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パリでひきこもり!自分のスタイル探し 「WORLD KIMONO SNAPS」 – FRANCE –

パリでひきこもり!自分のスタイル探し 「WORLD KIMONO SNAPS」 – FRANCE –

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外の世界に向けて服を着なくて良い今、着物に限らず、何をどういう理由で着たいのか… 一度自分に問うてみませんか?

近所の桜も葉桜に

私は外出禁止がはじまってから、普段はしない緑色の髪にしてみました。

それにあわせて、着物屋さんも「?」だったインカっぽい柄の黄色の縮緬の小紋に、オーガンジーと刺繍が春らしいグリーンの襟、白虎の描かれた名古屋帯という派手派手な組み合わせにして見ました。
ウィルスに負けないぞ!と自分のなかの限界に挑戦してみました。

インカっぽい着物に白虎の帯
「Boojil おかっぱちゃん」のインスタグラムより

このステキなイラストは「Boojil おかっぱちゃん」のインスタグラムより引用させていただきました。

NPO法人パリ小町(以前のコラム参照)メンバーでのオンライン飲み会でお披露目をしたら、あまり誰も驚かなかったのですが…(自分が思うよりみんなは私が突き抜けた格好をすると思っているわけですね)。

また、「亡くなられた志村けんさんへのオマージュ」と言うテーマを決めてのオンラインの会もありました。

あまり楽しいニュースがない最近ですが、めげずに、でもがんばりすぎず、楽しみながら過ごせるような工夫をしています。

日本も感染者が急増し、緊急事態宣言が出ましたね。
みなさまはこの事態をどのように感じられていますか?

驚かれるかもしれませんが、実はこの「ひきこもらなければいけない」こと自体については、私は良い転換期だと思っています。

もともと個人的に2020年は大変換期が訪れると言われており、可能性を広げる木星と、要らないものを捨てていく土星がぴったり重なるこの時期、ちょうどそれを実感していたところだったのです。

それをあらわす出来事としまして、私が日仏間の調整役をつとめていたフランスの老舗ファッションブランドが去年の7月に倒産したことです。

2006年にファッションをメインにしたコンサルタント会社を立ち上げてから、展示会などにも多く関わってきました。
ところが「売れるもの」だけを「もっと安く」そして「もっと早く」と、ファストファッションがどんどんと台頭するのに比例して、ファッション界の疲弊が強く感じられてきました。
だからこそ、このままこの業界にいて良いのかと悩み、何が好きでずっと関わっていきたいかと考えました。
それでたどり着いたのが「着物を広めたい」でした。
そこで「ファッション界の世界最高峰と言われる学校でその方法を学ぼう」と決めたのです。
卒業後に、少し手伝うつもりだけだった先述の老舗メゾンに深く関わることとなりました。
でも着物を広めるための大きなプロジェクトを進めるには辞めなければいけない…と悩んでいた矢先の倒産だったです。
愛着のあった老舗メゾンがなくなってしまうことはショックではありましたが、自分がずっとしたかったことに向いていく良い転換期だと感じました。

とはいえ「この形で来たか!」と驚き、すぐに「では、変わる世界に対してどうして生きていこう?」と言う考えにシフトしました。

ファッション業界だけで見ても、6月のパリコレクションが初めてキャンセルになり、ファッションショーがあってその半年後にそのコレクションが店頭に出るという流れは間違いなく変わることになるでしょう。

個人的に、私はこの世界の「強制リセット」は、あらためて自分と向き合える良い機会なのではと思っています。

私は私が好きなものを好きに纏いたい。
そうやって生きたい。
そのために髪が何色だろうが何を着ていようが仕事に影響が出ない生き方を選んできました。
もちろんいきなりそうなったわけではなく少しずつ試して、自分の中での有り無しを計ってきたのです。

誤解がないようにお伝えしますが、基本的にはTPOは守るべきだと思っています。
でも個人の楽しみとして着る場合は「遊び」を入れてもいいとも思っています。

私は去年「#kimonoeveryday」と言うハッシュタグとともに、「毎日着物を着る」と決めて、いろんな着物の着方で最大限に遊んできました。

シャツを長襦袢のかわりに着たり、帯をせずにショール用のクリップをつけたり、
浴衣の上に着物を着たり (てんでん前というそうです)といろいろと試してみました。

そのなかで好きなバランスや楽な着方など、分かってくることも多かったのです。

#kimonoeverydayより1
#kimonoeverydayより2

「外出できない状況下なのですから、むしろ普段できない着物の着こなしを楽しんじゃいましょう」ということを、今回ここでお伝えしたいと思います。

外の世界に向けて服を着なくて良い今、着物に限らず、「何をどういう理由で着たいのか」一度自分に問うてみませんか?

やってみて分かることってあると思うのです。

細かいルールがあって、自由な着方ができないと思われがちな着物ですが、
洋服は立体裁断で着ればその形になりますが、直線裁断の着物は自分で着付け方も調整できます。
実はお洋服よりもっともっと自由な衣服なのです。

まずはやってみましょう!

”脱皮できない蛇は滅びる。その意見を取り替えていくことを妨げられた精神たちも同様だ。それは精神ではなくなる。”

とは、かのニーチェの言葉。

みなさまは、どんな脱皮されますか? 

無理をせず、でも楽しんでひきこもりくださいね!

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