牛首紬

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牛首紬は石川県の白山山麓周辺で織られてきた絹織物です。名称は、白峰の旧地名「牛首村」に由来しています。強靭さで知られ、生地を釘に引っかけても、釘を抜いてしまうほど丈夫だといわれて「釘抜き紬」ともよばれました。1988年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されました。
牛首紬の一番の大きな特徴は「座繰りによる玉糸」を使うことです。
一般的な紬織物では、繭を真綿にしてから糸を紡ぎます。それに対して牛首紬では、2頭の蚕でひとつの繭になった「玉繭」から、「座繰り」と呼ぶ昔ながらの手作業で製糸した「座繰りによる玉糸」を使います。
玉繭は普通の養蚕をしていると2~3%の割合で必ず出るものですが、繭から2本の糸が出てしまうので、絡まってきれいな糸が作れません。そのため通常はくず繭の扱いをされています。その玉繭を牛首紬では利用して織物にしてきました。
玉繭から座繰りで糸を作ります。座繰りは釜で繭を煮て、手で調節しながら糸を引き出す昔ながらの製糸の技です。糸の太さを揃えるのに高い熟練の技術を要しますが、これによって引き出された玉糸は、弾力性・伸張性に優れた糸になり、牛首紬の風合いの源となります。
この玉糸を緯糸に、生糸を経糸に使って織り上げると、独特の節が表れた光沢のあるしっかりした生地ができあがります。
従来からの高機の手織りに加えて、近年は力織機を用いた品物も生産しており、品質の安定と向上に努めています。
現在、牛首紬を生産しているのは「白山工房(西山産業開発)」、「加藤機業場(加藤改石)」の2社です。一般的には白山工房の商品が多く見られます。
牛首紬を育む白峰山麓は、積雪が3~4メートルにもなる豪雪地帯です。急峻な地形から農耕向きの平地が少なく、養蚕を現金収入の手立てとしてきました。商品にならなかった養蚕のくず繭を利用して、自家用の紬が起源といわれます。江戸時代に生産が増えて、全国的に知られるようになりました。
先染の牛首紬は、ほとんどが縞や格子で、シンプルな美しさが魅力です。元々は草木染が中心でしたが、堅牢度の悪さや退色の問題から、近年では化学染料も使用しています。
友禅染の染め下地となる白生地も作られており、同じ石川県特産であることから、加賀友禅の染め下地にもよく使われます。
夏用に作られた夏牛首もあります。
縞や格子の牛首紬は、格式張らない集まりや、私的な外出で自由な装いを楽しむのがおすすめです。
牛首紬を染め下地に使った着物は、染めた模様に合わせて着用場所を決めます。
訪問着・付け下げなら社交の場などに、小紋や染め帯なら気軽な外出などに着ると素敵です。
京都きもの市場では、幅広いラインナップで牛首紬を取り扱っております。
ご予算やお好みに応じたご提案をいたします。
また、イメージに合った牛首紬の作品をお探ししてご提案することも可能です。
お気に入りの特別なお求め品となるよう、一生懸命にご対応させて頂きます。
牛首紬の商品に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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