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“シルクロードを感じた“ペルシャ絨毯と祇園祭 俳優・映画監督 サヘル・ローズさん(インタビュー前編)「きもの、着てみませんか?」vol.11-2

“シルクロードを感じた“ペルシャ絨毯と祇園祭 俳優・映画監督 サヘル・ローズさん(インタビュー前編)「きもの、着てみませんか?」vol.11-2

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着物スタイリスト・薬真寺香さんがサヘル・ローズさんに選んだオリエンタルな着物。サヘルさんと着物の繋がりや、祇園祭で感じたシルクロードへの想いなどを伺いました。

2025.04.12

インタビュー

きもの、着てみませんか?

児童養護施設への支援がきっかけで出会った二人

俳優・映画監督サヘル・ローズさんとスタイリスト薬真寺 香さん

俳優・映画監督サヘル・ローズさんとスタイリスト薬真寺 香さん

薬真寺香(以下、薬真寺):サヘルさん、お久しぶりです!

サヘル・ローズさん(以下、サヘルさん):お久しぶりです!香さんと初めてお会いしたのも、ここ(『Shinzone』表参道本店)でしたね。

薬真寺:そうですね。『Shinzone』代表取締役社長・染谷裕之さんが、私が参加している公益社団法人『いちご言祝ぎの杜』の代表理事も務めておられることで、この場所でお会いできました。

※いちご言祝ぎの杜……様々な事情により児童養護施設など家族と離れて暮らす子どもたちに七五三や十三詣り、成人式など日本の伝統的な慶びを届ける活動を行う

2025.07.18

ライフスタイル

イチゴイニシアチブの七五三

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

薬真寺:もともと私は独立した直後くらいから多様な場で着付けをしたいと思っていて、車いすユーザーの方に向けて着付けをする講習会に参加し、資格を取得したりなどしていたんです。2019年の秋頃、松本大洋さんの『Sunny』という漫画をきっかけに「児童養護施設で着付けをしたい」と考えるようになりました。でもどうやったら辿り着けるのかがわからなかった。

そんなことを考えていた数日後、ちょうどこちら『きものと』の編集長から「香さんが、きっと会いたいと思う方がいます」ってメールが届いて、紹介していただいたのが『いちご言祝ぎの杜』を主宰されている市ヶ坪さゆりさんだったんです。

2023.02.15

インタビュー

イチゴイニシアチブ主宰 市ケ坪さゆりさん

サヘルさんと、『『Shinzone』』代表の染谷さん

サヘルさんと、『『Shinzone』』代表の染谷さん

薬真寺:全くそんな話はしてないのにどうして分かったの!?って、あまりのタイムリーさにびっくりしましたが、本当にすごく嬉しかった。それ以来メンバーの一員としてこの活動に参加させていただいており、今日のこの機会にも繋がりました。

サヘルさん:まさに着物のような、縦の糸と横の糸の繋がりですね!

成人式の着物が背中を押してくれた決意

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

薬真寺:今年の夏に『徹子の部屋』に着物で出演されてましたよね。涼やかで、素敵でした。着物との出会いや、どんなイメージをお持ちかなど、教えていただけますか?

サヘルさん:私自身、着物がずっと好きで。イランにいた頃、孤児院でドラマ『おしん』を見ていたこともあって、着物への憧れがありました。

初めて着たのが成人式だったことはとてもよく覚えています。それまでは生活が厳しくて着たことはなかったのですが、所属事務所の社長の叔母様が着付けをしてくださって、写真も撮っていただきました。

着た瞬間に、なんて着物が好きなんだろう、と感じたことが印象に残っています。苦しくなくて、背筋が伸びて、気持ちにスイッチが入る感覚がありますよね。

サヘルさん:成人式で着たのはピンクの桜模様で「新しい人生として、私の夢を叶える」という決意を抱けるような着物でした。そのときに、私を育ててくれた養母の名前を世界に広めるということを決めたんです。

薬真寺:いいお話......振袖姿で胸を弾ませているサヘルさんが、目に浮かびます。

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

サヘルさん:でも、これまでに出会った着物の柄として一番印象的だったのは、お世辞抜きで今日のお着物なんです。この汕頭スワトウ刺繍のお着物は、きっと見る人の感性で何に見えるのかが変わりそう。

