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洗える”快適な”長襦袢 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.60

洗える”快適な”長襦袢 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.60

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洗えるという安心は大きいなぁ。どうしても上に着るきものや帯に目が行きがちですが、一枚マイサイズの洗える長襦袢があるだけで、きものライフは安泰です。

昨年9月18日のコラムはこちら!

2021.09.18

よみもの

帯回りテッパン★コーデ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.36

洗える「快適な」長襦袢2

わたしの襦袢は洗えるものがほとんどです。

ふだんから着ているわたしにとって「自分で洗える」というのは大きなポイント。夏を中心にして着る麻の襦袢はもちろんのこと、紋付や小紋など柔らか物に合わせる襦袢も洗えるものがメインです。

まずはこちらをご覧ください。

①いわゆる「吊るし」で売っていた、ポリエステルの洗える二部式長襦袢(Мサイズ)

②まるで正絹の手触り肌触り!爽竹(そうたけ)の白い絽の長襦袢(マイサイズ)

洗える正絹の白い長襦袢(マイサイズ)

この三枚がわたしの持っている、あるいは持っていた、主な洗える長襦袢です。

まずは①の長襦袢ですが、これはわたしが高校生の頃に、スーパーの2階で売っていたもの。袖と裾除け部分が淡い黄色に白の小花柄(ポリエステル)になっていて、それ以外の部分は薄手の木綿でした。

Мサイズの長襦袢は、お下がりのきものには大きくて、袖から襦袢がはみ出してしまいます。肩の部分をつまんで安全ピンで留め、即席で肩揚げを作って着ていました。わたしは静電気体質のため、特に空気が乾燥する冬は静電気を防ぐスプレーが欠かせません。わたしの肌にはポリエステルは合わないんだなと知るきっかけになった長襦袢です。

そして20代前半、夏用のきものに合わせる襦袢が欲しいと思い立ち、薄給の中から奮発して作ったのが②の「爽竹」の長襦袢です。

「真夏にポリエステルの襦袢を着たら暑くて地獄」と体験しているので最初は尻込みしたのですが、この「爽竹」は全くの別物で、実際に着て涼しさを知ってからは「真夏に爽竹以外のポリ襦袢を着たら暑くて地獄」に変わりました。

ちなみに「そうたけ」と読みます。恥ずかしながらわたしは長年「そうちく」と読み間違いをしていて、正しい読み方を知ったときの衝撃は今も忘れられません。

持っていたノートにペンで「そうたけ」と3回丁寧に楷書で書いて反省しました。丁寧に書くことで、自分の間違いを正しくインストールさせようとしたんですね。そのおかげか、もう間違わないようになりました。

わたしが作ったのは白地でしたが、なめらかで柔らかな生地なので、正絹の小紋や紋付に最適!真夏の葬儀にも着用し、「やだ!喪服用の白い絽の長襦袢をセットで作らずに、最初から爽竹の長襦袢を一枚作ればよかった!」と気づいて地団駄を踏みました。セットで作った正絹の絽の長襦袢はとうとう一度も袖を通さないまま、現在に至っています。

そんなことがあり、②で味をしめたわたしは③の「洗える正絹」の長襦袢を作ることになったのでした。

洗えるという安心は大きいなぁ。当然といいますか、セットで作った喪服用の白い正絹長襦袢(洗えないほう)の出番はないままです。

どうしても上に着るきものや帯に目が行きがちですが、一枚マイサイズの長襦袢があるだけで、きものライフは安泰です。これからチェックするなら、「爽竹」か「洗える正絹」がおすすめですよ!

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[夏物] 東レ爽竹(そうたけ)長襦袢地 ≪横絽≫

【ふるるん】 洗える正絹京染め長襦袢 「大菊・青」

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