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和服を普段着に!おすすめの着物や選び方をご紹介

和服を普段着に!おすすめの着物や選び方をご紹介

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着物や浴衣などの和服は特別な日に、という方が多くなりましたが、本来和服は、普段着としておしゃれを楽しめる装いのひとつ。今回は普段着として着る和服の選び方と着こなしについてご紹介します。せっかくお持ちの和服の出番が少ない方は、ぜひ普段着として活用してみましょう!

ドレスからTシャツ…洋装にもTPOに応じた服装があるように、着物にも着用シーンに合わせた様々な種類があります。 一見わかりづらい着物の種類。でも一回基本が分かれば意外と簡単なもの。今回はシーンと合わせて、帯や小物の合わせ方まで解説いたします。

着物や浴衣などの和服は、結婚式や子どもの七五三や入学式、卒業式など、特別な日に着るものだと考える人も多いですね。和服を着る機会は減っていますが、実はここ最近、和服を普段着としておしゃれに着こなしている人が増えてきています。

そこで今回は、和服を普段着として楽しむ方法をご紹介。せっかく買った着物や浴衣をもっと活用したい、洋服以外のおしゃれを楽しみたい方必見です。

和服を普段着として着るメリットは?

着物は洋服にはない魅力であふれています。まずは、和服を普段着として楽しむメリットをご紹介します。

1. リラックスシーンに向いている

洋服よりもリラックスシーンに向いている

和服は正装でフォーマルなシーンで着用するイメージが定着しているため、どうしても洋服よりも堅苦しい印象がありますが、普段着向きの着物もあります。

例えば、温泉旅館などで部屋着や寝間着として浴衣や甚平などの和服が用意されているように、絹や木綿など、着物や浴衣は肌触りが非常によく、リラックスシーンに最適な衣類なのです。

和服はお座敷などでもくつろぎやすく、お家でのリラックスタイムやラフなお出かけなどで快適に過ごすことができます。

2.幅広いおしゃれを楽しむことができる

普段着として着る装いの中に和服が加わることで、おしゃれの幅がぐっと広がります。何を着ようか考えるときに洋服だけではなく着物が加わると、おしゃれのレベルもアップしますよ。

着物や浴衣は帯や小物合わせによってコーディネートの雰囲気を変えることもできるので、おしゃれが好きな人にとっては、組み合わせを考えるだけでも楽しいですね。

また、普段着として和服を選ぶ人はまだまだ少ないため、人とは違ったおしゃれを楽しむこともできます。

3. 立ち居振る舞いが美しくなる

立ち居振る舞いが美しくなる

多くの和服は着用する際に帯を締めるため、背筋が伸び姿勢を正す効果があります。

また、袂や裾が長いことで、動きにくい印象がある和服ですが、袖口をつまんだり、歩き方を少し意識するだけで、立ち居振る舞いが普段よりも丁寧で美しくなります。

着物を普段着として着ることで、洋服を着ているときには気づかなかった姿勢や振る舞いを見直すこともできるのです。

普段着としておすすめの和服5選

では実際に普段着として和服を着るときには、どんなものを選べば良いのでしょうか。

和服にはフォーマルシーンで着用するものもあるため、まずは普段着向きの種類を知っておきましょう。

場面ごとに、普段着に適した着物を5つご紹介していきます。

1. 普段用お出かけ着の代表「小紋」

小紋01
小紋02

型染めという技法を用いて、縞模様や絣模様、絞り模様などの柄や文様が着物全体に入っている着物のことを「小紋」と言います。

小紋はカジュアルなシーンでのお出かけ着として活躍する着物なので普段着にぴったり。おしゃれ用の普段着としての着用を基本にしつつも、小紋の種類や合わせる帯によっては、少しフォーマルなシーンでも楽しむことも。

お友達との食事やお買い物などのお出かけはもちろん、紋付きの江戸小紋であれば、同窓会のような少しだけフォーマルにしたい場面にもふさわしい和服として重宝します。

2. 着用シーンが幅広い「御召」

お召し01
御召02

小紋や付け下げ、訪問着などは白い反物にした後に色を染める「後染め」に対し、御召や紬は糸の段階で染めてから反物に仕立てる「先染め」の着物です。

普段着のおしゃれとして愛用する方も多い先染めの着物ですが、御召は、色や柄、そして合わせる帯次第で、紬よりもあらたまったよそゆき着として、セミフォーマルな場にも装うことができます。

