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幕末好きの歴女でお三味線の名取 宮川町・とし真菜さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.6

幕末好きの歴女でお三味線の名取 宮川町・とし真菜さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.6

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京都の寺社仏閣や芸舞妓さんの写真で注目を集める写真家・小見直人さん。日々更新される彼の作品から、きものと版「令和の花街図鑑」をお届けします。今回ご紹介するのは、すでに2度ご登場いただいたとし夏菜さんと同期で、“宮川町のマナカナ”として愛される宮川町の芸妓・とし真菜さんです。

よみもの

「令和の芸舞妓図鑑」

とし真菜さん01

とし真菜まな

出身地:岐阜県
屋形:宮川町・駒屋
見世出し:2010年1月26日
ひとこと:幕末・新選組、とくに土方歳三が大好き!実は、芸名を「とし三」にしたかったんどすが、おかあさんに三秒で却下されたほどどす(笑)。夏菜ちゃん(とし夏菜さん)が「いさみ」やったら、完璧やったんどすけど……。壬生寺さんに建てられた歳三像のクラウドファンディングも、本名ではなく「とし真菜」で応援させてもらいました♡

とし真菜さん02
とし真菜さん03
とし真菜さん04

ご本人コメント

きものも帯も薄い色の組み合わせでは、どこかに締め色を入れないと、全体的な印象がぼやけてしまいます。そんなときに使いやすいのが、赤。暗いきものでも少し赤を入れることによって華やかさを出すことができます。

からげ姿での撮影(下掲)の際には、帯締めに赤ををもってきました。”まっかっか”ではダメで、ちょっとだけが良いんです。歳を重ねていくなかで、シックだけど華やかな装いにするのに”ポイント使いの赤”は大事だと思っています。

※からげ姿……普段着の着物姿のこと

よく「お仕事大変ですね」と言われますが、私にとって芸妓としてのこの生活は、歯磨きみたいなもの。毎日するもので、嫌になったりしません。好きなことをしているし、少しずつ好きなことを言えるようになってきたから、というのもあります。忙しい人を探せば周りにいっぱいいますし、何より私は忙しいのが楽しいタイプなんです(笑)。

とし真菜さん06

三味線の名取でもあるとし真菜さん。今藤「長美緒」は、師である今藤美佐緒さんの名から頂いた

とし真菜さん07

「負けず嫌いで、気が強い」という本人分析に違わぬキリリとした目力も彼女の魅力

とし真菜さん

衿替えは2013年3月。「舞妓のうちは立ち方としてしか舞台で貢献できないから、早く地方さんになりたかった」と当時を振り返る

とし真菜さん09

陰影の美しさが際立つカット

とし真菜さん10

こちらは、SONYの公式Instagramでも紹介された一枚

とし真菜さん

ご本人はもちろん、小見さん曰く「界隈でもすごく評判が良かった」ナイスショット

撮影後記

これまで何度も、宮川町の売花奨励賞のトップを獲られている方です。現在撮影会の類いは全てNGにもかかわらず、普段からのお仕事のからみもあって特別に許可をもらいました。行きつけのお蕎麦屋さんが一緒で、偶然同席した際にお蕎麦をご馳走したのが功を奏したのかもしれません(笑)。

白塗りのお写真は、八竹庵さんのラインとなって綺麗に射す光がしなやかに指先まで映えるカットが撮れました。元々、舞妓さんの頃からあちこちの撮影会に引っ張りだこだっただけあって、撮られる構図や角度などをめちゃくちゃ心得てらっしゃいます。

からげの写真は特に、彼女の豊かな表情がしっかりと出ています。また、とし真菜さんはお三味線「今藤流」の名取さんでもあります。普段可愛らしい彼女が、ひとたび三味線を弾き鳴らし始めるとガラリと印象が変わります。その恰好良さが切り取れていたら良いのですが……

SONYさんのInstagramで紹介された写真は、そういった意味でも格別にうれしい一枚になりました。

2023.01.30

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