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祖母の教えとフレブル。譲れない大切なものたち 俳優・日本舞踊家 藤間爽子(藤間紫)さん(インタビュー後編)「きもの、着てみませんか?」vol.12-3

祖母の教えとフレブル。譲れない大切なものたち 俳優・日本舞踊家 藤間爽子(藤間紫)さん(インタビュー後編)「きもの、着てみませんか?」vol.12-3

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着物スタイリスト・薬真寺香さんによるスタイリング連載の第12弾。今回のゲストは、俳優であり、日本舞踊紫派藤間流家元でもある藤間爽子さん。俳優と日本舞踊家、それぞれのお仕事で感じた違いや、愛犬への並々ならぬ想いを語っていただきました。

2025.12.02

インタビュー

きもの、着てみませんか?

紫派藤間流、揃いの浴衣に込めた想い

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣65

薬真寺香(以下、薬真寺):一門でお揃いの浴衣を仕立ててらっしゃると伺いました。

藤間爽子さん(以下、藤間さん):そうなんです。2年に一度作っているのですが、今回は藤と源氏香の模様。うちの家紋が源氏香に上がり藤なので、それをイメージしました。

薬真寺:今日は無理を言って貴重な実物をお持ちいただきました。ありがとうございます!柄は毎回変えてらっしゃるんですか?

藤間さん:はい。今年はこんなイメージにしたい、という考えをお伝えして、何度かデザインのアップデートをしながら作っています。

今回は細かい幾何学のような柄にしたかったのですが、今は職人さんも少なくなっていて、藤の模様を細かくできる限界がこのサイズだそうで。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣61

藤間さん:日本舞踊は女性が多いのですが、うちは初代は祖母でしたが二代目は男性でした。浴衣は女性好みになりすぎないよう、男性が着てもよいようなデザインにこだわっています。

薬真寺:見た目の美しさやかっこよさだけでなく、あらゆる部分に配慮してデザインされているんですね。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣63

藤間さん:なるべくお弟子さんみなさんに喜んでいただけるようなものをと思って作っています。お揃いの浴衣を着て夏の発表会に向けて練習をしてくださることもあって。

薬真寺:やっぱりお揃いのものって、特別感があって嬉しいですよね。私も爽子さんのワークショップに参加した際、手拭いをいただけてとても嬉しかったです。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣64

薬真寺:ちなみに、足袋の選び方、お手入れなどこだわりはありますか?

藤間さん:普段は福助など、手頃で買いやすいものが多いですね。汚れたときにはたわしで洗っています。祖母は自分の足のサイズで誂えていて、私も誂えたものを履くと、こんなにぴったりになるんだなと感動します。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣67

藤間さん:でも、足袋ってどうして相方が行方不明になってしまうんですかね……。たまに出先に持って行く時、右足と右足だけを持ってきてしまって「やばーい!」となることもあります(笑)。

薬真寺:わかります!私は歩き方の癖なのか、右足だけ擦り切れることが多くて。同じようなお悩みを聞けて、嬉しいです(笑)!

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣107

「いつもよりきれいにしてお稽古を」

薬真寺:日本舞踊のお話をたくさん伺ってきましたが、俳優としてのお顔も気になります。どちらも大切なお仕事かとは思うのですが、どういったところで違いを感じますか?

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣104
藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣105

藤間さん:日本舞踊では常に「いつもよりちゃんとお化粧をして、きれいにしてお稽古を」と心がけています。それは先生や先輩方が普段からメイクや髪型にも気を配り、ピシッと着物を着ている姿を見て、やっぱり美しいなと感じてきたからなのかなと。

ところが、お芝居のお稽古のときにはすっぴんにジャージの方が多くて。それはお芝居と踊りで全く違うところだと思います。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣75

薬真寺:心持ちも変わってきそうですね。

藤間さん:たしかに。私はお芝居のお稽古のときも、お化粧をしないとなかなかスイッチが入らなくて。

薬真寺:俳優業で衣装として着物をお召しになることも多いですよね。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣76