シャリ感があり軽く、手触りが柔らかいため着付けもしやすく、着心地も抜群。和服に慣れていないけど、これから挑戦していきたい方にもおすすめです。

御召は着用シーンが幅広く、縞模様や絣模様のカジュアルな御召であれば、食事や演劇、観劇などといった幅広いシーンで着用することができます。シンプルな無地感覚のものであればフォーマルシーンにもふさわしい装いになります。

3. 洋服感覚で着用できる「紬」

紬01
紬02

「紬」は、糸の段階で染色をしてから織られる「先染め」の着物です。

もともと農家が自家用に作っていたという経緯もあり、和服の中でもカジュアルな装いに分類され、普段着として着用します。

洋服で言うと、Tシャツやジーンズのようなラフな格好にあたるので、スーパーに買い物に出かけたりといった外出にも使える普段着にぴったり。大島紬や結城紬など、中には高級な紬もありますが、どれだけ高価な紬であったとしても、あくまでも「普段着」。結婚式やパーティなどの格式の高いシーンでの着用には不適切な和服であることは理解しておきましょう(最近は絵羽仕立ての紬などフォーマルシーンで楽しむ紬もあります)。

4. お手入れが簡単な「ウール」

ウールには、シワになりにくく保温性に優れているという特徴が。他の和服と比べてリーズナブルなお値段なので、初心者の方も気軽に挑戦しやすいかもしれません。

ただし、虫がつきやすいという難点があり、放っておくと和服に虫食いが発生する可能性もあります。普段着として日常から頻度高く着用をするか、長く保管をするのであれば防虫剤を多めに入れるなど、対策を徹底的に。
夏場など、着用しない時期はとくに注意が必要です。

5. 暑い夏には「浴衣」

浴衣01
浴衣02

浴衣といえば夏祭りや花火大会のイメージを持つ人が多いですが、半衿や白足袋などを着用すれば、夏着物として和服感覚で装うこともできます。

浴衣は和服の中でも着付けが簡単で、帯も半幅帯や兵児帯を合わせれば、着物よりも手軽に楽しむことができるはず。夏を涼しく過ごす方法として普段着に浴衣を取り入れてみるのもおすすめですよ。

普段着として着る和服の選び方

普段着として着る和服の選び方は、基本的には洋服と同じです。季節感とサイズに注意して選んでみましょう。

季節に合わせて素材を選ぶ

季節に合わせて素材を選ぶ

和服の選び方のポイントの一つ目は、「季節に合わせて素材を選ぶ」ということです。

色が同じでも素材が異なるだけで、印象が大きく変わりますし、季節に合わせた素材を選ぶことは快適に過ごすことにもつながります。

代表的な素材とそれぞれの特徴は以下の通りです。

麻素材

麻は通気性や吸湿性に優れており、夏におすすめの素材です。

麻素材を使った和服は風通しが抜群で、高温多湿の夏場であっても快適に過ごすことができるでしょう。また自宅でも洗濯ができるため、汗をかいてしまった場合でも安心です。

紬素材

紬は絹織物のひとつであり、縞模様や絣模様の柄が多いことが特徴的です。

しっかりとした生地ですので、基本的には汗をかきやすい夏場以外に着用します。

木綿素材

気軽に自宅で洗濯もでき、取り扱いやすい素材の木綿。夏の夕涼みや花火大会のお出かけにも大活躍の浴衣の多くが綿素材ですが、実は夏場以外の着用にも適しています。

素材や織り方によって多少違いはありますが、木綿にはほどよい保温性がありますので、春先や晩秋の寒さを感じる季節にも最適です。

ウール素材

ウールは木綿よりもシワになりにくく、保温性が高いという特徴があり、冬場を中心とした寒い季節の着用に向いています。

普段着として着用する場合には、着物の下にタートルネックやハイネックのシャツを着るというようなアレンジもおすすめです。

ポリエステル素材

ポリエステルの着物は、安価で購入することができ速乾性がありますが、汗を吸収しにくく通気性が良くありません。夏場にはあまりおすすめできない素材です。

暑さが苦手という方は、秋〜春にかけて着用をすると良いでしょう。

一方で、気軽に洗濯ができるというメリットもあり、雨の日のお出かけや、小さなお子さんのいる方にとっては重宝する一枚に。

自身に合うサイズを選ぶ

和服選びの二つ目のポイントは、「自身に合うサイズを選ぶ」ということ。

基本的に着物は採寸をしてから仕立てるため、洋服のようにS・M・Lの表記がないものが大半です。いただいた着物やリサイクルの着物が自分にあっているかをチェックしたい時に注目したいのが、「着丈の長さ」と「袖の長さ(裄:ゆき)」です。