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

サヘルさん:仏教的にも見えるし、東洋らしさも感じられる柄ですよね。私が生き方の見本として大事にしているのが山口小夜子さんなんですが、まさに小夜子さんのようなイメージにも見えました。

薬真寺:わ、嬉しい......!ありがとうございます。いろんな要素・魅力を織り交ぜる、というのは今回のスタイリングで意識していた部分なので、感じ取ってくださって、嬉しいです。

ペルシャ絨毯と祇園祭に見出す「シルクロード」の繋がり

サヘルさん:幼少期にペルシャ絨毯を織っていたのですが、着物の機織りを見て、似たものを感じました。丹精を込めて糸に思いをかけるということ、機織りの音、模様に意味があるということなども、ペルシャ絨毯に通じるところがあると思っています。

京都で祇園祭に行ったときにも、ペルシャ絨毯が掛けられているのを見て「シルクロード」という言葉の意味を改めて体感しました。ペルシャと京都が繋がっていたんだとわかった気がします。

薬真寺:織物が繋いでくれた道、ですもんね。祇園祭にはいつ頃行かれたんですか?

サヘルさん:子どものころに行っただけなので、ぜひまた行ってみたいと思っているんです。

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

薬真寺:次は浴衣で行かれるのも良いですね。ところで、イランの民族衣装にも着物と共通する部分はありますか?

サヘルさん:街によってそれぞれの気候にあった素材が使われている点は似ているかもしれません。イランでは、民族によって服の長さが違い、ボタンの掛け方、スカーフの巻き方なども異なります。今では、遊牧民を除いて民族衣装を着る人はあまりいないのではないでしょうか。

サヘルさん:最近は伝統衣装の生地を使ってジャンパーなどにリメイクする人たちは出てきています。民族観を残そうという取り組みはあるのでしょうね。

薬真寺:日本で帯をリメイクしたクラッチバッグや羽織を洋服に合わせたコーデが親しまれていることなどと、近いものを感じますね。

「ペルシャの文字を帯にしたい」サヘルさんの願い

薬真寺:「こんな着物が着てみたい」と思うイメージは何かありますか?

サヘルさん:ペルシャの模様の着物を作ってみたいと思っているんです!特に、ペルシャ語、ペルシャ文字ってとても美しくて、着物や帯の一部にあったらなぁ、と。

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

サヘルさん:以前お聞きしたのですが、奈良時代の書物にペルシャ人でお坊さんになった方がいたという記述があったそうなんです。

それに、ペルシャ語は昔の日本と同じように、右から左に書くというのも共通点。何か通じるところが少なからずあるような気がしていて。

薬真寺:ペルシャ文字の着物や帯、すごくいいですね!私物で和歌や仮名文字が描かれた着物を持ってるんですが、文字の羅列が袖や裾の動きに合わせて揺らぐ感じが、とてもきれいなんです。羽織の裏や八掛にさりげなく文字を忍ばせるのも良さそう。

サヘルさん:ペルシャ書道は竹筆で書くのですが、それもまた美しくて。ペルシャ語に限らず、世界の言語の帯がいろいろあったらいいですね。着物って、知らない人に声をかけるきっかけをくれる装いだと思うんです。そこに異国の香りが残ったりしていると、さらに世界が繋がっていくような気がします。

薬真寺:着物をきっかけに世界が繋がっていく光景、私も見てみたいです。サヘルさんのお話を聞いていると、どんどん夢が広がります。

俳優・映画監督サヘル・ローズさんが纏う、アートな着物

次回はインタビュー後編を公開予定。

サヘルさんが監督を務めた映画『花束』の舞台裏について語っていただきました。

スカーフ・バッグ:HERALBONY
LOOK1
シルクスカーフ『りんごのブーケ』(Yuh Mitani)
スカーフコンビレザーミニバッグ
シルクスカーフ『青春のバラード』(Keisuke Mori)
LOOK2
スカーフコンビレザートート
シルクスカーフ『ヴェネチアのフルーツ船』(Hiroshi Yoshida)

撮影協力/Shinzone表参道本店

構成・文/山本梨央 dejane_rio
撮影/坂本陽 minami.camera
ヘアメイク/尾口佳奈
ディレクション・スタイリング・着付け/薬真寺 香 ___mameka_

※かんざし、コート、襦袢、半衿、帯留、帯締め、帯揚げはスタイリスト私物

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