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胸をときめかせるビーズバッグ 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.9

胸をときめかせるビーズバッグ 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.9

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平成に入ったばかりだった当時、銀座にあった有名な和装小物のお店の前を通る時など、奥に陳列されているバッグを遠目に眺めては胸をときめかせていたものでした。

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今年もいよいよ年の瀬が押し迫ってきました。

街の灯りもひときわ輝いて見え、新年を迎える支度に忙しい時期ですが、慌ただしい中にも着物でお出かけする予定があるときには、なにかキラキラするものを身につけたくなります。

私の場合、それはビーズバッグ。

それも昭和の時代を感じさせる古いものですが、ビーズのバッグを持つと気持ちがときめきます。

今回は自分の手元にある古いビーズバッグのお話です。

ビーズバッグ

なぜかわかりませんが、ビーズの輝きに惹かれます。

宝石のような輝きでは決してないけれど、色ガラスの持つ柔らかい光の反射が好きで、着物を着はじめたころから、古着屋さんめぐりをしながら、よくビーズバッグも目にとめていました。

ビーズバッグも目にとめていました

平成に入ったばかりだった当時、銀座にあった有名な和装小物のお店の前を通る時など、奥に陳列されているバッグを遠目に眺めては胸をときめかせていたものでした。

あるとき友人の結婚式に訪問着を着て出席する機会があり、そのときにはじめて自分で買ったのは佐賀錦の地にビーズを刺してあるものでした。

誰にいうでもなく、一人胸踊らせて席に着いたことを思い出します。

自分で買ったのは佐賀錦の地にビーズ

十年ほど前に母が他界し、持ち物の整理に郷里へ帰ったときに箪笥をあけて出てきたのは、紫色のビーズバッグ。

母方の祖母の姿

かすかな記憶をたどると母方の祖母の姿も浮かんできて、おそらく形見として母が譲り受けたものではないかと思われ、それなら今度は私が受け継ごう!と持ち帰りました。

さいわいこれといった不具合もなく、くすんでいた金具部分をていねいに磨き、持ち手部分も全体も乾いた布でよく拭きあげただけで使えました。

これを持った母の姿はちょっと老けて見えていたはずなのに、いつのまにか今の私にピッタリで、クラシックコンサートへ行くときなどに愛用しています。

しかし小ぶりなビーズバッグの難点は、物が入らないこと。

長財布はもちろん、厚めの二つ折り財布も入らず、サブバッグは必携です。

そのため、ビーズバッグに入るがま口財布を用意しました。義姉からプレゼントされた博多織の財布も、かさばらず使える優れもの。

小ぶりなビーズバッグ
ちょうどいいサイズのもの
スマホが入るサイズ

せめて財布とハンカチとスマホくらいは入るものが欲しいと思い、リユース品を扱う友人のところで、ちょうどいいサイズのものを見つけました。

スマホが入るサイズというのは、現代のバッグ選びの大事なポイントですね。

ホテルでの宴会などで活躍

冒頭の写真、一番左の派手なものはさすがにもう出番はないかもしれませんが、形見の紫のものとリユースの緑のものは、優雅なアフタヌーンティーを楽しむときや、ウェディングパーティー、ホテルでの宴会などで活躍してくれます。

このあいだテレビで、ビーズを生地に刺してゆく工程や、シードビーズを製作している現場をはじめて見ました。

穴の細さ、粒の大きさや長さを決めるのは、機械を扱いつつもやっぱり職人さんたちによる加減が必要なのだと知りました。

また、数粒ずつビーズを針先にとって布地に縫い付けてゆく手作業も、完成までの手間と時間を想像すると、気が遠くなりそうです。

数粒ずつビーズを針先にとって
気後れせずに華やいだ場へ

胸がときめくビーズバッグがひとつあるだけで、気後れせずに華やいだ場へと誘ってくれる気がします。

これからも大切に使おうと思います。

2019.09.03

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