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マスクがファッションの一部になる日 「WORLD KIMONO SNAPS」 ‐ NEW YORK ‐

マスクがファッションの一部になる日 「WORLD KIMONO SNAPS」 ‐ NEW YORK ‐

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どんな状況でも楽しもうとするニューヨーカーたちの気質とすばらしいリーダーのおかげで、ようやく街に人が増えてきました。今やファッションの一部になりつつあるマスクをとりいれた、着物スタイルでのおでかけの様子を綴ります。

今回は、今のニューヨークの状況をみなさんにシェアしたいと思います。
これを書いているのはアメリカの「メモリアルデー」という、戦争で亡くなった方たちに感謝を捧げる日で、クリスマス・サンクスギビング・ジュライフォース(独立記念日)につぐ大きなホリデーです。

アメリカの人たちは、通常は家族で集まったり友人と集まってディナーをしたりしますが、今年だけはコロナのおかげでちょっと例外。
両親にコロナウィルスをうつすことを恐れて、あえて家族で集まらないようにしている若者も多いです。

ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモさんが、このメモリアルデーのために「引き続きソーシャルディスタンシングを守りつつ10人以下の集会を認める」と発表しましたが、さすがに友人と集まってパーティするわけにもいかず、私は愛犬リリーを連れて公園へ散歩に行きました。
せっかくなので着物を羽織ってみましたよ。

本来ならば5歳の男の子が着る着物を、ワンピースのように羽織りました。
実はこの着物、もう使い道がなくリメイクして何か別の物に作りかえようと思っていたので、最後にこうやって着て写真を撮れてよかった!
これでいよいよリリーのための着物を作っても良いかも…?と考えています。

ちなみにこのアンドリュー・クオモ州知事、支持率が80%の大人気の方なのですが、アメリカTV局CNNのニュースキャスターである弟のクリス・クオモさんとのTV上のやりとりが、今のニューヨーカーのちょっとした楽しみでもあります。

お互いにからかい合い、自分たちの母親をどちらが愛しているかを競ったり、娘のボーイフレンドがはじめて家にやってきた時の話をしたり…(もちろん全てオンエアされ全州民が聞いています笑)。

人気の秘密は、もちろん弟クリスさんとのおもしろい掛け合いだけではありません。
失業者などへの政策はもちろんのこと、彼に70歳を超えている夫婦から手紙が届くとその内容を取り上げ、今、人を思いやることがどんなにすばらしく大切かということを語ったり、コロナで日々亡くなっていく方々とその家族を敬ったり。
どんな状況でも他人を思い、無償の愛を与え合うことのすばらしさを語ってくれます。

ニューヨークはこのクオモさんのおかげもあり、最近の死者数は100人を前後するようになりました。
以前は多い時で800人近く、その後も500人以上の方が毎日のように亡くなっていたのでかなり落ち着いてきたといえます。

なかなか気温も上がらずあたたかくならなかったニューヨークですが、最近やっと暑いと感じる日が増えはじめ、公園は多くの人たちで毎日あふれかえるようになりました。

しかし完全にコロナウィルスが消えたわけではないですし、第二波が心配されているのも事実なので、出かける時はマスクとグローブが欠かせません。
しかも、クオモさん!
「マスクはCoolでNY州のファッションの一部になるべき」と言っていました。

ヴィンテージの朱赤の長襦袢をガウン風に

マスクもおしゃれなものがどんどん出てきていますよね。
私の手作りマスクはアフリカのファブリックで、友人夫婦がアフリカで購入して持って帰ってきていたもの。
ちょうど着付けで使うさらしが大量にあり、この二つを組み合わせてマスクを作ることにしました!

着物とマスクとグローブ…不思議な組み合わせですよね。
この日は、ヴィンテージの朱赤の長襦袢を、ブラックジャンプスーツとスニーカーで合わせてみました。

そしてルームメイトと近所のカフェにでかけた際も、羽織を羽織ってみました。この日はお天気もよく日差しも強い日でした。
日焼けは全く気にしていないものの、気温が変わりやすいニューヨーク、こういうサラッとした羽織はとっても便利です。
特にこのような単の羽織は、これからの季節にちょうどいいかもしれません。

ルームメイトの装いにも着物をプラスして

せっかくなのでルームメイトにも、ワンピースに黄色が夏らしい着物をプラスしてもらいました。
二人でパイが美味しいカフェへ。最近のお気に入りのお店です。
最近はマスクをしていないと店内に入れなかったり、サービスを受けられなかったりします。

パイを買った後、もう一軒お気に入りのお店へ。
外で飲酒が禁止されているニューヨークですが、この自宅隔離生活で楽しむ場所が公園だけになってしまったせいか、最近ではバーやカフェでお酒を持ち帰りできたりします。
みんなこっそり、公園などでお酒を楽しんでいます(笑)。

しかしこの日はお目当てのお店がクローズ。
カクテルを飲みながら散歩することはできませんでした…残念。

お目当てのお店は残念ながらクローズ

実は、羽織や着物はニューヨーカーにも人気で、ヴィンテージショップなどにいくと必ずと言っていいほど見かけるアイテムでもあります。
といっても日本人のようにきちんと着物を着るというより、ジャケットのように着ている人を時々見かける感じでしょうか。

本来の着方を知らないとしても、おしゃれの一部としてニューヨーカーにも着物が選ばれていることは日本人としてうれしいことです。いろいろな形で、それぞれの着方を楽しめるのはステキですよね。

少しずつ状況が落ち着き、あたたかくなり、ゆっくりとビジネスが再開していくなかで、これからはもっと外で着物を楽しみたいと思います。

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