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『ゴッホ・アライブ東京展』寺田倉庫G1ビル 「きものでミュージアム」vol.31

『ゴッホ・アライブ東京展』寺田倉庫G1ビル 「きものでミュージアム」vol.31

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ゴッホの世界を五感で体験できる新しい没入型展覧会『ゴッホ・アライブ』、いよいよ東京へ! マルチチャンネルの動画が繰り広げられるなか、3000以上のゴッホ作品の画像と迫力のサウンドで画家人生をたどります。新たなアート体験を!

2024.01.02

よみもの

『国宝 雪松図と能面×能の意匠』 三井記念美術館 「きものでミュージアム」vol.30

新しい体験型の絵画鑑賞

今回は、寺田倉庫G1ビルで開催中の『ゴッホ・アライブ』をご紹介します。

※本コラム内の美術作品の写真につきまして、各美術館プレスより撮影および掲載の許諾を得て使用しております。

展示風景

絵画は美術館で静かに鑑賞するもの―そんな常識を覆されました。『ゴッホ・アライブ』は、絵画鑑賞を”五感で体験”できます。

マルチチャンネルの動画で繰り広げられるフィンセント・ファン・ゴッホの作品に、サラウンド音響を組み合わせることによって得られる、絵画の世界に包み込まれるような没入感

視覚と聴覚だけでなく会場に漂う「香り」が嗅覚にも訴えかけることで、さらにその体験が印象深いものへと高められています。

展示風景

『ゴッホ・アライブ』企画会社のグランデ・エクスペリエンセズ 創業者・チェアマンのブルース・ピーターソン氏は、イタリアの美術館に子どもを連れて行ったときに、子どもたちが5分もすると飽きてしまうという経験をされます。

そこで、マルチメディアを使った、たとえアートや画家を知らなくても誰でも楽しめるものを作ろう、と考えたのだそう。

そこで生まれたのが、最新技術のグラフィックスと映画館品質のサラウンド音響、高精細のプロジェクターを組み合わせた、”新しい絵画体験”ができる展覧会

展示風景

クラシック音楽が流れるなか、ゴッホ作品の画像が壁や柱、床などに最大40台のプロジェクターで映し出される大迫力の展示空間です。

『ゴッホ・アライブ』は2011年シンガポールで初めて開催され、これまでに99都市を巡回し、900万人以上を動員しました。

日本では名古屋(2022年12月〜3月)、神戸(2023年3月〜6月)で開催し、延べ約34万人が来場。そして世界100都市目の開催地として、いよいよ東京での開催となりました。

さぁ……

イマーシブなゴッホの世界に飛び込みましょう!

映像でゴッホの人生をたどる

展示風景

寺田倉庫G1ビルは真っ暗で広い会場。そこにさまざまな角度で設置された大型スクリーンと床に、次々と映像が投影されます。

ゴッホは生涯で930点以上の絵画を描きましたが、そのほとんどを使用し、3000以上の画像が映し出されます。

これだけの作品を美術館で1度に観るのは不可能なこと。それを『ゴッホ・アライブ』は可能にしたのです。

展示風景

アントニオ・ヴィヴァルディの『四季より嵐』など、美しいクラシック音楽が流れています。

日本の『さくらさくら』、そしてゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデルの『サラバンド』 まで、ゴッホの心情を反映するように場面に即した音楽がセレクトされて。

映像はゴッホの10年余りの画家人生をたどるように展開され、ゴッホが過ごした場所と、そこで描いた絵が次々に投影されていきます。

オランダ、パリ、アルル、サン=レミ、オーヴェール=シュル=オワーズ……

それはまるで、ゴッホの人生を追体験する旅のよう。

展示風景

また映像には、ゴッホの印象的な言葉も投影されます。

ゴッホは何人かの仲間たちや弟のテオと定期的に手紙をやり取りをしていました。現在903通の手紙が残されており、その多くはテオ宛に書いたものです。それらの中から印象的なフレーズが選ばれているのです。

読みながら絵画の映像を観ていると、どんどんゴッホの世界に入り込んでいき、耳切り事件を起こしたアルルの時代の映像には胸が苦しくなるような感覚を覚えました。次第に悪くなって行く精神状態も感じることができました。

ゴッホの心情に入り込むような感覚は、普通の美術館の鑑賞では得られない感覚かもしれません。

シーン別の見どころ

『ゴッホアライブ』はゴッホの人生をたどるように展開し、ひととおり観るのに45分を要します。時代順に作品が登場しますが、見逃してしまうと次は45分後。

そこで今回は、鑑賞の目安になるよう、シーン順に、登場する主な作品を記しておきます。

オランダ 1880年~85年

展示風景

《ジャガイモを食べる人々》
《オオコウモリ》
《女の頭部》

パリ 1886年2月~1888年2月

展示風景

《タンギー爺さんの肖像》
《花咲く梅の木(広重の複写)》
《2本のひまわり》

アルル 1888年2月~1889年5月

展示風景
展示風景

《黄色い家》
《ひまわり》
《ローヌ川の星月夜》
《夜のカフェテラス》

サン=レミ 1889年5月~1890年5月

展示風景

《アイリス》
《星月夜》
《花咲くアーモンドの木》
《糸杉と麦畑》

オーヴェール=シュル=オワーズ

展示風景

《ガシェ医師の肖像》
《オーヴェール=シュル=オワーズの教会》
《カラスの飛ぶ麦畑》

ゴッホは自画像を30点以上描いており、自画像ばかりが次々に登場するシーンもあります。

お目当ての作品がある場合、その作品がどの時代に描かれた作品か把握しておでかけされることをおすすめします!

