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夏物はいつから?フライングは自由です! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.70

夏物はいつから?フライングは自由です! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.70

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冠婚葬祭やお茶席などは別にして、4月だからと区切るものではなく、暑いと思う人は涼しく、まだ肌寒いと思う人はあたたかく装えばいいというだけの話ではあるんですが、なぜだか回りを気にしてしまうんですよね。

昨年4月1日のコラムはこちら!

2022.04.01

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祈りの心をきものに込めて 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.49

夏物の出番はいつから?フライングは自由です!2

最近「4月になったら、もう単衣解禁!」という声が多く聞かれます。

ちょっと前までは「単衣は6月と9月に着るもの」と言われていたのに。全然知らない人を捕まえて、「あらあなた、まだ4月なのに単衣を着るなんて」といちいち突っかかる面倒な人もだいぶ減りましたもんね。世の流れはすっかり着る人の味方になって来ているようでうれしい限りです。

とはいえ本当は、冠婚葬祭やお茶席などは別にして、4月だからと区切るものではなく、暑いと思う人は涼しく、まだ肌寒いと思う人はあたたかく装えばいいというだけの話ではあるんですが、なぜだかまわりを気にしてしまうんですよね。わたしのように心臓に毛が生えて三つ編みができるくらいに肝が据わると、気にならなくなってくるんですけどね。

単衣のきものの出番はいつから?

はい、地域や人によってはもうすでに始まっています。
麻の襦袢も同じです。人によっては一年中着ているという方もいらっしゃいますからね。

羽織物については、一般的には紅葉から桜までと言われますが、それは袷の羽織のこと。桜が咲いたら単衣や、少し早くても紗などの透けるものもいいですね。だってお洋服ならオーガンジーのようなカーディガンを着ていたりするじゃないですか。紗羽織はそれと同じです。

わたしの場合は、桜が咲いたら単衣の羽織かコートにして、陽ざしが強くなってから秋風を感じるまでが紗の羽織やコート。秋風を感じてから紅葉が色づくまでが単衣。色づいたら袷の羽織やコート、という順番で繰り返します。

では夏帯はいつから?

これだって自由です。4月なのに真夏日、なんていうことだってあります。そんな日は張り切って、より涼やかに着こなしたい!

ちなみにわたしが住んでいる山形では6月から制服が衣更えになりますが、九州や沖縄など南の地域では5月から夏服になるところが多いそうですよ。

つまり、暑ければ夏帯もフライングOK!季節の先取りという情緒的な言い方も好きなんですが、堂々と季節のフライングをする逞しさを、ぜひみなさんにも分け与えたくて。

小物はどうするの?

夏帯をするなら小物も絽などの夏物にしたほうがいい、という方も多いかと思いますが、わたしは「この季節だからこそ、なんでもあり」というのがいいと思っています。春だけど暑いから、単衣や麻襦袢を着る。単衣には夏帯を合わせたくなるものだけれど、でもまだ一応春だから、いつもの帯もじゃんじゃん使う。

晩春も初夏も感じ方は人それぞれで、いっせーのーで!で感じるものではありません。基礎や基本は知りつつも、それぞれの感じ方を貫いて堂々と着る。それが大事だと思っています。

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