着物・和・京都に関する情報ならきものと

浴衣を着よう!大人の女性ならではのカッコいい着こなし術 「大久保信子さんのきもの練習帖」vol.1

浴衣を着よう!大人の女性ならではのカッコいい着こなし術 「大久保信子さんのきもの練習帖」vol.1

記事を共有する

今年はお祭りや花火大会など、多くのイベントが開催されることと思います。近年は10代、20代の方たちの浴衣姿を多く見かけますけれど、私は大人の女性にこそ、浴衣を楽しんでほしいんです。

大久保先生の歌舞伎コラム(全24回)はこちら!

よみもの

「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」

5月のテーマは、浴衣

爽やかな季節となりました。

コロナ禍も落ち着いて、今年はお祭りや花火大会など、多くのイベントが開催されることと思います。

そんなときに楽しみたい着物、といえば「浴衣」ではないでしょうか。

そこで今回は、「浴衣を着よう! 大人の女性ならではのカッコいい着こなし術」をテーマにお話ししましょう。

大久保信子さん01

浴衣はいつから?

浴衣3点集合

「浴衣」はいつから着ていいんですか?

と質問されることも多いのですが、二十四節気の「立夏」(2023年は5月6日)は暦の上では夏の始まりなので、ここから浴衣を着ていいと思います。

昔から東京では「神田明神の神田祭や浅草の三社祭が終わったら浴衣は解禁」といわれています。この2つのお祭も5月ですから、5月から着ても大丈夫、ということです。

浴衣コーデ画像

近年は10代、20代の方たちの浴衣姿を多く見かけますけれど、私は大人の女性にこそ、浴衣を楽しんでほしいんです。

若い方なら、華やかな色合いの浴衣に半幅の帯、素足に下駄が似合いますが、大人の女性には、ワンランク上の着こなしが似合う

例えば……

細い綿糸に太い綿糸が格子状に織り込まれた綿紅梅(めんこうばい)や綿絽(めんろ:綿糸で織られた絽の織物)の浴衣に、博多献上帯をお太鼓にして、足袋で下駄を履く着こなし

素足ではなく足袋に下駄、がポイントなんです。

年齢を重ねると、どうしても肌がくすんできますよね。

足の甲も同じで、素足は美しく見えないような気がするんです。踵(かかと)も年齢が出ますから、よけい隠しておきたい。それに、足袋を履いていればお座敷にも上がれますでしょ。 

半衿をつけないだけで通常の着物と同じような着付けですから、綿紅梅や綿絽なら友人たちとのレストランでの食事会、寄席や相撲観戦などにもピッタリ

もうひとつ、コーマ糸で織られた毛羽立がなく、つるっとした着心地の綿コーマの浴衣もおすすめです。白地や藍地、グレー地などをキリっと着こなしたらカッコイイ。

そこで重要になるのが柄。

粋だから、と細かいものだと地味になり、老けた印象になりがちなんです。おすすめは中柄で単色使い。これが大人っぽいですね。

下駄は浴衣の必需品

下駄01
下駄02

下駄は浴衣の必需品です。

昔からある2枚歯やサンダル風のものなど、いろいろなタイプがありますけれど、私は下駄と草履の中間の「草履下駄」を愛用しています。

底にゴムが付いているので、滑らないし、音もしないので劇場も気兼ねなく行けて便利なんです。素足でももちろん履けますよ。

ただ観劇の場合は足袋を履いた方がよそいきに見えますし、特に夏場は劇場のクーラーで足元が冷えます。また劇場によっては、音がするからと下駄がダメな場合があるので、事前に確認しておくと安心ですよ。

大久保先生アップ

ワンランク上の着こなしの話をしてきましたが、花火大会などには、半幅で素足に下駄、が素敵だと思います。

どんな浴衣でも着こなしで大事なのは”清涼感”。

いくら自分でカッコイイと思っても、見ている人に不快感を与えてはダメです。

着丈も調整して

最後に浴衣の着付けですが……

・素足に下駄の場合
 → 着丈はくるぶしの上あたり

・足袋を履く場合
 → 着丈はくるぶしの下あたり

にすると、バランスよく美しく見えます。

今年の夏は浴衣を楽しんでくださいね。

ITEM

記事に登場するアイテム

[有松鳴海絞り] 板締め絞り染め浴衣

本格注染浴衣着尺 特岡生地 白地/桔梗

東京日本橋花菱謹製 本格注染浴衣着尺 特岡生地 白地/桔梗

本格注染浴衣着尺 特岡生地 紺地/団扇

【竺仙鑑製】 浴衣着尺「雪華絞りに高の羽」

【黒木織物】筑前博多織紗名古屋帯「五献上(ロイヤルブルー)」

[SACRA]孔雀レース帯締め+[渡敬]紗横段ボカシ帯揚げ

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する