着物・和・京都に関する情報ならきものと

“季節と柄“のルールを自由に楽しむ! 「3兄弟母、時々きもの」vol.19

“季節と柄“のルールを自由に楽しむ! 「3兄弟母、時々きもの」vol.19

記事を共有する

着物初心者が迷いがちな着物ならではの厄介な「ルール」の一つに“季節と柄“があるのではないでしょうか?

2023.04.24

まなぶ

”着物警察”から”着物サポーター”へ 「3兄弟母、時々きもの」vol.18

こんにちは。tomekkoです。

まだ5月とはいえ、ジメジメした梅雨時となるとサラッとした夏物が恋しくなりますね。

木綿や麻素材は機能的にも汗をよく吸ってくれるし、手足の日焼けを防ぐ効果もあるし……暑い時期の着物って、実は洋服より断然おすすめだったりします。

着物初心者が迷いがちな着物ならではの厄介な”ルール”のひとつに「季節と柄」があるのではないでしょうか?

例えば、「季節を先取りした柄を着る」「桜の時期には桜柄を避ける」というような……

着物ならではの「ルール」

実際には、堅苦しい”ルール”というよりも、今でいうおしゃれさん=いわゆる”通”な人たちが自主的に実践してきたおしゃれの楽しみ方。

以前にも書いたことがありますが、日本のファッションには”見る人を楽しませる”部分が多いんです。

2022.05.23

まなぶ

おしゃれは誰のもの? 「のんびり楽しむイラスト服飾史」vol.2

”おしゃれに客観的な視点を持たせる”って、島国日本独特の考え方でおもしろいですよね。

つまり……

着る本人だけでなくその日会った人、すれ違った同じ通人が”分かる人には分かる”おしゃれの工夫を楽しむ、といってもお互いに”チラリと見てニヤリとする”ようなオタクな楽しみ方なのです。

だから基本的には、好きな柄を着たらいいんです!桜が好きなら夏に桜を纏っても別にダメというわけではありません。

ただ実際に着物を眺めていると、せっかくなら四季折々の美しい自然から生まれた多種多様なモチーフを理解して楽しみたい!とワクワクしてくるかも。

特にこれからの季節、年々気温も上がりうだるような暑さを思うと、特に”見る人に涼を届ける着物の着こなし”が個人的には気になります。

涼しげに見えるもの、例えば……

柳の柄で風を感じさせる

夏に「冬らしい雪柄」で涼を表現する手法は有名ですが、揺れるような柳の柄で風を感じさせる、というのも素敵ですね。こんな柄は歩く姿を見るだけで涼しい気持ちになれるかも……

水の流れも見るだけでスゥーッとして気持ちが良いですね。

紗の着物と絽の長襦袢

紗の流水紋の着物の下に、魚が泳ぐ柄の襦袢を透けさせたら……透け感でも涼しげです!!

私は昨年このコーディネートがやりたくてアンティーク着物のサイトを漁って探したんですがうまくみつけられず、代わりに「格子柄の紗」に「秋草柄の襦袢」を透けさせてみました。

窓から秋草が揺れる様子を見るようなコーディネートが完成して、お気に入りです。今年はもっと涼しげに、兵児帯で風を感じさせてみたい!

柄の工夫も楽しいけれど、色の合わせでサイダーやかき氷を想起させるようなコーディネートはどうでしょう?

サイダーやかき氷を想起させるようなコーデ

着物や浴衣の袖をまくったりなんかしたら「はしたない!」と着物警察が飛び出してきそうですが……

江戸時代の浮世絵なんかを眺めていると、暑ければ袖もまくるし、寒ければ懐に手を入れて温めています。

日焼け対策なら袖があった方がいいけど、見た目に涼しくしたいなら、肩上げしちゃったり足元を出して短く着てみるのも。

どれも同じ型なのに、柄で季節感が出せるだけでなく、無地でも色だけでイメージを伝えられる。これって着物ならではのおもしろさですよね。

現代の着物のイメージって、着付けは細かいお作法が決まっていて着たら着たできつい、苦しい、重たいもの……そして難癖つけてくる自称“通“な方もいるせいで敷居が高く堅苦しいものになってしまっているように思います。

でも本当は、洋服と違って、形(型)はひとつしかないのに楽しみ方も着こなし方も無限大!

着物と帯の組み合わせだけで着る人のどんな気持ちも季節も表現できてしまう。その上、見る人の目をも楽しませることのできる奥深いファッションなんですよね。

体感に合わせて、暑ければどんどん単衣や浴衣も着て出かけよう!

逆に、浴衣に襟を付けたり帯締めをして単衣着物っぽく着るのもいいよね!

そんな流れにもなってきていると感じる昨今、あまり”決まり”にとらわれず自由に、着物で“涼“を楽しんでみたいですね。

2023.02.04

まなぶ

木綿着物とは?特徴や着こなし方をご紹介

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する