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日本の国花は桜? それとも菊? 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.48

日本の国花は桜? それとも菊? 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.48

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きものや帯、小物など、桜柄のものは多くあります。枝が一緒に描かれていなければ、桜は国の花だから、一年中使っていいものだ、とも聞いたことがありますが、パスポートの真ん中には菊の花がありますよね。

着物で旅へ!

えー、きもので一泊なんて、大変そう!と尻込みする方にほどおすすめします。強制的にきものに慣れる、という意味ではこれはある意味スパルタなきもの合宿になってしまうかもしれませんが、出かけてしまえば着るものはもうきものしか無いんだもの、えーいもう開き直るしかない!

日本の国花は桜? それとも菊?2

我が家には、白い花が木にたくさん咲いている様子が描かれたお皿があります。
桜というわけでもなさそうなのですが、では何の花かと問われると、さて、なんでしょうね。りんごの花のようにも、梨の花のようにも、さくらんぼの花のようにも見えます。

こういう、何の花なのかわからないものが、何の花にでもなりうる、ということは、器だけでなくきものの世界にもよくあること。桜と言われたら、桜に見えてくるのです。

最近のわたしは、高校入試の合格発表を待つ母として、桜咲きますようにとドキドキしながらこっそり桜柄の手ぬぐいを持ち歩いたり、小桜組の帯締めをしたりして過ごしています。

サクラサクというのは合格通知の電報文として有名ですが、昔は学校ごとに違ったそうなんですよ。例えばお茶の水女子大は「お茶香る」、静岡大学は「富士山頂征服す」、山形大学は「樹氷輝く」、秋田大学は「ナマハゲ歓迎する」だったんですって。

コロナもあって世の中は急激に変化を遂げており、電報が届くことはないのはもちろん、ほとんどの学校がインターネットで合格者一覧を開き、受験番号を探すのが当たり前になりました。事前に配布されたQRコードのプリントを見つめ、すごい時代になったなぁと驚いています。

ところで、きものや帯、小物など、桜柄のものは多くあります。

枝が一緒に描かれていなければ、桜は国の花だから、一年中使っていいものだ、とも聞いたことがありますが、パスポートの真ん中には菊の花がありますよね。国の花って桜なの? それとも菊なの?

実は、日本では正式に法で定められている国花というのはないのだそうです。ただ、日本のイメージといえば桜になっていることや、硬貨や紙幣に桜が用いられていることもあり、桜が国の花のように扱われているのだとか。

ちなみに菊は皇室のイメージが強いけれども、それもまた日本の象徴なので、菊も国の花のように扱われているんだそうですよ。

ちなみに外国では正式に国花を定めているところが多く、イギリスはバラ、オランダはチューリップ、スイスはエーデルワイス、フィンランドはスズランだそうです。

毎年春になると、気に入って買った木蓮の帯と猫柳の銀細工の帯留めをしようとするのですが、北国で目につく頃にはすでに他の地域ではすっかり時遅しで、出遅れてしまうことがほとんど。なかなか季節の先取りが難しいです。

でも、桜なら安心して使えそう。五角形のモチーフのものを探して「合格」にかけようかと思ったけれど、やっぱり桜モチーフのものをあらたに探そうかな。

イラストに登場したお品はこちら!

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