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力強い小物で秋のおしゃれを楽しむ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.35

力強い小物で秋のおしゃれを楽しむ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.35

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この秋は、圧倒的存在感の帯締めか、褒められ帯揚げかのどちらか(もしくは両方)を強く推します!ご一緒に、小物のおしゃれを満喫しましょう~!

単衣の時期は、体感温度が最優先 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.11

もしもこれから長く楽しむための一枚を作るのなら、単衣をおすすめします。 暑い日はこれからも増えていくのだろうし、気温の高い南の地域は一年中単衣や夏物だっていいと思います。わたしは着ますよ、だって暑いんですもの。さぁ皆さんも、体感温度優先で楽しみましょう。

力ある小物で楽しむ

「鎧組(よろいぐみ)」という、いかつい名前の組み方をした帯締めを持っています。

ひと目で気に入り、「わたしのこの後の人生には、この帯締めがずっとお供をするんだな」と思ったくらい。鎧組の帯締めをすると、帯がつられて良く見える……なんていうと帯に怒られそうですが、帯まわりの空気感が一気に変わるんですよ。
鎧組は組む糸の艶がよくわかり、目を引きます。そうでなくても帯締めは、きもの姿の真ん中に来る「要」ともいうべき存在。ここに力を入れると、コーディネートのレベルがぐんと上がって見えるのです。

これはわたしの個人的な意見ですが、帯締めは安すぎるものを使っちゃダメ。安いものは見えないところにポリの芯が入っていたりするそうです。それじゃ緩むよなぁ。色に釣られて買ったワゴンセールの帯締めのせいで、何度お太鼓が崩壊し、痛い目に遭ったことか。それ以来、帯締めを選ぶときは最低でも諭吉先生1人以上を派遣するのが目安になりました。

高いものは、朝に一回締めたら一日中帯の形を夜までキープしてくれます。お太鼓の内側にスマホを挟んでも大丈夫。何度取り出して何度挟んでも、緩むということはありません。ぜひ手組みの帯締めを使ってみてください。

鎧組の他にも、かつてお寺の経を巻いたという「経巻組(きょうかんぐみ)」や、カジュアルだけでなくフォーマルにも使える「唐組(からぐみ)」というのもあって、たった一本の紐なのに、その圧倒的な存在感と締まり心地に驚くはずです。諭吉先生を何人か派遣する感じではありますが、その価値は十分にあります。

もうひとつは帯揚げ。

無難な帯揚げの選び方をするならば、きものか帯の色調に合わせてどちらかになじませると良いのですが、ここは秋のおしゃれを存分に楽しむということで……わたしのおすすめは、縦に秋色のぼかしが何色も入った帯揚げ!

たいていのぼかし染の帯揚げは、使おうとすると横に色が入っているため、出したい場所が微妙に出せなかったりするのですが、この帯揚げは縦方向に色が入っているため、色の部分がきれいにきちっと揃います。帯揚げをきれいに整えるのが苦手な人にこそおすすめします。

さらに、結ぶときに左右反対にすると、結び目に別の色が出てきたりもします。背中心から少し左右にずらして出る場所を調整して、結び目に出したい色を探すという楽しみも、この帯揚げならでは。実際にきものを着る女性がデザインをしているブランドは、さすがひと味ちがいますね。
実はわたし、この帯揚げを色違いで4枚持っています。必ずと言っていいほど誰かに「それ素敵ね」と声をかけられる「褒められ帯揚げ」なんですよ。

この秋は、圧倒的存在感の帯締めか、褒められ帯揚げかのどちらか(もしくは両方)を強く推します!
ご一緒に、小物のおしゃれを満喫しましょう~!

イラストに登場したお品はこちら!

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