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絶対にバレない、お太鼓の作り帯 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.32

絶対にバレない、お太鼓の作り帯 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.32

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そうか、どうせお太鼓にしかしないなら、作り帯でもいいじゃないか。そう気づいてから、わたしも何種類か作り帯にしています。実際に使ってみての感想ですが、お太鼓の作り帯ほど他人にバレないものはありません。

日傘で楽しく!

なんだかこの夏は、花火大会も夏祭りも軒並み中止のようでさみしいですね。 夏らしいイベントがないことで、華やかさに欠ける感じがしてしまいます。このままでは夏の思い出が地味なものになってしまうのか!? いや!でも!だからこそ!もっと日常に楽しみがあっていいのではないかと思うのです。

作り帯でも、ばれません!

きもの姿の一番オーソドックスな結び方「お太鼓」。
江戸時代、亀戸天神の太鼓橋ができたときに芸者さんたちが結んでから流行したという説がある、歴史の古い帯結びです。袋帯では二重太鼓、名古屋帯では一重太鼓にするのが一般的ですが、たまにリサイクルものなどで短い袋帯に遭遇することが……。実はわたしも経験者。息子の卒業式に結ぼうと購入したリサイクルの袋帯、当日結ぼうと思ったら短くて、「二重太鼓に短し、一重太鼓に長し」という状態だったのです。せめて前日に練習でもしていたら、短いことに気が付いて作り帯にしておいたのに。

お太鼓は、急いでいるときに柄がうまく出せずに焦ったり、固い材質の帯がごわごわしてうまく結べなかったり、鏡を見ながら結んでいたら左右対称にならなかったりして、シンプルながらもなかなか奥が深い結び方ですが、実はこれ、作り帯でも全然気づきません。

うちの母の喪服用の帯は、昔から作り帯でした。「だってお太鼓にしかしないもの」。まぁそう言いながら、母が銀座結びや他の結び方をしているのを一度も見たことがないんですけどね。本を見ながら自分で作ったのだそうで、昔の本を出して見せてくれました。

そうか、どうせお太鼓にしかしないなら、作り帯でもいいじゃないか。そう気づいてから、わたしも何種類か作り帯にしています。実際に使ってみての感想ですが、お太鼓の作り帯ほど他人にバレないものはありません。きれいに結んでいますねと言われたら、「あら、ありがとうございます」と微笑んでいればいいだけ。仲良しのきもの仲間にだけこっそり「実はこれ、作り帯なの」と白状しています。

作り帯には種類があります。

① 帯を切って、胴部分とお太鼓部分に分けた二部式のもの。
② 帯を切って、胴部分とお太鼓に分け、縫いつないであるもの。
③ 帯を切らずにたたむようにして数か所縫い付け、形にしたもの。

母の作り方は②ですが、今流行しているのは③です。作り帯の本も出ているようですよ。
お店によっては、帯を仕立てるときに最初から③のタイプの作り帯にしてくれるサービスも!糸を切れば元の帯に戻りますが、そういえば元に戻したという人の話は聞いたことがないなぁ。

見た目がきれいで、バレない。しかも楽。いいことしかありません。ごわごわして結びにくい帯、柄が出にくい帯はありませんか~? お太鼓の作り帯、おすすめです。

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