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器に盛りつける楽しみ 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.10

器に盛りつける楽しみ 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.10

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テレビの料理番組でも雑誌の料理ページでも、目に入るのは調理法よりも、その盛りつけ方。ときには豪快に、ときには繊細に、華麗に。

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お正月の慌ただしさも落ち着いて、今はもう普段通りの台所ですが、買い物から後片付けまで、日々延々と続く食事のあれこれ。

気が萎える時もないわけではありませんが、実のところ、私の密かな楽しみは、料理することよりも、器に盛りつけることなのです。

の作業を楽しめるかどうか
お気に入りのお椀でお雑煮を

今回は、食べるものを器に盛りつける楽しみについて綴ってみようと思います。

令和六年のお正月は、どのようにお過ごしだったでしょうか。元日に起きた能登半島地震の被害には、他人事ではなく本当に胸が痛みます。

各地で犠牲になられた方のご冥福をお祈り申しあげ、被災された方々に、こころからお見舞いを申しあげます。

私の実家は、大きく横たわる能登半島を向かいにした富山湾の海岸沿いにある小さな漁村にあります。

共働きで忙しい家でしたから、どんぶりにドーンとおかずを盛って出しても、日々の食事は、そんな見た目には関係なく、魚介など地元の食べものの恩恵を十分に受けて育ちました。

どんぶりにドーンとおかずを盛って

そんな暮らしの中で、小中学校時代に家庭科での調理実習の授業が毎回とても楽しみで、特に気になったのは、その盛りつけ方です。

洋食の盛りつけ方

たとえば魚のムニエルにしても、お皿に魚を置いたら、つけ合わせの野菜はこう置くという、いかにも昭和な洋食の盛りつけ方でしたが、家の食卓の様子と違い、私にはとても素敵に見えました。

のちに上京して一人暮らしを始めてからも続き、少ないお給料の中から、まずお茶碗やお椀や小皿など、ひとつひとつ気に入った器を買い、(当時はたいしたおかずも作れなかったりして)商店街で買ってきたお惣菜を、お気に入りのお皿にちんまりと盛り、ご飯とお汁と一緒にお盆に乗せ、ちゃぶ台で食べることを楽しんでいました。

洋食の盛りつけ方

テレビの料理番組でも、雑誌の料理ページでも、目に入るのは調理法よりも、その盛りつけ方。

お気に入りのお皿にちんまりと盛り

ときには豪快に、ときには繊細に、華麗に。

ちょっと意識して盛りつけるだけで、食事の支度も楽しい作業になることを教えてもらいました。

ある時、プロの板前さんが用いる、先がとても細い菜箸を買ってきて、青菜のおひたしなんかを盛りつけてみたら、なるほど、太い菜箸よりも細やかに作業ができて、とても気分良く盛りつけができました。

先がとても細い菜箸を買ってきて
とても気分良く盛りつけができました

仕上げに、刻んだ大葉や細ネギ、白ネギ、糸削り節などのあしらいも、料理のバリエーションが増えるとともに欠かせなくなりました。

もちろんプロのようにはいきませんし、時間がなくて面倒なときもなくはないのですが、要は、その作業を楽しめるかどうかが私には大事なことのようです。

大葉や細ネギ、白ネギ

毎年お正月は、自分でこしらえた料理や、買ってきたお惣菜を小さなお重に詰め、この日だけ登場させるお気に入りのお椀でお雑煮をいただきます。

お惣菜を小さなお重に詰め

三ヶ日の後は、あずき缶を開けて簡単にぜんざいやおしるこをこしらえ、残ったお餅を焼いて器に盛りつける作業も楽しいひとときなのでした。

食べるものを器に盛りつける楽しみ

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