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染織組紐茶ぞめ処・龍工房 ~純国産絹糸・草木染へのこだわり~ 古来よりの組紐技「ゆびくみひも」体験レポート

染織組紐茶ぞめ処・龍工房 ~純国産絹糸・草木染へのこだわり~ 古来よりの組紐技「ゆびくみひも」体験レポート

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2020年・冬に5周年を迎えた、京都きもの市場 銀座店。 記念イベントのひとつとして、江戸組紐の老舗・「龍工房」さんをお招きし、組紐でミサンガを制作する体験会を行いました。 鮮やかな色糸から紡ぎだされる組紐の世界…すこし覗いてみましょう。

2月15日、京都きもの市場銀座店において楽しい企画が催されました。
「指で組紐を作る」というものです。

教えていただくのは、130年以上の歴史と伝統技で”誠あるものづくり”をされている江戸組紐の老舗・龍工房さん。
組紐にまつわるお話をお聞きした後に、古来より伝わる指で組む技で「ミサンガを作る」体験会を取材しました。
レポーター/美鈴

母の着物を受け継いでから、『自分で着物を着たい!』、と着付け教室へ。

美術鑑賞や音楽鑑賞に着物を着て出掛けています。

きもの市場さんのサイトで商品の説明を読むのが大好きです。

初めに組紐にまつわるお話です。

日本に組紐が伝わったのは、仏教が伝来した飛鳥時代。
大陸から組紐の技術が伝えられ、経典や僧侶の袈裟などに使われていました。
その後、王朝貴族の束帯、武士の武具、茶道具と活用の幅を広げて行きます。
平安時代には日本独自の組紐技法が確立したと考えられています。
江戸時代、「福良雀」という帯結びをするときに必要になったことで、帯締めとして全国へ広がって行ったとのことです。

紐を組む台にはいくつか種類があります。

そのうちの二つの台について、模型を使って仕組みを説明してくださいました。

角台

鏡と呼ばれる四角い台板と、組み上げた紐を引っ張りあげるための滑車のついた柱とからなる台で、柱から下げられた鏡によって組んだ紐を引っ張り上げながら組んでゆく。
糸に撚りをかけながら組すすむのがこの台の特徴で、撚りが戻らないようにするために足の部分に布が巻いてある。
比較的玉数の少ない紐を組むのに使われる。
四つ組のような単純な紐から複雑な唐組まで、丸紐も平組もできて組み方は自由。

高台

組紐の王様と言われる台。
畳一枚ほどの大きさで、組む人は台中央に渡された板の上に座って組む。
台の正面にある鳥居のような形をした巻き取り軸に糸を結びつけて、台の左右に二段ずつつけられた枠に玉のついた糸を掛け、組んでゆく。
上下二段の糸の色を変えることで、部分的に模様を出すことが出来る。
玉数を多く使えるので模様の変化も多く、複雑な柄出しができるのが特徴。

ではいよいよ実際に紐を組んでみましょう。

製作の過程を紹介します。

三本の紐をそれぞれ輪にして端を結んでおきます。
輪の中に人差し指と中指を入れ、左右交互に中の紐を外側の紐にくぐらせて行きます。

初めは手伝ってもらいながらも、皆さん徐々にコツをつかみ、どんどん組み上がっていきます。

一つ組むごとに開いて引き締めます。
終わりに近づいてくると組んだ部分を指でしごいて均し、玉結びをして完成です。

早速、腕に巻いてみました。
お着物の色柄とマッチして素敵ですね。

はい、全員完成!
♡ハート形に折り曲げて、皆さんに”愛”を送ります。♡
紐が細いので、引き締める時に指に食い込み、かなり痛かったそうです。
でも、出来上がると嬉しいですね。
( 取材に当たった私もやってみたかったです。)
次は5本組にチャレンジしたいというお声があちこちから。
次回のお楽しみですね。
さて、ここで、龍工房さんの帯締めをご覧ください。
こんなにたくさんの種類があります。

絵具箱のようにカラフルな帯締めが並んでいます。
これは衣冠装束の冠の緒に用いられたところから、冠(ゆるぎ)組と呼ばれる帯締め。
なんと30色もあります。

発色の美しさに目を奪われます。
こんなコレクションがあったら素敵!
準フォーマルから洒落ものまで、万能に幅広く使えます。

貝の口のように固い紐ということと、白地に小さな雲が浮かぶような柄から、貝の口組雲型と呼ばれる帯締め。
緑と白の色変わりが素敵ですね。
フォーマルな装いに。

こんな変わり種もありました。
トランプの模様が組みだされています。
こんな帯締めをしたらウキウキして踊りだしてしまいそうです。
カジュアルな装いに。

きもの市場さんのインターネットサイトを覗いてみると、龍工房さんの帯締めがずらり。
いくつか紹介致します。
貝の口組亀甲。

多色使いが美しいですね。フォーマルな装いに。

高麗組菱の目。

組み方が途中で何度も変化していますね。
フォーマルな装いに。

綾竹駿河組。

アナログカメラのフィルムのような線が両端に。
準フォーマルからカジュアルな装いにも。

唐組。

この房は蛸足房というのだそうです。
フォーマルな装いに。

高麗組綾柄。

金糸が散りばめられています。
フォーマルな装いに。

畝打組。

組目が、畑の畝(うね)のように見えることから名付けられた。
カジュアルな装いに。

丸八津組。

これは変化を加えて途中から二本に分かれています。
カジュアルな装いに。

洋角組。

パステルカラーが素敵。
洒落ものからカジュアルな装いに。

四段綾竹組。

これはリバーシブルになっています。
カジュアルな装いに。

おすすめの装いや、相応しいシーン、時期、組み方の特徴など詳しい説明はどうぞサイトでご確認ください。

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ところで、帯締めには太いものと細いものがあります。
細いものの方が経糸の本数が少なく、太いものより組み上げるのに時間がかかるのだそうです。
また経糸を染め分けているものや色数が多いものは、それだけ手間がかかっているという証です。
自ずと高価になっていくわけですね。
 
組紐体験。
わずか3本の紐から美しい模様が生まれました。
そして、変化に富んだ美しい帯締めがたくさんあることを知ることができました。
今回の取材を通して、前にも増して組紐や帯締めに興味がわきました。
龍工房さん、ありがとうございました。
様々な色・組み方の帯締めがずらり・・・
今回ご紹介したもの以外にも素敵なものを沢山ご用意!
お気に入りをぜひ見つけてください。

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