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加賀友禅 やわらかで繊細な表現…職人技の秘密を探る 青花で描く下絵挿し体験レポート in京都きもの市場 銀座店

加賀友禅――繊細で優美なその世界観は着物好きを魅了してやまないもの。 複数の工程を経て完成する加賀友禅、今回は一番の基礎となる「下絵」挿しの体験を京都きもの市場・銀座店のお客様に体験していただきました。

2020年、新しい一年が始まりました。1月10日に京都きもの市場、銀座店で行われた、『加賀友禅下絵挿し体験 ~青バナを描いてみよう~』のイベントに参加して参りました。
レポーター / 石神なほみ

元国際線のCA。
現在は発酵食の講師。
着物を着る事が大好きです。
素敵な着物姿の方々に恥じないよう、今着物の柄やアレンジのお勉強中です。

今回体験したのは、下絵を生地に写す「下絵挿し」という、加賀友禅製作工程の中の一部分でした。

加賀友禅の工程は
下絵→糊置き→彩色→中埋め→地染め→友禅流しになります。
・下絵
下図をもとに露草の花の汁を原料とした「青花」を用いて写す作業。
水で洗うと青花の線は消えてしまいます。
・糊置き
糯米から作られた糯糊を青花の上に重ねていく作業。
染めあがった時に白い輪郭線になります。
・彩色
加賀友禅の加賀五彩(臙脂・古代紫・黄土・草・藍)と呼ばれる色を基本豊かな色を使い彩色していきます。
・中埋め
次の工程の地染めの際に、模様の部分に色が入らないようにする為、彩色された模様を糊で埋めていく作業。
・地染め
生地の地色を染める作業。
・友禅流し
染着された余分な染料や糊類をすべて洗い流す作業。
そのあと脱水、乾燥させます。
幾つかある花の下絵の中から私は大好きな芍薬の花を選んでみました。

万葉集にも歌われる青花という、水で洗い流すと落ちる色素で下絵を描いていきます。
露草の花の汁から作られる青花は和紙に染み込ませて乾燥させてあるため、描きやすいよう水をかけて溶きます。

いまだ青花に代わる色素は無いそうでとても貴重な物だと言われています。

細い筆の先にほんの少し青花を付けたら、ちりめんの布に筆で描いていきます。
下絵の上に布を重ねてあるので、丁寧に線をなぞっていきます。
青花を筆先に付けすぎたり、筆を横にするとすぐに滲んでしまう繊細な作業でした。
コツは少量の青花を付けたら、筆を出来る限り縦にして、筆先だけでサラサラと描く事。
途中からはコツをつかみ、線が綺麗に描けるように。
参加者皆様もとても上手に描かれていました。

私も真剣に集中して頑張りました。

職人の皆様はこの作業を私達の何倍もの速さで進めて行くと伺いました。
一つの反物を作る為には沢山の職人さんのお力が必要なんですね。

思っていたより綺麗に出来上がり、お褒めの言葉をいただけたので記念に写真を撮っておきました。
小さな額に入れて自宅の和室に飾ろうかと思っています。
なかなか出来ない体験を本当にありがとうございました。

京都きもの市場さんには加賀友禅の華やかなお着物が沢山飾られていました。
季節の花や木を描く加賀友禅。
ため息が出るほど美しいお着物の数々は見ているだけでも幸せな気持ちになります。

中にはラクダを描いた物もあったり、紬に描いた物、鼻緒もありました。
その時代に合った、必要とされる物作りを加賀友禅も取り入れているんですね。

およそ300年前加賀友禅の始祖、宮崎友禅斎は草花を中心とした写実的な模様染をうみだしたと言われています。
刺繍などをあしらう絢爛ただよう京友禅とは違い、落ち着いた品のある加賀友禅は武家に好まれていき、その思いは引き継がれ、日本を代表とする伝統工芸品になったそうです。
日本の伝統文化は継承者問題で消えてしまう物もあると聞きますが、今でも加賀友禅作家を目指す若者は多いと聞き一安心いたしました。

加賀友禅師事系図なるものがあり、加賀友禅の伝統がしっかりと継承されている事が嬉しくなりました。

今回の体験を通して、着物作りの奥深さや職人の方々の苦労、思いに少し寄り添う事が出来ました。
いつかは自分に似合う加賀友禅を見つけたいものです。

京都きもの市場の皆様今回も色々教えていただき、ありがとうございました。
加賀友禅の作品はこちらに・・・細やかな筆致としっとりとした美しさをご覧ください。

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