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日傘をさして、おでかけをもっと楽しく! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.5

日傘をさして、おでかけをもっと楽しく! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.5

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日傘のあれこれを眺めていると、夏のおでかけがますます楽しみになってきますね。シンプルな夏のきものにカラフルな色柄の麻の名古屋帯をして、雰囲気のよく似た麻の日傘をさしたらどんなに素敵でしょう!

日傘と市女笠

ようやく自粛解禁となりましたが、まだおそるおそると言ったところでしょうか。
自粛生活をしている間に季節はどんどん進んで、日差しも強くなってきました。
もうすっかり夏の様相、いよいよ日傘の季節ですね。

わたしが今使っている日傘は折り畳みでハンドバッグにも入れられる晴雨兼用のもの。
うっかり電車に置き忘れたりして何度か紛失してしまい、現在三代目です。
今日は雨が降らない、とわかっているならば、軽くて明るい色柄の、使っていて朗らかな気持ちになれる、誰からも褒められるようなすてきな日傘をさしたいと思っています。
実は気に入っている久留米絣の日傘があったのですが、ずっと大事にしまいすぎて、ほとんど使わないうちに布が黄ばんでしまいました。
ほどいて洗って縫い直せるものかしら、と首を傾げつつ、またクローゼットにしまってあります。

わたしが日傘を選ぶときの大きなポイントは、UV加工の有無はもちろん、一番はやっぱり、色柄が好きかどうか、持ってうきうきするかどうか、ですね。
その次にチェックするのは、持ち手の部分の形です。
これは、傘を閉じたときに腕に引っかかる形状をしていないと、屋内に入ったときに困ってしまうからです。
かつて、棒状の持ち手で紐も何もついていない日傘を買ってしまった友人が「色柄に惹かれて買ってしまったけれど、不便でしょうがない」とこぼしていました。
案の定友人は銀行のATMコーナーに立てかけたまま置き忘れ、誰かが持って行ってしまったそうです。
友人の悔しさを紛らせようと「きっと持ち帰った人もどこかに立てかけて置き忘れているよ」なんて変な慰め方をしたことを思い出します。

改めて日傘のあれこれを眺めていると、夏のおでかけがますます楽しみになってきますね。
シンプルな夏のきものにカラフルな色柄の麻の名古屋帯をして、雰囲気のよく似た麻の日傘をさしたらどんなに素敵でしょう!

ところで、「市女笠(いちめがさ)」というものをご存じですか?これはスゲを編んで作る、幅が広めの笠です。
平安時代に公家の女性が外出用として使用したものは、薄い布が垂れ下がっていて、日よけ効果も虫よけ効果もばっちり。
これならコロナ対策としてソーシャルディスタンスも保てるかな、と半ば本気で考えたのですが……やはり普通に日傘をさしてお出かけするほうを選ぼうかしら。

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