着丈の長さは「身長から20〜30cm引いた長さ」が、また、袖の長さ(裄)は「手を斜めに下ろした状態で、手のくるぶしよりも少し短めになる程度の長さ」が最もきれいに見える長さと言われています。

サイズが合わない着物をお持ちの場合は、こちらの記事を参考にサイズ調整を行ってみてください。

自分に似合う着物のサイズのおすすめの選び方!通販で買うコツと、サイズが合わない時に使えるテクニック

自分に合うサイズの着物の選び方はご存知でしょうか?初めての着物や通販での着物購入には、ページ内の身長別サイズガイドをご利用ください。また、サイズが合わず着られない着物のサイズ調整の方法もご紹介します。ぴったりサイズの着物で、着物ライフをより充実させましょう。

普段着として和服を着る際に必要なもの

着物を着るときには、着付けに必要なアイテムがあります。ひと通りそろえておきましょう。

着物

襦袢
腰紐
足袋・履物

着物

着物

言わずもがなではありますが、まずは和服を準備する必要があります。

季節やシーンに合わせてその日に着たい着物を選んでおきましょう。

帯

着物を着た後に胴の上に巻くもの。

袋帯や名古屋帯、半幅帯や兵児帯などがありますが、普段着におすすめなのは名古屋帯、半幅帯や兵児帯。袋帯なら染めなどの洒落袋帯にしましょう。

自宅やスーパーのお買い物など、おうち時間を楽しみたいなら、帯枕や帯揚げ、帯締めなど使用せずに着用できる半幅帯や兵児帯でリラックス最優先の着こなしを。金銀糸があしらわれていたり、有職など格の高い文様など礼装で着用する華やかな袋帯は避けましょう。

襦袢

襦袢

襦袢には「長襦袢」と「半襦袢」があります。また、長襦袢の下に着用する「肌襦袢」という下着の役割をする襦袢も。

基本的には、肌襦袢を着用し、長襦袢、和服を着用しますが、半襦袢を着用する場合には肌襦袢を着ない場合も。また、半襦袢だけで気軽に普段着物を楽しんでいる方も多くいます。

肌襦袢や長襦袢についてはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、ご参考くださいませ。

襦袢とは?その役割や種類、選び方を解説!

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腰紐

腰紐

腰紐は、長襦袢や着物が着崩れないよう、腰部分に結ぶ細い紐のことです。

生地はモスリンや絹などさまざま。着付けによっては複数本使うこともあるので、事前に何本か持っていると安心です。

足袋・履物

履物

足袋は洋服で言えば靴下と同じ立ち位置にある小物です。フォーマルでは白足袋を使用しますが、普段着には、黒足袋や色足袋などでおしゃれのアクセントとして楽しんでも。

また履物は、草履と雪駄・下駄の3種類がありますが、着用する和服に合わせてどの履物を選ぶと良いかを決めていきます。

下駄には駒下駄や右近下駄、舟型下駄など台の種類も多く、さらに竹の皮で編んだ畳表や白木、塗りなど仕上げの方法も実にバリエーション豊富に揃います。楽しむシチュエーションや着る着物などで選びましょう。

和服の着付け方法

着付けの大まかな流れをご紹介します。

肌着や襦袢を着用する

まず、半襦袢や足袋などの肌着を着用します。

和服を着用する

次に腰紐や伊達締めなどを使いながら、着物を着用します。

帯を締める

最後に帯を締めます。着物の種類や着ていく場所などによって合わせる帯を選びましょう。

基本のお太鼓結びだけでなく銀座結びや角出し、半幅帯においてはさらにバリエーション豊富な結び方があります。同じ帯でも結び方を変えるだけで雰囲気を変えて楽しむこともできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日常的に着物を楽しむのは、高齢の方や日本文化に携わる人というイメージが強いかもしれませんが、ここ最近は若い世代を中心に着物を楽しむ人が増えています。

色や柄、種類が豊富で個性を出しながらおしゃれを楽しむことができるのが和服の醍醐味。和服をおしゃれアイテムに加え、普段のおしゃれ着の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。和服の着付けには初めは時間がかかってしまうかもしれませんが、そう難しいものではないため、慣れると短時間で着付けられるようになるでしょう。

着付けの方法はもちろん、着付けをする前に準備しておきたいことについては、下記の記事で細かくご紹介しています。
着付けの手順について詳しく知りたい方はあわせてご参照ください。

着物の着方・着付けの手順

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