでいました。

何度も遊ぶあまり、人形の首はゆらゆらになって、後ろからセロハンテープや割り箸などを使って補強したものです。

ところが、この着せかえ人形、比較的若い世代の子たちは知らないんですよ。ぬりえは知っているけど、というんです。着替えのドレスやきものの肩についている白いツメをさして「この白い角みたいなのは何ですか?」「なんで背中にバッテンを背負っているんですか?」と聞いてくるんです。

ショックで呆然としてしまいました。ちなみに平成生まれの女子は、ツメ式ではなく、マグネットや付箋の着せかえ人形だったそうですよ。

きもののイベントで反物を巻き付けて試着している人を見ると、いつも紙の着せかえ人形を思い出します。

あのとき遊んだ着せ替え人形みたい! 気軽にどんどん試着できるって楽しい! 

でもこのリアルな「着せかえごっこ」って、しつこかったり、あこぎだったりする呉服屋では絶対にできない着せかえごっこなんです。安心できるお店なら、昔遊んだ着せかえ人形を思い出しながら、気軽にたくさん試着して遊べるというもの。

わたしには派手よ、とか、だってもう〇〇歳だもの、なんて言わず、こんなときだからこそ、年齢や好み、いっそ性別までも越えて、鏡の前で遊ぶんですよ!

無理め若めのものを着てみたり、着てみたかった憧れのコーデを試したり、手触り肌触りを確認したり、一番肌がきれいに見える色を探したり、遊び方は人それぞれ。無理に買わなくていいんです。いつか、ああいうきものが欲しいな、と記憶してください。ええ、わたしもそうしていますとも。

今のわたしに似合う色や、気持ちにしっくりくる柄はなんだろう、と向き合って、自分を探す時間にもなるんですよ。きもののイベントも、あちこちで開催されるようになりました。ぜひ出かけて「リアル着せかえごっこ」をして遊びましょうよ!

きくちいまさんが、イベントに登壇します!

5月2日(火)、5月4日(木) 京都きもの市場 京都店

◆7月1日(土)、2日(日) 2023KIMONO Summer Festa@二子玉川ライズ(5月30日より予約受付)

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記事に登場するアイテム

【伝統的工芸品 伊那紬】草木染手織り紬訪問着「蒼風」

【伊と幸・松岡姫】 特選色無地「小花唐草紋・灰桜色(98)」

【京の老舗・千切屋】 特選羽衣染小紋着尺 「楓」

【FUWARI】 特選風通織着尺 「唐草」

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