わたしもきもの沼の住人です。でも沼にいる人たちは皆、大変と口では言いながらも、あははうふふと笑いながら沼に浸かって暮らしていますので、適度にお買い物して暮らしていきましょ。

お財布の限界と、収納の限界の問題がクリアになれば、何も気にせず買えるんでしょうけれど、限界があるからこそ工夫のし甲斐もあるっていうものです。

体はひとつ、一年は365日なので、いくらたくさん持ちたくなっても、所持するきものは365枚以上にならないように気を付けなくちゃ、なんて冗談を言って笑っていたのですが、親戚からのお下がりが増えすぎて、笑えなくなってきました。買ったもの、もらったものたちが溢れかえって、このままではタンスが何棹あっても足りません。

いつか押し入れや物置を改造して、作り付けのきもの専用クローゼットにしたいと思うのですが、宝くじも買わなきゃ当たらないですもんね……。自分で把握、管理できる範囲内にしないと、収拾がつかなくなります。

欲しいという情熱を急冷させるために、買い物しそうになったらいったんその場所から離れて冷静さを取り戻す「クールダウン」、という手もありますが、欲しい！といったん火がついてしまったら、若い頃の恋心みたいなもので、実際にはなかなか消せないんですよね。

買い物という行為は元気の源ともいえることなので、禁止にするのはナンセンス。大事なのは自分で前もって「欲しいものリスト」を作っておくことじゃないかな、とわたしは思っています。

わたしの場合ですが、きものの種類と季節ごとに何を持っているかを紙に書き出しました。

そうすると、えっ、この時期に着るべきコートがない！とか、夏物の数のわりに夏帯が足りない、とか、今買ったほうがいいもの、あったら便利なものが具体的に見えてきます。それを覚えておけば、「あっ、今わたしはあれを探すべき」というブレーキになって、余計な買い物をする回数がぐっと減るんですよ。

友人の場合は、目についてしまう色がいつも同じで、緑色の小紋だけで5枚あったそうです。しかもすべて袷。わたしに言われてリスト化してからは「次に新規で緑色のきものを買うときは単衣にする」と決めたそうです。恐るべしミドラー（緑好きの人のこと）。総数を減らさずに単衣を増やすか……。

ちなみにわたしは、夏のフォーマル用の帯を1本しか持っていないので、次に何か買い物をするときはそれだな、と思っています。去年ひとめぼれして買った絽の付下げに合わせるんだ～♪

こうなるとまたサーチ力が増して、いい買い物ができるような気がするんですよ。

所持枚数の最大値を決める、年間の予算を設定する、という方法を試して失敗を重ねたわたしの行きついた先が「リスト化」でした。参考にしていただければ幸いです。

収納問題でお困りの方は、「きものキーパー」が手っ取り早いですよ。チェックしてみてください！

ご質問者／fuwafuwaringさま