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着物で訪ねるNY・ブロードウェイ! 「Magnificent KIMONO!」vol. 6

着物で訪ねるNY・ブロードウェイ! 「Magnificent KIMONO!」vol. 6

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今回は、絶対に果たしたい目的があって旅に出ました。ニューヨークと言えば……ブロードウェイ。この場所で35年もの間、歴史的なロングランを成し得た『オペラ座の怪人』をご存知でしょうか?

2023.04.19

よみもの

世界を旅する着付師、ラスベガスへ! 「Magnificent KIMONO!」vol.5

ボストンからニューヨークへ一人旅

米国ボストンからこんにちは!

突然ですが、ボストンがアメリカの一体どのあたりにあるかご存知でしょうか?

ボストンは東海岸の北部にあり、ボストンの緯度はおよそ札幌、旭川、釧路など北海道と同じです。

実はニューヨークとはそれほど離れておらず、車や電車、バス等で、気軽に旅行できる便利な場所にあります。

……と言っても、どの交通手段においても4時間ほどはかかる道のりなので、日本にいらっしゃる方々からすると、めちゃくちゃ近いわけではないのですが。

国土の大きなアメリカにいると、たったの4時間!しかも数千円で行ける場所は、やはり手軽な旅先であります。

北川聖子さん

というわけで、今回はニューヨーク一人旅編!

昨年ニューヨークで花魁道中を行った際、アフターパーティーに参加するため、家族より1泊長く滞在した私。

マンハッタンのど真ん中からピョイっと電車に乗れば簡単にボストンの自宅まで帰れると知り、完全に味を占めてしまいました。

2022.09.22

よみもの

”一世一代の着物”で歩くジャパンパレード 「Magnificent KIMONO!」vol.2

それからというもの、たびたび電車やバスを使い”おひとりさま”でニューヨークを訪れております。

”おひとりさま”旅が好きな理由は、何というか……自分の成長を感じることができるから!です。

実は私、結婚するまでは海外に住むことになるなんて予想だにしていなかったタイプで、恋に落ちる男性も全員日本人という、いわゆる”ジャパ専”でした。

そんな私が何の因果か、アメリカ人のブルーマンと授かり婚。選択の余地なくアメリカへと移住することになったのですが……

こちらに来たばかりのころは英語もろくに話せず、車の運転もできず、ひとりで旅行なんて絶対に無理!という弱虫女子だったのです。

それが5年経ち、10年経ち、少しずつ自分でできることが増え、さらに歳を取ったせいか、やや図太くもなりました(笑)。

北川聖子さんとNAOさん

今回はニューヨークで活躍するメイクアップアーティストであり、着付け師でもあるNAOさんのお宅へお泊まりさせていただきましたよ。「きものと」でのNAOさんのコラムもぜひ!

よみもの

「WORLD KIMONO SNAPS」 ‐ NEW YORK ‐

そんな私は、ひとりでバスや電車に揺られて遠くに旅をすると、「良かった、私は少しずつ成長を続けている!」と感じることができるのです。大人になると、自分の成長を感じることってなかなか難しいですよね。

本来人間は、日々何かを学んで死ぬまで成長を続けているもの。ただなかなか、自分では己の成長に気付けないだけだと思います。

なのでそれを実感するため、私はたびたび、家族に頼れない環境に自分を放り出してみることにしてます!

夫のワールドツアーに同行した際には、5歳の子供を連れて、ヒッチハイクしながらスイスの山登りへ。

5歳の子供を連れヒッチハイク
バスや電車に揺られ、遠くに旅を

また、行ったこともないオーストリアのウィーンで、1ヵ月子供と2人暮らしをしてみたり。

ウィーンで1ヵ月子供と2人暮らし
ウィーンで1ヵ月子供と2人暮らし

そうすると、自分の生存本能がぐわぁぁぁぁーっと活性化されるような気分になるのです。

ブロードウェイで『オペラ座の怪人』を

それと比べたらニューヨークの一人旅は、格段にお気楽なものですが、今回は絶対に果たしたい目的があって旅に出ました。

ニューヨークと言えば、ブロードウェイ。

この場所で35年もの間、歴史的なロングランを成し得た『オペラ座の怪人』をご存知でしょうか?

オペラ座の怪人

なんとこの傑作が、今年の4月に千秋楽を迎えました。

そして、その演者のなかに唯一日本人女性がいらっしゃることはご存知でいらっしゃいますでしょうか?