藤間さん:映像の現場などでは、着付けもプロの方に委ねるような形でお任せしています。お互いにプロ同士なので、信頼して委ねていますね。

あくまで私の印象ですが、舞踊家の皆さんはその後に踊ることを前提としているので、着付けをきつめになさる方が多いように感じます。

私は気合いが入るので、「もっと締めてください!まだまだいけます!」とリクエストすることもあるんですが、みんなが引くくらいきつく絞めがちです(笑)。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣103

「日々是好日」から茶道を習い始めて

藤間さん:実は去年から、茶道を習い始めて、久々に知らないことを学ぶという体験をしています。大人になってから始めたからか、理屈で頭から考えてしまって、習ったはずのことを忘れて、できなくなってしまうこともあって。

まだまだ点と点でしか理解ができていないから、流れの中で動くことができていないんでしょうね。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣71

薬真寺:新しいことに挑戦なさっていたんですね。素敵!何かきっかけなどはあったんですか?

藤間さん:和菓子が好きだからです(笑)。それから、『日々是好日』という映画が素晴らしいなと思っていて。これは茶道を習うお話なのですが、なんとなく長く通って、離れて、戻ってきて、という距離感が個人的にとても好きです。日本舞踊ではないけれど、和のお稽古事に通じることだな、と思っています。

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣102
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薬真寺:私も大好きな作品です!親しい友人にプレゼントされて原作を読んだのですが、おっしゃる通り、先生との距離感が心地良いですよね。

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ころっとしたフォルムがたまらない!フレンチブルドッグ愛

薬真寺:ところで、爽子さんは大のフレンチブルドッグ好きとのことで。

藤間さん:薬真寺さんもフレンチブルドッグを飼ってらっしゃるんですよね?

薬真寺:そうなんです。10年ぶり二度目のフレブル生活。粗相の始末で床に這いつくばったり、イタズラに疲弊したりしていますが、すべて吹き飛ばすくらい可愛いですね。

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藤間さん:フレンチブルドッグって、本当に可愛いですよね。犬と思えないというか、宇宙人のような不思議な愛らしさがあるというか。

薬真寺:爽子さんがフレブルにハマったのはいつ頃ですか?

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣58

藤間さん:小さいころに、父が音楽家の加藤和彦さんとお仕事をしていたんです。加藤さんはお仕事で海外などに出張されることもあって、その間、我が家で預かっていたんですね。そこでフレブルに出会い、小さいながらに夢中になってしまって。

薬真寺:そうだったんですね!

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣51

藤間さん:我が家で飼うなら、フレブルじゃなきゃ絶対に嫌だ!と言って、無事に飼うことになりました(笑)。

今日撮影に来ているのは、14歳の「晴男」です。来たばかりの頃は子犬だったのですが、一般的なフレブルとは思えないほど巨大に育ってしまいました(笑)。

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藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣57

薬真寺:晴男さん、フレブル界隈で人気の雑誌『BUHI』に登場されているのを拝見したりしていたので、お会いできてとても嬉しいです。この動じなさというか、どっしり感が安心しますね。

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藤間さん:漬物石なの?ってくらいで。私が家に帰ってもふだんは寄ってこないのですが、ときどき寄り添ってくれる距離感もよくて。

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藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣52

藤間さん:今日は晴男とも撮影していただけて嬉しかったです。ありがとうございます!

薬真寺:こちらこそ、「浴衣+フレブル」という大好きなものを掛け合わせた撮影が叶い、本望でした。晴男さん、爽子さん、ありがとうございました!

藤間爽子がまとう、日常を彩る浴衣60

LOOK1
ゆかた:KIMONO ARCH
帯、二分紐、メルカドバッグ:きものやまと
LOOK2
ゆかた、帯、二分紐、根付、カゴバッグ:きものやまと
LOOK1、2共通
帯留:中井ヒット
取扱店 イトノサキ 〒107-0062東京都港区南青山4-1-5 KFビル2階

構成・文/山本梨央 dejane_rio
撮影/坂本陽 minami.camera
ヘアメイク/尾口佳奈
ディレクション・スタイリング・着付け/薬真寺 香 ___mameka_

※スニーカー、下駄、オレンジ持ち手のかごバッグ、髪飾りはスタイリスト私物

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