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白衿派も納得、”唐織の半衿”みつけました!「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.5

白衿派も納得、”唐織の半衿”みつけました!「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.5

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清潔感のある衿元は、美しい和姿のための重要なファクター。レフ版効果のある白衿が定番の方も、時に、ちょっとお洒落な半衿が気になることはありませんか?今回古谷尚子さんが見つけたものは、そんな着物ファンの微妙な女心をくすぐる美しい半衿。お洒落だけど上等かつ上品。こんな半衿、あったんです!

ロベルタのバッグ

リッチなムードが気になる年末年始、そろそろ着物でのおでかけ解禁の気配も。そんな時に、いつものスタイルをぐんと格上げするのはやっぱり、特別感のあるブランド小物。元『きものSalon』編集長・古谷尚子さんが見つけた素敵なもの、今回は「ロベルタ ディ カメリーノ」のバゴンギバッグが登場です!

ちょっとご無沙汰してすみません。世の中まだまだ不穏な感じですが、みなさま息災でお過ごしでしょうか?

今年のNHK大河ドラマの舞台は私が住んでいる鎌倉。いまタクシーが大河仕様になっていて楽しいです。

じつは断然白衿派なんですが…

さて、今日はちょっと素敵な半衿を見つけたお話です。
茶道中心のきものライフの方は特に、だと思いますが、私は断然「白衿派」。

刺繍半衿の華麗さや、紬に絶妙な色半衿を合わせている方を見ると、素敵だなあ〜、と憧れるのですが、決して色白とは言えない自分の顔色には、どうしても白なんです。そんな「白衿派」の私でもこれならば衿元で遊べる!と思ったのが「唐織の半衿」。

唐織の半衿

唐織で半衿なんて、あるの?

京都、室町三条の角にあるモダンなお店「eiziya ZOU」に、その半衿はありました。

「eiziya ZOU」は、永治屋清左衛門を展開する永井織物の、8代目永井洋三氏によるディフュージョンブランドを中心に展開する和のセレクトショップ。

もともと白生地メーカーだったルーツと能装束などの唐織物の復元製作で培った技術を生かし、独自の技法で「唐織の半衿」を製作しています。
ふつう、唐織といえば刺繍のようにふっくらとした糸で立体的に模様を織り出された重厚な柄行きの袋帯を思い浮かべるでしょう。

半襟の地紋1
半襟の地紋3
半襟の地紋2

唐織の糸は全部裏に渡っていて、その糸を切ってしまうと糸自体が抜けてしまいます。なので、唐織の半衿はふつうではあり得ない代物。

この唐織の半衿は、専用の紋図をつくり、糸の打ち込み具合を調整し、渡りの組織を改変した清左衛門にしかできないものと言えるわけです。

半衿で味わえる小さな幸せ

近づかないとわからないペイズリー文様や、花菱文様の白い半衿は、塩瀬ではちょっと淋しいかなと思うときにぴったり。

文様がワンポイントで浮き出ているシリーズは唐織らしさが少しわかりやすいですね。

ワンポイントの唐織1
ワンポイントの唐織2
ワンポイントの唐織3

例えば無地感覚のきものに、エキゾチックな唐織の半衿を合わせるだけで、ホテルランチなど洋の場に似合うテイストに早変わりしそう。

モノとの出合いは時の運

じつは、昨年末「どこかにクリスマス」をドレスコードにして、きもの仲間でディナーショーに行きました。

みなさんクリスマス模様の染め帯やツリーの帯留めを「毎年のクリスマス用」として持っていらして、用意のなかった私は……ああ、あの時この半衿さえあったなら!!と出合いの遅さに悔やむばかり。

その時になってまた慌てないよう、こちらの雪の結晶柄の半衿を、早速ゲットしました。

雪の結晶柄の半衿1
雪の結晶柄の半衿2

もうひとつ、憎い演出の半衿が!
なんと、衣紋に唐織のワンポイントがくるように設計されているではありませんか!

衣紋に唐織のワンポイント1
衣紋に唐織のワンポイント2

これは盲点でした。
舞妓さんの衿替えで見た衣紋に覗く赤に匹敵する、奥ゆかしくも大胆なお洒落。

衣紋に唐織のワンポイント3
衣紋に唐織のワンポイント4

さっそく半衿つけをして、きものを着て出かけたい!
気分だけでもアフターコロナを味わえる小さな幸せなのでした。

並んだ半衿

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