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せっかくだもの、裾模様のきものでお出かけ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.14

せっかくだもの、裾模様のきものでお出かけ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.14

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大勢が集まる華やかなパーティーやイべントは難しくとも、小規模のイべントや個人的な外出は歓迎されるムードになっています。せっかくだもの、という気持ちをもっと大きくしてみませんか。そう、裾模様のきものの出番です!

裾模様のきもので楽しむ!

付下げや訪問着など裾模様のきものは「フォーマルのきもの」と区別されて久しいのですが、この頃は付下げの柄付けになっている大胆な柄の浴衣やきものが「ファッション」としてどんどん取り入れられています。実際にわたしも数年前からカジュアルな付下げを何枚もデザインしていますし、実際に着て同窓会にも行きました。小紋や無地感のきものと違って裾模様のきものは、柄が大きくなる分、遠目からでも柄がわかって面白いんですよ。

数年前に母と娘と三人でわざわざ銀座まで見に行った「日本のおしゃれ展」では、昭和のはじめ頃の装いとして、観劇やお花見、パーティーに着用したという季節の柄や個性的な柄を施した訪問着や付下げのコーディネートがたくさん並べられていました。つまり、お祝い事のときに着る、松竹梅など吉祥文様の裾模様と、それ以外のお洒落着として着る裾模様があったということです。
わたしが持っている裾模様のきものは、母や伯母、祖母からもらったものが多く、春のお祝い事には胡蝶蘭や虞美人草(ポピー)、秋のお祝い事には柘榴や柿の訪問着を着ていました。季節の柄で着分けるスタイルは、完全にうちの母たちの好み。春秋に関係なく着られる正統派古典柄の付下げも含めて、これっていわゆる「お洒落着」として着たっていいんじゃないの!?これが憧れの「細雪」の世界ってことなんじゃないの!?

大勢が集まる華やかなパーティーやイべントは難しくとも、小規模のイべントや個人的な外出は歓迎されるムードになっています。せっかくだもの、という気持ちをもっと大きくしてみませんか。そう、裾模様のきものの出番です!格式が高いと言われるレストランなど、ドレスコードがあるような場所に堂々と出向きましょう。一人ではなく、お友達やお仲間、パートナーと、二人か三人がいいかな。細雪の登場人物になったような気持ちで裾模様のきものを着て出かけて、純粋にきものを楽しんでください。きっと素敵な時間になるはず。
きもの友達に「細雪ごっこしませんか?付下げ着て、ちょっといいとこで食事しない?」と送ったら「行く!着たいきものがある!でもマスクばっかりしててフルメイクの仕方忘れたかも。練習しなきゃ」と返事が来ました。料亭で和食もいいけど、ホテルのレストランで洋食もいいな。いつか皆さんと「裾模様のきもので美味しいものを食べる会」をするときの下見をしてきま~す。

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