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自分だけの“雨の日の綺麗“を探しに 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.3

自分だけの“雨の日の綺麗“を探しに 「ちょっとだけ、ていねいな暮らし」vol.3

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着物好きであれば、和装の雨支度も大切です。 着物を着るようになって憧れたもののひとつが和傘でした。お小遣いを溜めて京都へ出かけた際に、専門店でドキドキしながら手にした一本は、朱色の無地に羽二重を貼ったものでした。

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梅雨は、日本の四季には欠かすことのできない気候のひとつです。

鬱陶しくもありますが、夏に向けて水を溜めておく大切な恵みの時期でもあります。毎日降り続く雨の日を、どうしたら快適に過ごし、小さな楽しみを見つけられるかを考えています。

毎日毎回心がけることは無理ですが、私なりに楽しむ、マイペースな「ちょっとだけていねいな暮らし」。ご興味がございましたら、どうぞお付き合いくださいませ。

先月のこと、三十年ほども愛用してきた傘を一本ダメにしたので、新しく購入しました。

傘を一本ダメにしたので、新しく購入しました。

若い時のように、良い布地の素敵な持ち手で、などというこだわりはもう捨てて、少し大きめで、ワンタッチでひらく軽いものにしました。

面白いことに、傘が新しいというだけで、雨の日に街へ出かけるのが億劫ではなくなりました。

それは足もとでも同じことがいえますね。

近頃は雨の降り方も違ってきて、降るとなったら突然土砂降りになることも少なくありません。そのせいか、防水素材の靴やスニーカーだけでなく、お洒落な長靴やレインブーツなど、いろんなタイプの雨靴があって心強いですね。

いろんなタイプの雨靴があって心強いですね

着物好きであれば、和装の雨支度も大切です。

着物を着るようになって憧れたもののひとつが和傘でした。お小遣いを溜めて京都へ出かけた際に、専門店でドキドキしながら手にした一本は、朱色の無地に羽二重を貼ったものでした。

憧れたもののひとつが和傘でした

差すたびに目に入る飾り糸の綺麗さに、ひとり悦に入っていました。

雨風が強くても骨がしっかりしていて丈夫な和傘ですが、たたんだ時に柄を下に向けて持たなくてはいけません。そこで、自分で和傘用の細長い収納袋を縫って愛用しています。

傘用の細長い収納袋を縫って愛用

袋の底をゴムで絞って、柄が抜ける穴をあけておき、差込み口の布を長くしておき、結べば手首にも掛けられるように工夫したものです。

濡れても平気な木綿地でつくったので、雫が落ちることもなく重宝しています。

和装のレインコート

「雨ゴート」と呼ばれる和装のレインコートも、さまざまな色柄で楽しめるアイテムのひとつですね。

若いときの赤い雨ゴートは人に譲り、今は割りきって化繊の市販品雨ゴートを着ています。

あるときモダンな柄の大島紬の二部式のものを人からいただきました。

降っていない時には上着を道行として着て、降り出したら裾を巻いて雨ゴートにする二部式は、いざ使ってみると便利さを感じることが何度もあったので、それから愛用するようになりました。

雨下駄

爪革をつけた雨下駄には風情がありますが、年齢のせいか雨下駄を履きこなすのがおぼつかなくなってきました。

この頃は雨草履だけでなく、スニーカーやレインブーツを合わせた着物姿も見かけるようになりましたが、雨の日の道中は、歩きやすさが大事です。

古紙で水気を吸い取る

私が雨具で気にかけていることは、古紙で水気を吸い取ることや陰干しをすること(特に和傘)と、一年に一度くらいで、防水スプレーで撥水力を足し増しすることでしょうか。

傘やレインコート、スニーカーなどをベランダに出して(メガネやマスクも用いて)風向きにも気をつけながら、たっぷりとスプレーしています。

防水スプレーで撥水力を足し増し
雨下駄

梅雨のシーズン中は、蒸れて不快な日や、雨続きで嫌になる時もありますが、雨支度さえ整っていれば、仄暗い中で輝く若葉の色や、白や青紫の花の美しさなど、「雨の日には雨の日の綺麗」を発見する余裕が生まれる気がします。

自分だけの「雨の日の綺麗」を

昨今の災害級の大雨の予報には十分注意しつつ、ぜひ、自分だけの「雨の日の綺麗」をみつけてみてください。

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