冨永愛さんがゴッホ・アライブ 東京展 公式アンバサダーに

冨永愛さんとブルース・ピーターソン氏

冨永愛さんとグランデ エクスペリエンセズ チェアマン ブルース・ピーターソン氏 撮影/akemi

モデル・俳優の冨永愛さんが『ゴッホ・アライブ』東京展の公式アンバサダーに就任されました。就任発表会の模様もお届けいたします。

冨永愛さん冨永愛さん

冨永愛さん 撮影:akemi

冨永愛さんは17歳でNYコレクションでデビューされて以降、世界の第一線でトップモデルとしてご活躍。モデルの他、俳優など多岐にわたる分野でその才能を発揮されていらっしゃいます。

またチャリティ・社会貢献活動や、日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、近年さらにその活躍の場を広げていらっしゃいます。

ランウェイを歩くように颯爽と会見場に現れた冨永愛さん。次のように語られました。

冨永愛さん展示内覧の様子

オフィシャル画像より

「すごく楽しいエキシビジョン。自分が絵画の中にいるような、描いているゴッホの気持ちになれるような……その世界に没入できます。素直にそのアートを感じることができ、すごくおもしろかったです。

アートは観て感じることが大切。このエキシビジョンは”感じる”ことに特化されています。どの世代の方にも観てほしいですが、特に子どもに観てほしいです!ぜひ一度体験してみてください」

冨永愛さん展示内覧の様子

オフィシャル画像より

「海外に行くときには美術館を訪れるようにしている」、という冨永愛さん。

日本画を描いたり、染色をしたりもしたそうで、なんと息子さんの七五三の時には、羽織の絵をご自身で描かれたそうですよ!

『ゴッホ・アライブ』は、普段は美術館に行かないという方にこそ体験してほしい展覧会。新しいアートの体験にぜひお出かけください。

お楽しみはたくさん

《ローヌ川の星月夜》のフォトスポット

《ローヌ川の星月夜》のフォトスポット

『ゴッホ・アライブ』の展示室はなんと、すべて写真・動画の撮影が可能! ”自分だけのゴッホ”をカメラにおさめることができます。

《ひまわり》のフォトスポット

《ひまわり》のフォトスポット

《ローヌ川の星月夜》《ひまわり》《アルルのフィンセントの寝室》は、絵画をイメージしたフォトスポットがそれぞれに用意されています

《アルルのフィンセントの寝室》のフォトスポット

《アルルのフィンセントの寝室》のフォトスポット

ミュージアムショップやコラボメニューも

会場2Fにはミュージアムショップ、会場近くの『WHAT CAFE』ではコラボメニューなども!存分にお楽しみください。

ミュージアムショップ

ミュージアムショップ

『ゴッホ・アライブ』のグッズを販売。東京展オリジナルグッズも用意されています。

カフェのコラボメニュー

「WHAT CAFE」コラボメニュー

『WHAT CAFE』の魅力的なコラボメニュー 撮影/akemi

「WHAT CAFE」フォトスポット

《夜のカフェテリア》をモチーフとしたフォトスポット 撮影/akemi

『WHAT CAFE』ではゴッホ作品をイメージしたオリジナルメニューが展開されています。

”ゴッホのひまわりドライカリー”やドリンク、そして《夜のカフェテリア》をモチーフとしたフォトスポットも!

この日の装い

この日の装い1

ゴッホの《星月夜》のイメージでコーディネート。

ゴッホの筆跡を意識した小紋は、藍染のよろけ縞です。

この日の装い 後ろ姿

加納幸の月模様の帯の地紋は、月と星。

この日の装い 帯回り

差し色の帯揚げと三分紐は月色、帯留は『Atelier華e(アトリエハナエ)』の三日月です。

撮影/五十川満

今回ご紹介の展覧会情報

『ゴッホ・アライブ 東京展』ポスター画像 ©RB Create

©RB Create

ゴッホ・アライブ 東京展

寺田倉庫G1ビル(天王洲アイル)
https://goghalivejp.com

日 時:2024年1月6日(土)~3月31日(日)
    10:00~18:00 ※最終入場は閉館60分前まで

※詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。

その他、おすすめの美術展

※日時など変更になる場合があります。おでかけ前に公式サイトなどで最新情報を確認してください。

ポスター画像

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

東京都美術館
https://worcester2024.jp

日 時:2024年1月27日(土)〜2024年4月7日(日)
    9:30〜17:30 金曜日は20:00まで
    (入室は閉室の30分前まで)

休館日:月曜日、2/13(火)※ただし2/12(月・休)、3/11(月)、3/25(月)は開室

This exhibition was organized by the Worcester Art Museum

ポスター画像

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

東京国立博物館 平成館
https://koetsu2024.jp/

日 時:2024年1月16日(火)~3月10日(日)
    9:30〜17:00
    ※最終入館は閉館時間の30分前

休館日:月曜日、2月13日(火) ※ただし、2月12日(月・休)は開館

※会期中、一部作品の展示替えを行います。

◆ 読者プレゼント ◆

『ゴッホ・アライブ 東京展』ポスター画像 ©RB Create

©RB Create

さて、恒例の招待券プレゼント!
今回は『ゴッホ・アライブ 東京展』寺田倉庫G1ビルの招待券を5組10名の方にプレゼント!
ぜひ、きものでお出かけくださいね!

下記リンクより、お使いのSNS経由にてご応募くださいませ。

◆インスタグラム
https://www.instagram.com/kimonoichiba
◆Twitter
https://twitter.com/Kimono_ichiba
※応募期間:2024年2月8日(木)まで

2023.12.06

よみもの

『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』 SOMPO美術館 「きものでミュージアム」vol.29

2021.11.02

よみもの

『ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』 東京都美術館「きものでミュージアム」vol.4

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