着物・和・京都に関する情報ならきものと

『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~』 ホテル雅叙園東京「きものでミュージアム」vol.24

『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~』 ホテル雅叙園東京「きものでミュージアム」vol.24

記事を共有する

ホテル雅叙園東京が誇る東京都指定有形文化財「百段階段」で『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行〜』開催中!今年は「百鬼夜行」をテーマに妖しくも美しく、音楽や香りを含め”五感で体感できるあかり”のオンパレードです!

2023.07.05

よみもの

『ガウディとサグラダ・ファミリア展』 東京国立近代美術館「きものでミュージアム」vol.23

会場は東京都指定有形文化財「百段階段」

今回は、 ホテル雅叙園東京で開催中の『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行〜』をご紹介します。

※本コラム内の美術作品の写真につきまして、各美術館プレスより撮影および掲載の許諾を得て使用しております。

文化財「百段階段」を上る

文化財「百段階段」にて

ホテル雅叙園東京で恒例となった『和のあかり』展が今年も東京都指定有形文化財「百段階段」を彩ります。

文化財「百段階段」は、ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館にあたり、1935(昭和10)年に建てられた現存する唯一の木造建築。99段の長い階段廊下で、晴れやかな宴が行われた7部屋を繋いでいます。

階段によって結ばれた各部屋はそれぞれに異なる趣向があり、各部屋の天井や欄間には、当時の著名な画家たちによって描かれた美しい世界が広がります。

漁樵の間ー鬼の住処

漁樵の間ー鬼の住処

“昭和の竜宮城”と呼ばれた当時の目黒雅叙園のなかでも、とりわけ伝統的な美しさで知られているのが文化財「百段階段」。2009(平成21)年3月、東京都の有形文化財に指定されました。

日本ならではの感性と技術によって生み出される「和のあかり」。今夏のストーリーテーマは『百鬼夜行』。部屋を進むごとに、まるで現世から異界への旅のような展示演出が繰り広げられます。

音楽や香りを含めて五感で体感する夏のひととき、着物や浴衣で訪れるのにぴったりの空間をお愉しみください。

プロムナードからすっかり俗世間を忘れる

「プロムナードー異界へと続く道」

「プロムナードー異界へと続く道」を通って文化財「百段階段」へ

まず「プロムナードー異界へと続く道」から。

この時点ですっかり俗世間とは隔離された気分に。

さぁ……階段を上って最初の部屋に入ってみましょう。

文化財「百段階段」

文化財「百段階段」に沿って7つの間がある

十畝の間ー異界へと続く道

最初の部屋「十畝の間ー異界へと続く道」

最初の「十畝の間 - 異界へと続く道」は、青い光が幻想的な空間。灯籠のあかりの中央に道があります。

この道はどこに続くのだろう……と、すっかりその世界に引きこまれます。ヨダタケシが担当したオリジナルサウンドトラックの音も一層気分を盛り立てて。

天井と襖仕立ての鏡板に四季の花鳥図が描かれているのも、着物ファンには必見のポイント。

中野形染工場×ハナブサデザイン

中野形染工場×ハナブサデザイン(越谷 籠染灯籠)

ペットボトルから生まれた幻想的な世界

次の部屋「漁樵の間 - 鬼の住処」では、その世界観に圧倒されます。鬼や妖怪の姿に、孔雀、水晶と、神秘的な風景が広がります。

「漁樵の間 - 鬼の住処」

「漁樵の間 - 鬼の住処」

部屋にあるアーティストのキャプションに「本間ますみ(ペットボトルアーティスト)」と書かれています。

「普段はペットボトルでアートを作っている方が、この部屋のアートは何で作ったのかしら?」

などと思って展示を観ていると、そこになんと作家ご本人、本間ますみさんが現れ、お話を伺うことができました。

作者の本間さんのお話を伺う

作者の本間ますみさんのお話を伺う

まず、展示作品はどのように作ったのか尋ねると、「こちらの部屋の展示もすべてペットボトルで作りました」と本間さん。

「ぜ、ぜ、全部ですか?」

「全部です」と本間さんは自信たっぷりに答え、制作工程について説明してくださいました。

展示風景

「これらは『ペットボトル ソフィストケイティド アート』と言い、材料はすべて使用済みのペットボトルで、全ての作品に接着剤や塗料を一切使用していません。接着はハンダゴテで溶接し、LED照明と組み合わせることにより色とあかりを演出しています(本間さん)」

今回の展示は、新たに制作したものではなく過去に制作したものを組み合わせて新たな世界を演出したそう。この部屋を下見した際にテーマを「鬼」と決め、それに沿って新たな展示を制作されたとか。

LED照明で色が変わり幻想的

LED照明で色が変わり幻想的

あまりにも作品がお部屋とマッチしており、どこから作品なのか、もはやわからないほどです。

そして、近くでじっくり見ても、これらをペットボトルから作ったということがわかりません。

大胆で繊細な美しさ、そして制作にこれほどの時間がかかったのだろうと考えると気が遠くなります。すっかり本間さんの世界に魅了されました。

繊細な作品

至近距離で見てもペットボトルと分からない繊細な作品

本間ますみ(ペットボトルアーティスト)

