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着物や帯の再活用 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.12(最終回)

着物や帯の再活用 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.12(最終回)

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着物で着るには派手になったものや、寸法が足りないものなどは、羽織やコート、上っ張りに直したりもしています。薄手の単衣や麻着物の場合は、袖と裾を活かして、半襦袢や麻襦袢に直して再活用。

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春は、卒業と入学、年度末と新年度という季節。それに伴う片付けや、新しい生活への準備で、人や物が大きく循環する時期ですね。

私の生活では、当面大きな動きはもうありませんが、それでも、さまざまな物が出たり入ったりして、古いものも再利用しながら暮らしています。

こちらで一年間続けてきた「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」の最終回は、着物などの衣類を再活用して楽しんでいるお話です。

衣類を再活用

昔からある骨董市やフリーマーケットへは、何度か足を運んだこともありましたが、現代はいろいろなフリマサイトやシステムが登場して、ネット上での売買が簡単にできる時代になりましたね。

私もたまにネットで、リサイクルやリユース品をポチッと購入することがあります。

もちろん予算が限られていますので、よく見て、なるべく上質で、状態の良し悪しを判断し、これがお買い得かどうかを検討して購入しています。

大好きな着物の場合、このごろ着物好きの先輩方から、さまざまな着物や帯をいただくようにもなりました。

ただ、私の和箪笥は一棹あるだけですから、増えた分だけ何か外に出さなくてはいけません。

状態の良いものは、私も人に譲ったりお店に送ったりしますが、着古してしまったものや気に入って手放し難いものなどは、何かにリメイクして再活用しています。

長着であれば、まずほとんどは洗い張りして仕立て直して着ます。

紬などはかえって艶が増して、手触りもよくなるところがたまらなく好きです。

着物で着るには派手になったものや、寸法が足りないものなどは、羽織やコート、上っ張りに直したりもしています。

洗い張りして仕立て直し

薄手の単衣や麻着物の場合は、袖と裾を活かして、半襦袢や麻襦袢に直して再活用。

去年は洗い張りしてあった紬を日傘に仕立ててもらい、残り布はマフラーにしました。

紬を日傘やマフラーに

その他に、帯揚げや半衿、袋ものや帛紗、ブックカバーや敷きものといった生活小物に生まれ変わって、布は小さくなっても始末よく活かせるところが魅力的ですね。

帯の場合は、古手でもほとんどそのまま帯として活かしていますが、短いものなどは二部式帯にして、自分が締めやすいように直すことも。

色や柄もさまざまですが、しっかりした織り生地などはバッグにリメイクもできますね。

織り生地などはバッグにリメイクも

若い時に締めた八寸帯など、柄が好きだったものは、切って花瓶や土鈴の下に敷いて楽しんだりもしています。

そして、着るほどに萎えてくる長襦袢も、思い切って水洗いしてから、袖と裾部分を襟付き晒襦袢に縫い付けて、二部式襦袢として着ています。

汗の季節など、水洗いができるのでおおいに活躍してくれます。

袖と裾部分を襟付き晒襦袢に縫い付けて

リサイクルの洋服は、着物以上にたくさんネット上にも出回っていて、私もときおり手を出しますが、何年か前からとても感心しているのが、衣類のほつれや擦り切れ、穴が空いたりして傷んだところを、カラフルな刺繍糸や小布で可愛く補修する手技です。

みすぼらしくなりそうなところを暮らしの楽しみに変える、まるで魔法のようなセンスがとても魅力的です。

刺繍糸や小布で可愛く補修

使い込んで柔らかくなったコットンやリネン、セーターにデニムといった洋服にも愛着があり、私もSNSなどで紹介されている動画を見ては参考にしています。

正直にいえば、私も実は”捨て魔”の部類で、見切りをつけたものはさっさと処分してしまうのですが、好きなものだけはちょっとだけ手をかけ、ていねいに長く付き合いたい人間でもあります。

そんな私のお気に入りや好きなことについてお話を綴ってきました。

一年間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。

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