着物・和・京都に関する情報ならきものと

わたしたちは、人生の主演女優兼スタイリスト 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.25

わたしたちは、人生の主演女優兼スタイリスト 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.25

記事を共有する

それにしても、誰が最初に言い出したのかしら。小柄な人に大柄のきものはNGだなんて。着たいと思うものを、体系や年齢を理由にして諦めるなんてもったい話。フォーマルの場はともかく、お洒落着としてのきものはファッションなんですから、着たいものを着たいように着る、でいいと思うんですよね。

今日のわたしはどのタイプ?

先日娘に、かつてわたしが着ていた小紋を着せました。黒地に大きく三色菫が描かれたちりめんのきもので、そろそろ長羽織に仕立て直そうかと思いながらも、そのままタンスに仕舞ったままになっていたものです。大柄のものは、華奢だったり小柄だったりする人には似合わない、と言われがちですが、この三色菫の小紋は、華奢で小柄な娘によく似合っていました。華やかな小紋がもたらす幸福感にあらためて驚き、長い冬を越えた春にこそ率先して着たいきものだな、と思いました。

それにしても、誰が最初に言い出したのかしら。小柄な人に大柄のきものはNGだなんて。
そもそも、着たいと思うものを、体系や年齢を理由にして諦めるなんてもったい話。もしかするとわたしたちは、小柄な人には小さな柄を、大柄の人には大きな柄を、ふくよかな人には縞模様を、というような、誰が作ったか知らないけれど、そういうかつてのセオリーに縛られすぎているのかもしれません。フォーマルの場はともかく、お洒落着としてのきものはファッションなんですから、着たいものを着たいように着る、でいいと思うんですよね。
わたしたちは、それぞれの人生の主演女優兼スタイリストです。上手に組み合わせて楽しんでいきましょうよ。きものという衣服をセレクトできる人、という役柄は、かなりおいしいポジションです。

モノトーンでまとめてかっこよくスタイリッシュに着たいのか、
品のある、季節が薫るような着こなしがしたいのか、
うきうきした華やかな色柄で、気軽な感じで楽しく着たいのか。
着て行く場所など後からいくらでも付け足せます。
いかにもきものっぽく着たいのか、カジュアルな洋服感覚で着たいのかで、小物合わせも変わってきます。「もう年だから」という諦めで地味な色を選ぶのではなく、本当に着たい、本当に似合う着こなしをすれば、重ねた年齢こそが大きな味方になったりします。大事なのは年齢や体型ではなく、着たいものを楽しむ、という気持ちなのではないでしょうか。

木綿のきものに半幅帯で家から出ずにのんびりする日もあれば、華やかな小紋で友達とランチという日があってもいい。ひるまず臆せず、楽しんで参りましょ!

きくちいまさんもご登場!

イラストに登場したお品はこちら!

clubhouse

◆ 2021年4月5日(月) 14-15時
きくちいまさんとclubhouseでお話しします!
https://www.joinclubhouse.com/event/mg6Zv3EE

本コラムをテーマに♪

はじめての方からどなたでも。
お好きな飲み物片手にぜひどうぞ。

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する