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『べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館』浅草に開館  「きものでミュージアム」vol.44

『べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館』浅草に開館 「きものでミュージアム」vol.44

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大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公、蔦屋重三郎ゆかりの地である台東区の台東区民会館内に、「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」がオープンしました。登場人物の衣装や小道具などが展示され、見どころ満載です。

2024.2.17

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「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」が浅草にオープン

今回は、浅草の台東区民会館にオープンした「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」をご紹介します。

※本コラム内の美術作品の写真につきまして、各美術館プレスより撮影および掲載の許諾を得て使用しております。
大河ドラマ館エントランス

「江戸のメディア王」として知られる蔦屋重三郎(1750–1797、通称・蔦重つたじゅう)が主人公の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(以下『べらぼう』)を契機に、浅草に「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」がオープンしました。

蔦屋重三郎の衣装

蔦重つたじゅうは、江戸時代中期の吉原(現在の台東区千束)に生まれ育ちました。喜多川歌麿や葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴らを見出し、江戸文化の発展に大きく貢献した人物。

その彼の足跡をたどることができる貴重な展示、大河ドラマのセットの復元やキャストの衣装、小道具などがそろいます。フォトスポットもあり、『べらぼう』の世界を満喫できます。

花魁・花の井の衣装

展示だけでなく、大河ドラマ館に併設されたお土産館「たいとう江戸もの市」では、『べらぼう』のロゴ入りグッズをはじめ、江戸に関連したお土産を購入できます。

江戸のメディア王・蔦屋重三郎とは?

さて、2025年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎のことをご存知ですか?

エントランスのドラマメインビジュアル

エントランスのドラマメインビジュアル

蔦重は、江戸時代中期の出版人・書店経営者・版元であり、「江戸のメディア王」と称された人物です。江戸時代中期は、幕府の統治が安定し、町人文化が花開いた時期でした。

蔦屋重三郎の衣装

蔦屋重三郎の衣装

蔦重は江戸・新吉原(現在の台東区千束)で生まれ、幼い頃に両親を亡くし、貧しい境遇で育ちました。20代で吉原大門前に書店「耕書堂」を開業、吉原遊郭の案内書をはじめ、黄表紙(風刺漫画本)や洒落本などの出版で成功を収めました。

平賀源内、山東京伝、滝沢馬琴など、当時の知識人・作家と交流し幅広い人脈を持っていました。

平賀源内の衣装

平賀源内の衣装

後に浮世絵界においても重要な役割を果たし、喜多川歌麿、東洲斎写楽などの才能を見出し、世に送り出しました。

2023.07.06

まなぶ

浮世絵きほんのき!

大河ドラマでは、蔦重をはじめ、平賀源内や吉原の花魁、客たちなどが生き生きと描かれます。今後の展開がとても楽しみです。

『べらぼう』の世界を体感!

「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」は、台東区民会館の9階にありますが、区民会館1階のエントランスホールやエレベーターから浮世絵の装飾があり、気分が上がります!

エントランス

大河ドラマ館エントランスには、ドラマのメインビジュアルがあり主役の横浜流星さんのメッセージ映像が流れます。中に入ると、蔦重の衣装やドラマキャストやスタッフの紹介が

「蔦屋」再現セット

「蔦屋」再現セット

蔦重の活動拠点「蔦屋」の再現セットは、かまどや神棚など細かい部分まで丁寧に作られていることに驚きました。細かい小道具までじっくり見て、フォトスポットで記念撮影もできます。

小道具の展示

小道具の展示

実際にドラマに登場した、蔦重が吉原に客を呼ぶために制作した『一目千本ひとめせんぼん』の制作過程の小道具、長谷川平蔵が大盤振る舞いした紙花(吉原でのチップ)など大河ドラマファンのみならず興味深いです。

その他、蔦重の幼なじみの花魁・花の井の衣装展示のある仲ノ町ゾーン、江戸城ゾーンなどきもので訪れると、ちょっと登場人物になったような気分が味わえるかもしれません。

江戸城ゾーンの展示

江戸城ゾーンの展示

花魁・花の井の衣装

花魁・花の井の衣装 ※展示替えのため現在は展示されていません

展示風景

会場でしか見られない映像が流れる4Kシアターや蔦重が見出した歌麿・写楽の浮世絵の世界も高精細映像でみられるなど、大河ドラマファンだけでなく浮世絵ファン、歴史ファンも楽しめます。

お土産館「たいとう江戸もの市」も楽しい

大河ドラマ館に併設された「たいとう江戸もの市」では『べらぼう』のロゴ入りグッズのほか、台東区や江戸に関連する商品がたくさん!

『べらぼう』グッズ

『べらぼう』グッズ

目に留まったのは、『べらぼう』のトートバッグ。きれいな色で大きさもサブバッグにちょうどよさそう。ほかにも定番のスイーツや文具、ガチャガチャなどもあります。

『べらぼう』グッズのトートバッグ
『べらぼう』グッズ
「たいとう江戸もの市」のフォトスポット

雰囲気も江戸風でショップの壁には浮世絵パネル、フォトスポットもあり、買い物だけでなく、大河ドラマ館同様に楽しめます。

「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」は、大河ドラマファンだけでなく、浮世絵好き、江戸の歴史好きな方も楽しめます。

蔦重ゆかりの地を巡る循環バスもあります。浅草散策とともにぜひお出かけくださいね。

この日の装い

この日の装い
この日の装い

この日のテーマは江戸の粋!ジャパン・ブルーを意識して藍染の縦縞、帯は蔦重の「蔦」柄の帯を銀座結びに。帯は袋帯で芯が柔らかめなので、ゆるっとこなれ感を出しました。

この日の装い 簪

帯締めは自作の奈良組、簪は葛飾北斎の《神奈川沖浪裏》、根付も同じく北斎の『三体画譜』に掲載されている犬のもの。

この日の装い 

2024.12.23

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2024.12.13

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”遠回り”する所作の美しさ─ 書道家 根本知さん(後編)

撮影/五十川満

今回ご紹介の展覧会情報

ポスター画像

べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館

台東区民会館9階(台東区花川戸2-6-5)
https://taito-tsutaju.jp/features/exhibition

日時:2025年2月1日(土)~2026年1月12日(月・祝)
9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日:毎月第2月曜日(第2月曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始等

※詳細は「蔦重ゆかりの地 台東区」公式サイトをご覧ください。
主催 台東区大河ドラマ「べらぼう」活用推進協議会

その他、おすすめの美術展

※日時など変更になる場合があります。おでかけ前に公式サイトなどで最新情報を確認してください。

ポスター画像
アンリ・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年頃 世田谷美術館蔵

アンリ・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年頃 世田谷美術館蔵

緑の惑星 セタビの森の植物たち

世田谷美術館
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

日時:2025年2月27日(木)~4月13日(日)10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)

休館日:月曜日

ポスター画像

横浜美術館リニューアルオープン記念展 「おかえり、ヨコハマ」

横浜美術館
https://yokohama.art.museum/

日時:2025年2月8日(土)~6月2日(月)10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日:木曜日(ただし3月20日[木・祝]は開館)、3月21日(金) 

◆ 読者プレゼント ◆

ポスター画像

さて、恒例の招待券プレゼント!
今回は『緑の惑星 セタビの森の植物たち』世田谷美術館の招待券を5組10名の方にプレゼント!
ぜひ、きものでお出かけくださいね!

下記リンクより、お使いのSNS経由にてご応募くださいませ。

◆インスタグラム
https://www.instagram.com/kimonoto__

◆X
https://x.com/kimonoto___

※応募期間:2025年3月20日(木)まで

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