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”着物警察”から”着物サポーター”へ 「3兄弟母、時々きもの」vol.18

”着物警察”から”着物サポーター”へ 「3兄弟母、時々きもの」vol.18

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人の悪いところ、間違ったところばかりに目を光らせて小言を言うから着物”警察”なんて言われちゃうんですよね。

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こんにちは。tomekkoです。

すっかり春の陽気となり、着物ハードルがグッと下がってきましたね。

木綿着物や単衣だったら浴衣に準ずる気軽さがあるので、チャレンジもしやすいのではないでしょうか?

さて、着物を着てお出かけしてみたい気持ちはあるのになかなか一歩を踏み出せない着物初心者が恐れているのが……

”着物警察”では!?

『着物警察』とは

‘自分で着付けをするとなんだかどこか間違ってる気がするし、格って何?季節と素材や柄は合わせるの?先取りって??’

‘なんだか着物ってルールやらマナーやら細かく決まっていて難しそう。’

‘「パッと目に入ったかわいい着物」に「その日の気分な帯」じゃダメなの?’

‘もし街で遭遇した着物に詳しそうなマダムに「あら…?あなたそれ…」と目をつけられたらどうしよう、コワイ!’

SNSでもこのように、着てみたい気持ちはあれどなかなか出かけるまでの勇気が出ないという人の葛藤がよく流れてくるわけです。

実を言うと私自身も、幼少期から高校生くらいまでは、

「着物は日本人の誇り!型通りに正しく美しく着るもの!」

とガチガチな”着物警察キッズ”でした(と言いつつ着付けは自己流だからコンプレックスの裏返しだったんですけどね)。

『着物警察』の歴史は浅い

大学で服飾史を学んだことで、数百年の歴史のなかで、人々がさまざまに創意工夫を繰り返し、アレンジしたり着崩したりしながら心地良いスタイルを作ってきたことがわかって、考え方は大きく変わりました。

歴史で言ったら着物警察が宣うルールなんて、実はたかだか60年程度のもの。言ってしまえば、

「現代人が外国人の目を気にして勝手に作った新ジャンル」

でしかないんです。

着物は、”大昔からアレンジ自由なラップドレス”ぐらいの感覚で、冠婚葬祭や準正装の場などを除いては、誰にでも自由に楽しんでほしい。

今は心からそう思っています。

では、着物好き側はどうなったらいいのかな?

人の悪いところ、間違ったところばかりに目を光らせて小言を言うから着物”警察”なんて言われちゃうんですよね。

ふだん着の着方に決して「正義」「正解」なんてないし、人の着こなしに文句を言う権利なんてないんです。

そう考えると、着物を普段から着慣れている人や好きな人は、着物”サポーター”になれたら良いのでは!?

着物『サポーター』になれたら良いのでは!?

「アドバイザー」でも「講師」でもなく、サポーター。

何かを上からの目線で教えたり、注意したりする人にならないことが大事。

サポーターがやることは、まず、着物を自分らしく着ている人に出会ったら躊躇なく声をかけて「褒める」ことだと思います。

格が、季節と素材が、柄が、おはしょりが……なんてどうでも良くて、着物を楽しんでいることがステキ!と伝えたい。

自分が言われたらうれしくなってまた着物で出かけたくなる……

そんな一言が言えたらもう立派な”着物サポーター”です!

でも、もしも着崩れて困っていたり歩きづらそうだったりしたら助けてあげたいですよね。

だって、帰宅するまでにズルズルに着崩れてしまったら……

きっともう恥ずかしくて出かけたくなくなっちゃうし、ほんの少しの知識で着心地が良くなったら、もっと着るハードルが下がるかも。

着物初心者の失敗

実際、自分が着物初心者でわけもわからずに着ていた時には、困ったことや、失敗して大変だったことなど、経験として多数あります。

サイズを気にせず靴下を買うようにかわいい柄足袋を買って履いていたら、いつの間にか小ハゼが全開だったこと。

憧れのアンティークの重たい帯を締めて出かけたら、帰る頃には緩んだ帯締めからお太鼓のタレが抜けちゃってだらり帯になっていたこと(恥)。

その時に声をかけてくださった方々にはありがたい気持ちの方が強く、「警察に捕まった!」なんて思わなかったな。

あくまで相手が望んでいるかを確認した上でさりげなく、ちょっとしたお手伝いができたら良いですよね。

着物は特別なものではなく、ファッションの選択肢のひとつ。

相手の気持ちや雰囲気を最優先で慮る(おもんぱかる)場でさえなければ、着物をコートにしてもミニワンピースにしても、もちろん正統派に着るのも……誰かが誰かの着こなしを批評するものではない、のは洋服と同じ。

「好み」は人それぞれ。

なので、もし気に入らなかったら「私はこういう着方はしないな」と、口には出さず心の中で思っておきましょう。

私だって、いざ自分が着物をミニ丈にしてカラータイツを履くかと聞かれると……それはやりません。でも、人の好みや美意識に口を出すこともしません。

気象や環境の変化も著しいので、4月だけど暑かったら浴衣を着たっていいし、辰巳芸者の心意気に惚れているから冬だけど素足に下駄で意地を見せますってんならその意思を尊重したい。

すっかり葉桜だから桜いっぱいの柄で道ゆく人にお花見気分をお裾分け、してもいいし、ストーリー性にこだわらず好きな柄や色をチョイスしました、でもいい。

着物で出歩くと街が華やいでいいな、褒められてうれしい、そんなポジティブな雰囲気が広まっていくような”着物サポーター”がどんどん増えたら良いな、と思います!

2023.02.24

まなぶ

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