1992年に女子美術大学絵画科を卒業、同研究科2年を修了した後、動物園や水族館の設計・施工を行う会社に勤めながら、動植物の知見を深めてきた。
2006年からペットボトルソフィストケイティドアートの制作を開始。生物学見地に基づいた実物大のリアルな作品は、沼津港深海水族館、池袋サンシャイン水族館、滋賀県立琵琶湖博物館、大分県日田市立博物館に常設展示されている。
さらに作品展も、池袋サンシャイン水族館内コラボ作品展(2014)、沖縄県立博物館特別展(2015)、石川県能美市九谷焼資料館特別展(2015)、新潟県佐渡市立博物館(2016)、茨城県立自然博物館(2017-2018)といった水族館や博物館を中心に開催されている。(公式サイトより抜粋)

それぞれの部屋はテーマに沿った展示

「草丘の間ー異界の四季」

「草丘の間ー異界の四季」

文化財「百段階段」に沿って「草丘の間ー異界の四季」、「静水の間ー白き狐の世界」、「星光の間ー水が紡ぐ詩」、「清方の間ー対岸の現世」と展示が続きます。

「草丘の間ー異界の四季」

「草丘の間ー異界の四季」

それぞれ、テーマに沿った美しい空間が展開されています。

よねやまりゅうの展示

よねやまりゅうの展示

「草丘の間ー異界の四季」

「草丘の間ー異界の四季」

「草丘の間ー異界の四季」

「草丘の間ー異界の四季」

髙橋協子(陶芸)

髙橋協子(陶芸)

静水の間ー白き狐の世界

「静水の間ー白き狐の世界」白き狐(義経千本桜)松竹衣裳株式会社 歌舞伎座舞台株式会社

静水の間ー白き狐の世界

静水の間ー白き狐の世界

高山しげこ(漉き紙の灯り)

静水の間ー白き狐の世界

星光の間 - 水が紡ぐ詩

星光の間 - 水が紡ぐ詩

ミツワ硝子工芸 江戸切子

ミツワ硝子工芸 江戸切子

榮 かんざし作家

榮 かんざし作家

倉敷光作所 希莉光あかり

倉敷光作所 希莉光あかり

倉敷光作所 希莉光あかり

倉敷光作所 希莉光あかり

「頂上の間ー神々の園」に瞬く星

最も上の段を登りきると、そこは「頂上の間ー神々の園」。

「頂上の間ー神々の園」

「頂上の間ー神々の園」大島エレク総業(ライティングデコレーション)

星々が瞬くような、とてもカラフルで楽しい世界が展開されていました。

99段を上った軽い達成感も味わえます。

「頂上の間ー神々の園」

「頂上の間ー神々の園」

ハナブサデザイン 越谷だるま × だるまアート

ハナブサデザイン 越谷だるま × だるまアート

和のあかりルームやビアテラス、浴衣レンタルも

1日1室限定の和のあかりルーム

1日1室限定の和のあかりルーム 提供:ホテル雅叙園東京

ホテル雅叙園東京では、和のあかり展に伴い様々なプランが用意されているそう。

「和のあかりルーム」での宿泊やCafe&Bar「結庵」で和のあかり×ビアテラス、浴衣とレストランでのお食事がセットになった「浴衣プラン」なども。

和のあかり×ビアテラス

和のあかり×ビアテラス 提供:ホテル雅叙園東京

ショップ

ショップには出展社の作品や関連商品がたくさん

文化財の伝統的な空間のなかで、幻想的な雰囲気と美しい光と色彩の世界へいざなわれ、すばらしいアーティストや工房の作品に触れることができる本展覧会。

ぜひ、この機会に足を運んでみてくださいね。

この日の装い

この日の装い 全身
この日の装い お太鼓

和のあかり展のためのコーディネートは、幻想的な夜のイメージで。

この日の装い 下前

黒地に大輪のなでしこと萩の浴衣は、着物デザイナー木越まりさんの『加花 KAHANA』のもの。

長襦袢を着て着物風に。

帯は天の川のように見える青柳の櫛引織りの帯を合わせました。

螺鈿入りの大きな帯留をポイントに。

この日の装い 帯回り

撮影/五十川満

今回ご紹介の展覧会情報

『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~』ポスター

和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~

ホテル雅叙園東京
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/wanoakari2023

日 時:2023年7月1日(土)~9月24日(日)
    11:00~18:00(入室は閉室の30分前まで)
    ※8月19日(土)は17:00まで(最終入館 16:30)

休室日:会期中無休

※詳細は公式サイトをご覧ください。

その他、おすすめの美術展

※日時など変更になる場合があります。おでかけ前に公式サイトなどで最新情報を確認してください。

『生誕100年 山下清展ー百年目の大回想』ポスター

生誕100年 山下清展ー百年目の大回想

SOMPO美術館
https://www.sompo-museum.org

日 時:2023年6月24日(土)~9月10日(日)
    10:00〜18:00
    ※最終入場は閉館時間の30分前

休館日:月曜日

『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』ポスター

スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた

国立西洋美術館
https://www.nmwa.go.jp/

日 時:2023年7月4日(火)~9月3日(日)
    9:30~17:30、毎週金・土曜日 9:30~20:00

休館日:月曜日、ただし、8月14日(月)は開館

◆ 読者プレゼント ◆

『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~』ポスター

さて、恒例の招待券プレゼント!
今回はホテル雅叙園東京『和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行〜』の招待券を5組10名の方にプレゼント!
ぜひ、きものでお出かけくださいね!

下記リンクより、お使いのSNS経由にてご応募くださいませ。

◆Facebook
https://www.facebook.com/kimonoichiba/
◆インスタグラム
https://www.instagram.com/kimonoichiba/?hl=ja
◆Twitter
https://twitter.com/Kimono_ichiba

※応募期間:2023年8月7日(月)まで

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する