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誰かと、きもので出かける楽しみ「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.101

誰かと、きもので出かける楽しみ「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.101

誰かと、きもので出かける楽しみ「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.101

2025.10.01 （2025.09.29 更新）

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これまでは、たったひとりでもいい、わたしが着たいきものを着て出かけることで、自分の機嫌をとれればいい、と思ってきました。でも、視界にきもの姿が入るだけで、満たされ方が全然違ってくるということに気づきました。

目次

きもの姿がアートに
きもの友達を誘って出かける楽しみ
心の栄養になる一日を

きものを着てひとりで出かけると、自分の姿は自分には見えません。目の前の景色の中にきもの姿を登場させるには、他の誰かが必要になってくるのです。

これまでは、たったひとりでもいい、わたしが着たいきものを着て出かけることで、自分の機嫌をとれればいい、と思ってきました。でも、視界にきもの姿が入るだけで、満たされ方が全然違ってくるということに気づきました。

知らない誰かでも、きもの姿ってとても麗しくて尊いんです。広い砂漠を歩いていて、オアシスを見つけたような。いや、そんな冒険は一度もしたことないけど。それに近いような感じ。

地下鉄などで、偶然きもの姿を見かけたときの、絶滅危惧種の動物同士が、偶然出会ったような、なにか親近感のようなものが湧く瞬間も好きです。

でも、偶然を待っていたら、その日は一度もきもの姿に出会わないかもしれません。

よく「お誘いあわせの上」というフレーズがありますが、きもの友達を誘って出かける楽しみに目覚めました。

目の前にきもの姿の誰かがいるだけで、おいしいお店はよりおいしく、楽しいイベントはより楽しく、美しい景色はより美しくなるんですよ。交差点を渡るときの何気ない景色まで、ドラマチックに見えてくるから不思議。

「誰か」は、身内でもいいし友人でもいいし、これから友人になっていくであろう人でもいいですね。

きものライフを一緒に楽しめる仲間と、今年はどこに行きましょうか。

以前舞妓変身を体験したので、次は芸妓になってみるのもいいな。ちなみにこれには仲間意識というか妙な絆が強まる作用があります。

染め体験など、何かを作るイベントもいいですね。気になる映画もいいし、お芝居や歌舞伎もいいな。ぜひ、心の栄養になる、素敵な一日を！

ほぼ一年中を着物で過ごし、着物ライフの楽しさをイラストとエッセイでつづる。執筆の他、着物や帯などのプロデュースも手がけ「着物は人生に寄り添うもの。おしゃれで楽しくて、お守りのような存在の布になれたらと願い、ものづくりをしています」と語る。著書に「大人かわいい着物読本」(主婦と生活社)、「おとなのときめきふだん着物」(河出書房新社)、「買ってはいけない着物と着物まわり」(実業之日本社)などがあり、最新刊は「東京着物さんぽ」(GB)。山形県在住で、子3人犬1匹の母でもある。

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