着物・和・京都に関する情報ならきものと

【Q4】50~60代の和洋MIXカジュアルは? 「いまさんの着物お悩み相談室」

【Q4】50~60代の和洋MIXカジュアルは? 「いまさんの着物お悩み相談室」

記事を共有する

エッセイスト・イラストレーター きくちいまさんによる人気新連載、”着物お悩み相談室”。Instagramにて実際にいただいたお悩みより… 今回は、「50~60代の和洋MIXカジュアル」についてとりあげます。

2023.03.18

よみもの

【Q3】帯の柄の格がよくわかりません 「いまさんの着物お悩み相談室」

ロングラン連載はこちら♪

よみもの

「きくちいまが、今考えるきもののこと」

50~60代の和洋MIXカジュアルについて教えてください2
質問者Kさん

50~60代の和洋MIXカジュアルについて教えてください。

きくちいまさん

ちょうど去年の今頃のことです。

都内のある神社を散歩しているときに、楽しげなきもの姿の女性三人組に出会いました。もしよかったら写真を撮りましょうか?と申し出て、少しお話をしたのですが、その中のおひとりは袴姿で、

「実は、まだ帯を持っていないんです」

とはにかみながら言うではありませんか。

なんと!帯がなくても出かけちゃうのか!とびっくりして、「きものと帯はセット」と思い込んでいた自分を反省しました。

襦袢の代わりに白いブラウスを着ている女性に、

「和洋MIXも楽しそうでいいですね。久しぶりにわくわくしました」

と感想を述べたら、

「古典も素敵ですよ~」

と言われました。

その日のわたしのコーデは、紬に名古屋帯。一般的な着方はもはや古典になるのかと新鮮な気持ちで驚きつつも、ちょっとした空き時間に立ち寄った神社で、爽やかな風がさあっと吹き抜けていったような晴れやかな気持ちになりました。

いやぁ、それにしてもあの三人組は見事でした。ミックス度で言ったら、0%の人と、60%の人と、100%の人、という感じかな。朗らかに笑って、実に楽しそう。

やはり、きものは楽しいのが一番です!

これでいいかな、大丈夫かな、誰かに何か言われたりしないかな、とびくびくしつつ出かけるのではなく、堂々と!ひとりで出かけるのに抵抗があるなら、誰かと数人で出かけるというのも手ですね。

ご質問には「50~60代の」ということでしたが、おしゃれしたい気持ちに年齢は関係ありません!したいように、着たいように、楽しんでこそ、です。

かつては、きもの姿に小さなアクセサリーを付けただけでも眉を顰める人がいましたし、きものには和装専用のハンドバッグを組み合わせる人がほとんどでした。そう思うと時代は進み、小さなピアスをひとつ付けているくらいでは和洋MIXとは言えない感じです。和洋MIXのミックス具合もだいぶ様変わりしている感じがします。

そういえば、別の日に普通のお洋服コーデに羽織を組み合わせている女性に出会いました。

黒の紗の羽織をカーディガンのようにさりげなく合わせていたので、違和感が全然なく、あれ?袖があるぞ、と思って初めてこれも和洋MIXだと気づいた感じでした。

いろんな組み合わせ方があります。どういうスタイルがいいか、自分がしてみたいのはどこまでのMIXか、研究することが大事です。

冬ならばタートルネックやパーカーなどを襦袢替わりにすることを薦めますが、これからの季節は暑くなりますので、薄手のリネン素材のブラウスやワンピースがおすすめです。フリルのブラウスなら衿元が華やかになりますし、ピンタックのブラウスなら衿元を少し開き気味にして、ペンダントを見せるコーディネートも楽しそうです。

ロングスカートを裾から見せる着方をすれば、きものの丈も自由自在ですね。カラフルな色のスカートを裾から見せて、アクセサリーと色を合わせるのもすてきです。

草履が苦手なら、サンダルやミュールでも。帯はせずに、ベルトにしてもいいですね。

あれもいいかも、これはどうかな、という発見と探求心が、和洋MIXの面白さなんだと思います。

正統派の古典をミックス度0%として、少しずつ洋服素材のものを取り入れてミックス度を上げ、自分の気持ちにしっくりくる許容範囲を探ってみてください。

ご質問者/kei.yu_chanさま

ITEM

記事に登場するアイテム

【米沢 鈴源織物】 特選紋織米沢紬着尺 ~つむぎ錦~ 「ブーケ・淡藤色」

老舗 西村織物】 本場筑前博多織紋九寸名古屋帯 ~千楽 絹乃道~ 「青竹色×薄葡萄色」

[京都六角-ROKKAKU-] 2way本革ハンドバッグ イタリアンカウレザー

[京都竹影堂] [銀製]帯留め 直線ジャルダン/直線(片面) 桐箱入り

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する