オペラ座の怪人
その方のお名前は、亀井彩花さん

その方のお名前は、亀井彩花さん。

実は彩花さんと私は同じ愛媛県松山市の出身で、去年、私の手掛けるジュエリー製作の記事がニューヨークのフリーペーパーに載ったことをきっかけに彩花さんが私を見つけてくださり、SNSで連絡を取り合う仲に。

松山出身の方をアメリカで、しかも芸能のフィールドで見つけるのは、本当に稀なこと。こちらでは東京近郊や関西出身の友人はたくさんおりますが、愛媛・松山出身の方はなかなかいらっしゃらないため、ふたりが打ち解けるのに、当然時間はかかりません。

公演前の貴重なお時間をいただき、彩花さんとお茶を♪

彩花さんとお茶を

地元の話、踊りの話、お互いのパートナーの話……話すネタはまったく尽きません。

あっという間に時間が経ち、彩花さんの楽屋入りのお時間に。一度お別れをして、私はふらふらとタイムズスクエアへお散歩へ。

……でもそこにも、しっかりと狙いがございました!!

先日ラスベガスに行った際、有名な撮影スポットには、現地のフォトグラファーが良いカメラを持って待ち構えていると知った私。彼らは観光客を相手に、その場で契約して撮影を請け負うのです。

2023.04.19

よみもの

世界を旅する着付師、ラスベガスへ! 「Magnificent KIMONO!」vol.5

「ラスベガスにいるなら、タイムズスクエアにも絶対いるはず!」

辿り着いてみれば、首から行商用iPadとでっかいカメラを下げた人たちがわんさかいるではないですか♪ヨシヨシ、読み通り。

何人か声をかけて来てくれたなかで、好きなスタイルで撮ってくれるフォトグラファーを2人に絞り、ついでに料金も絞り、撮ってもらいました!

タイムズスクエアでも着物はオシャレに決まります
タイムズスクエアでも着物はオシャレに決まります
カッコいい写真を撮ってくれますよ!

いかがでしょう?

自分のスマホで撮影するより、よっぽどカッコいい写真を撮ってくれますよ!

私は80枚近く撮ってくれた写真データを全部その場で貰って(iPadとスマホを有線で繋いで、あっという間にダウンロードできました)、お値段50ドル、チップ込み!

これ、アメリカの撮影料金の平均額と比べたらめちゃくちゃリーズナブルです。

「たった一枚で良い!」と言えば、10ドルくらいで撮ってくれると思うので、まるで雑誌のような写真を記念に残したかったら、このサービスは本当にオススメですよ。

ニューヨーク、タイムズスクエアにも着物はしっかりオシャレに決まりますね。着物を着ているとフォトグラファーさんもノリノリ、楽しそうに撮ってくれます♪

美しいマジェスティックシアターへ

マジェスティックシアター

さて、有意義な暇つぶしも終わり。いよいよ『オペラ座の怪人』を上演するマジェスティックシアターへ。

劇場内はまさにこの演目にふさわしい、なんとも美しい空間でした。

あの有名な音楽とともに天井へと迫り上がってゆくシャンデリア。一気にオペラ座の世界観へと引き込まれます。

「オペラ座の怪人」を上演

私が一番興奮したシーンは、怪人の地下の住処に主人公のクリスティーヌが誘われ、長い階段(長いと感じさせる見せ方がまた上手い!)を降りた先、スーッと何百本もの蝋燭が水中から浮かび上がる演出。

世の中にはとんでもない天才演出家がいたものだ!!!と、全身に鳥肌が立つほど美しい瞬間でした!

きっと私と同じくこのシーンが好きな方も多いはず。

一生のうち、この作品を観た人生と観なかった人生は必ず何かが違う。そこまで言わせる作品とはそうそう出会えません!

私がもうひとつ注目したのは、キャストの層の厚さです。特に目を惹いたのは主役のキャストではなく、主人公の友人役の方。さっきまでトゥシューズを履いて美しく舞っていたダンス専門パートかと思いきや、歌もめっちゃいい!そして演技も上手い!

その身体のなかに類い稀なる才能が2つも3つも、って!!

「天は二物も三物も祭りだね!神様どしたん?」

と、思わず、終演後の彩花さんに漏らしてしまいました。

その彩花さんも公演中はどんどん衣装を着替え、ありとあらゆるシーンに出て来ます!

亀井彩花さん

photo by Greg Mills

亀井彩花さん

photo by Bohyun Yoon

指先まで神経の行き渡った表現、1週間に8回ものショーをこなすハードスケジュールなのに、身体からキラキラと、踊れることの喜びが光になり放たれているようなすばらしいダンサーです。

亀井彩花さん

photo by Bohyun Yoon

観る人の人生まで変えてしまいそうなパワフルな作品に、同じ日本人が堂々と立ち、美しく舞っている……

同郷の者として本当に誇らしい気持ちになりました。

亀井彩花さん

photo by Bohyun Yoon

そんな彩花さんとも、いつかアーティスト同士としてコラボしよう!とお約束して別れました。その夢が叶った時は、またみなさまにご報告させていただきますね。

亀井彩花さんの今後の活躍は、ぜひ彼女のInstagramからチェックして下さい!

北川聖子の「Magnificent KIMONO!」ニューヨーク編、ご覧いただきありがとうございました!!

北川聖子さんと亀井彩花さん

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