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【Q14】帯板をしても前帯部分に皺が!どうしたら? 「いまさんの着物お悩み相談室」

【Q14】帯板をしても前帯部分に皺が!どうしたら? 「いまさんの着物お悩み相談室」

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エッセイスト・イラストレーター きくちいまさんによる人気連載、”着物お悩み相談室”。Instagramにて実際にいただいたお悩みより…… 今回は、気になる「前帯部分の皺」について。

2024.01.18

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「きくちいまが、今考えるきもののこと」

帯の前腹が皺になる2
質問者yさん

姿勢が悪いのか、帯の前腹がクチュっとシワになります。

きくちいまさん

yさんにお答えします! 確かに姿勢って大事なんですよね。

「前帯のシワ」と「姿勢」のはなし

実は以前わたしも、羽織を着たときに胸元に皺が寄ってしまうと悩んでいたら、知り合いの女将さんから

「姿勢をよくしないと!はい!胸張って!」

とアドバイスいただきまして、鏡の前で胸を張ったら、皺がすぅっと消えました。肩甲骨を寄せて両肩を落とすようにしたり、腰骨を立てるようにしてみたり、鏡の前で研究してみるのもいいですよ。

きものでも洋服でも、姿勢はいいほうがきれいに見えるとは思いますが、帯に皺が寄らないようにするには、まず帯板に工夫が必要なんじゃないかなと推察します。

「帯板の素材」と「入れるタイミング」

帯板はどんなものを使っていますか?

プラスチック製でもメッシュ素材や板状のものなどさまざまですし、ボール紙の上に布を貼ったもの、へちまなどの植物性の繊維を布で包んでキルティング加工したものなどの他に、最近では畳素材の帯板もあります。

また、どのタイミングで帯板をするかも気になるところですね。

①伊達締めの上にベルト式の帯板をして、その上から帯を巻く
②帯を巻き付けて、一番外側に帯板を入れ込む

このふたつでは、帯の見え方が多少変わります。

特に、「柔らかい素材のベルト式の帯板」の上から「柔らかい帯」を巻いて、その上から帯締めをきゅっと締めるとなると、どうしても皺が寄ってしまいます。

一番外側に固い帯板を挟み込むだけで、皺は目立ちにくくなるはずです。

わたしの場合、「帯締めが食い込む柔らかさの帯板」は好みじゃありません。帯板は固い方が前から見た姿がきれい。なので、ふだん半幅帯のときはやわらかくてもいいので気にしませんが、気合が入っているお出かけのときは必ず、後から差し込むタイプの、固めの帯板を選びます。

帯板の使い方いろいろ

帯板一覧

ベルト式のもの(E)や、ぐるっと一周するタイプのもの(F)は、帯を巻き付けているうちに、前にしたい固い部分が横にずれてしまうことがあります。帯板の仕事ができていないことになりかねませんので注意してくださいね。

最近は、帯が自然と前下がりになるように工夫された帯板というのも出ています。

帯が前下がりになると、着姿がすっきりして、帯揚げもきれいに納まります。

前下がりの形をキープするために、固めの帯板を好みの前下がりの位置にして、その下の方をゴムでできているマジックテープ式の伊達締めで固定させてから帯を巻く、という使う方をされる方もいます。

また、振袖の場合の変わり結びをするときは、袋帯の前後に帯板を入れるケースもありますし、使い方はいろいろです。

使い心地、フィット感、固さや柔らかさ、蒸れが気になるかどうか、耐久性、腰骨に当たって痛くないかどうかなどを見て、自分に合ったタイプを探ってみてください

”牛乳パック”帯板!?

そういえば昔、持っている帯板を全部イベント用に貸し出してしまって、自分用にと急きょ牛乳パックで自作したことがありました。

洗って乾燥させてから帯の幅に合わせてはさみで切るだけなのですが、この帯板の最大の難点は「実はね、これ……」と、つい人に見せたくなってしまうことです。

ネタを仕込む手品師ってこんな気持ちかしらなんて思ったりしながら、帯をちらっとめくった場所にちょうど「牛乳」という文字が見えるように工夫したりして。

笑ってくれる人ならいいのですが、「家にもう一枚あったかも……次回持ってくるね」と本気で心配されると慌てて「いつもはあるの!いっぱい持ってるの!貸出中なだけだから」と弁解することになるんですけどね。

牛乳パックはさておいて、ぜひ自分好みの帯板を見つけてみてくださいね。

ご質問者/yさま

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