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10名のレギュラー陣が勢揃い!『鬼平犯科帳』SEASON1 「きもの de シネマ」番外編

10名のレギュラー陣が勢揃い!『鬼平犯科帳』SEASON1 「きもの de シネマ」番外編

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銀幕に登場する数々のキモノたちは、着こなしやコーディネートの良きお手本。せっかくなら、歌舞伎やコンサートみたいに映画だってキモノで愉しみませんか。番外編第2弾では、2024年1月から始まる『鬼平犯科帳』シリーズのレギュラー出演者発表会見の模様をお伝えします。

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最強メンバーでつくる時代劇の傑作

ごきげんよう、椿屋です。梅雨湿りで部屋干しの洗濯物が増える今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

梅雨の晴れ間の6月7日。そんな鬱蒼とした心持ちを晴れやかにしてくれる発表会見にお呼ばれし、松竹撮影所まで出向いてまいりました。

以前ご紹介した『仕掛人・藤枝梅安』に続き、池波正太郎生誕100年企画として始動した新たな『鬼平犯科帳』シリーズにおけるレギュラー出演者のお披露目が行われたのです。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

撮影スタジオ内に設置された会場には、多くのメディア関係者が集い、撮影所スタッフの面々が見守るなか、10名の出演者が登壇されました。

キャスト勢ぞろい

撮影/スタジオヒサフジ

前段は、主役である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を務められる松本幸四郎さんを中心に、若き日の鬼平・長谷川銕三郎役の市川染五郎さん、平蔵の妻・久栄に扮する仙道敦子さん、密偵役として暗躍する火野正平さん(相模の彦十)に中村ゆりさん(おまさ)という豪華メンバーが集結。

後段は同心役の5名。

左から、柄本時生さん(小野十蔵)、山田純大さん(酒井祐助)、本宮泰風さん(佐嶋忠介)、浅利陽介さん(木村忠吾)、久保田悠来さん(沢田小平次)。個性派バイプレーヤーがずらりと肩を並べます。

※同心(どうしん)…江戸幕府で、庶務や警察の仕事に携わった役人のこと

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

印象的だったのは、出演者を代表した幸四郎さんの「これが時代劇の傑作です」という力強いお言葉。

「傑作を、最強のメンバーでつくっている最中でございます」

そこには、レギュラー陣への絶大なる信頼がありました。

会見中、仲睦まじい様子が伝わってくる微笑ましいエピソードも披露され、チームワークのよさが伺えました。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

きもので演じるにあたって

制作発表から2年以上。

過去4度の映像化を経て、5代目長谷川平蔵という大役を担うことになった幸四郎さんの作品への意気込みは並々ならぬものがあるようで。出演が決まってから、本業である歌舞伎の合間を縫って、乗馬や殺陣の稽古に勤しまれたといいます。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

和装での所作や立ち居振る舞いに関しては、プロフェッショナルな幸四郎さん。

息子の染五郎さんや、時代劇に馴染み深い火野正平さんや山田純大さんにとっても、自然体での演技はお手の物でしょう。

そんななか、作品に説得力をもたらす衣装との関わり方について女性陣にお尋ねしました。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

「久栄さんはこういう御引き摺りのお着物を着ておりますが、私自身としては、実は初めてでして…。撮影に入る前に所作について教えていただきました。手の位置やらさまざま決まりがあり、背筋が伸びるような気持ちで日々勉強させていただいております」(仙道敦子さん)

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

「幸四郎さんが普段から本当に着慣れていらっしゃる方なので、私もしっかりしなきゃいけないなと。去年から日本舞踊に通って、せめて着物を着慣れておこうと準備をしてきました」(中村ゆりさん)

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

浅利陽介さんは自然で格好いい幸四郎さんをお手本にされることも多いそうで……

「僕は所作で迷うことがけっこうあるんですが、あたりまえなんですけど幸四郎さんはスススっとやられるので、座ったり立ったり、刀の扱い方だったりを参考にさせてもらっています。いつもありがとうございます!」

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

「同心の中にもちょっとした階級があります。座り位置だったり立ち位置だったり、動きの違いだったりを、映像でご覧になっていただけたらうれしいです」

という本宮泰風さんのお言葉にもあるように、舞台となる江戸時代は身分によって着るものも異なっていました。衣装が世界観を構築するアイテムになっているのも納得です。

ぜひ各キャラクターのお召し物にも注目してご鑑賞ください。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

松本幸四郎さんと、市川染五郎さん。風来坊な”本所の銕(ほんじょのてつ)“こと銕三郎(平蔵の幼名)を、平蔵役の俳優が一人二役したことはあっても、実の息子が演じるのは初めてのこと。記者の注目が集まりました

時代劇をファンタジーとして愉しもう!

初代平蔵を演じたのは祖父である松本白鸚(八代目松本幸四郎)氏

続く2代目の丹波哲郎氏の後を継いだ萬屋錦之介氏も親戚筋であり、4代目を務めた中村吉右衛門氏は叔父という関係性。どのような想いで平蔵になることを決められたのか。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

「このお話をいただいたときには迷いはなく、普段は何事も即決するタイプではないので、『やらせていただきます』と素直に言えた自分がいたということが、いま思えば不思議な気持ちです」

と、オファーを受けたときのことを振り返る幸四郎さん。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

「これまでの映像作品、原作、またそれらをご覧になっていた方々の鬼平のイメージ、そして新しく鬼平犯科帳を知る方たちに、真正面からぶつかっていくという気持ちでおります」

今回の撮影における幸四郎さんの中でのテーマは、「なるほど、だから“鬼の平蔵”と呼ばれるようになったのか!」と感じさせる平蔵を演じること

加えて、これまでの作品に左右されず「いまのこのメンバーで、いいものをつくろうという思いで走っていく」という決意を表明されました。

30分以上の質疑応答を経た幸四郎さんの締めのお言葉がこちら。

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

撮影/スタジオヒサフジ

「鬼平犯科帳はいわゆる捕物帳(とりものちょう)ですが、人々の生き様を描いた人間ドラマでもあります

長谷川平蔵は実在の人物ですし、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)という部署も実際にありました。江戸時代という時代ももちろんありました。ですが、いまは江戸生まれ江戸育ちという人はどんなにご長寿でもいらっしゃらない。であるならば、これはフィクションの世界、ファンタジーと言えます。だからこそ、みなで説得力のある映画をつくってしまおうという想いがあります。

時代劇でないとできないことを表現し、着物や四季を愉しんでもらって、日本って豊かで面白いじゃないかって思えることが時代劇の魅力だと思います」

※捕物帳(とりものちょう)…時代小説として、捕物(罪人逮捕)を題材とした作品のこと

絶賛撮影中の『鬼平犯科帳』SEASON1の公開が、いまから待ち遠しくて仕方がありません。「きもの de シネマ」では、5月公開予定の劇場版をご紹介予定

どうぞお愉しみに!

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ 写真/操上和美

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