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”何でもない日”に着物を 「Magnificent KIMONO!」vol.1

”何でもない日”に着物を 「Magnificent KIMONO!」vol.1

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海外で着物を楽しむ秘訣は、”何でもない日”に着物を着ること。着物を着るだけでたくさんの方々からお褒めの言葉をいただき、普段と変わらない1日が特別な1日へと変わるのです。

北川聖子さん

「きものと」をご覧のみなさま、こんにちは。

米国ボストンにて着物のレンタルと着付けのビジネスを運営しております、北川聖子です。

こちらのコラムでは、私が感じたアメリカでの着物の認知度や、着物を着ているからこそ出会えたご縁、そこから生まれた笑えるエピソードなど、海外で着物を着る楽しさをご紹介できたらと考えております!

「Your Kimono is magnificent!」

タイトルにある「Magnificent」という言葉。あまり聞き慣れない言葉ですよね?無理矢理カタカナで表記するなら「マグニフィセント」とでも言いましょうか。

アメリカ人は何と言っても褒め上手。この言葉は、私がアメリカで初めて着物を着た日に、道行く素敵なご夫婦からかけられた言葉でした。

北川聖子さん着姿全身

「Your Kimono is magnificent!」

ま、ま、まぐにふぃせんと??? な、何だそれは。

頭に浮かんだのは、マグネットとマレフィセント(ディズニーの悪役)。その当時、この言葉を知らなかったどころか、ろくに英語もしゃべれなかった私は、頭の中で必死にその意味をGuess Guess Guess…

「さては惹きつける系の美魔女ってことかしら…」とりあえず褒め言葉っぽいから「Thank you!」で返しとけば間違いないな…と。

それから家に帰り調べると、「Magnificent」とは「壮大な、豪華な、すばらしい、見事な、格調の高い、崇高な」などの意味があるそうです。

なんて素敵な褒め言葉をいただいていたのだろう!と感動した私。これをきっかけに、たくさんの褒め言葉を着物とともに学ぶこととなりました。

私は新しい言語を覚えるときには常に視覚的なイメージを添えて記憶するので、いまだにこの言葉を思い出し会話で使うときには、マグネット&マレフィセント=大きな磁石を持ったマレフィセントが頭の奥から走って来ます。

もうこれでみなさんも、この言葉が忘れられないはず。なんとためになるコラムでしょう!笑

アメリカ最古の公立図書館に浴衣で

さて、そろそろ本題をば。

私の住むボストンという街についてお話しさせていただきますね。

アメリカの東海岸に位置し、NYから北に3時間半ほど上ったところにあるボストン。アメリカ最古の街であり、至るところに歴史的建造物が残る大変情緒のある街です。

歴史的建造物が残る大変情緒のある街
公立図書館に浴衣を着てお出かけ

先日は、アメリカ最古の公立図書館に浴衣を着てお出かけしてきました。

写真は夫による撮影。

彼はオフロードウェイ発祥のブルーマングループと言う舞台に現役パフォーマーとして立ちつつ、フォトグラファーとしても私のビジネスを支えてくれています。

夫婦でテスト撮影に

この日は、お客様のご依頼もあり、新しい撮影スポットを見つけるべく、夫婦でテスト撮影に出かけたのでした。

図書館とは思えない、美しすぎる内装

とても図書館とは思えない美しすぎる内装ですが、図書館ゆえ、撮影中、声はほとんど出せません。

夫とは阿吽(あうん)の呼吸で所要時間たったの5秒。これは家族向けやお子様向けの撮影には不向きと判断するに至りました!

残念ですが、お客様の理想の一枚を撮るため今後もトライ&エラーを続けます!

読書は心の栄養
アラレちゃんが所有されている

それにしてもアメリカ最古の図書館にアラレちゃんが所有されているというのも驚きです。読書は心の栄養ですね(なんちゃって)!

着物でピクニック

夫婦でピクニック

また別の日には、ボストンのパブリックガーデンにて撮影のお仕事を終えた後、そのまま夫婦でピクニックをして帰りました。

海外で着物を楽しむ秘訣は、”何でもない日”に着物を着ること。

着物を着るだけでたくさんの方々からお褒めの言葉をいただき、普段と変わらない1日が特別な1日へと変わるのです。

着物を着るだけで特別な1日へ

この日も、夫の仕事中にせっせとピクニックの準備をする私を見た現地の女性が声をかけてきました。

「エクスキューズミー、あなたお店はどちら?スシのケータリングもやってますか?」

なんとプロのピクニック屋さんだと思われたようです。

「いえ、コレただの趣味なんです」

「あなた絶対これ仕事にした方がいいわよ!スシのケータリングをして、おいしい日本酒でも呑んだら最高じゃない!」

ただ、アメリカでは屋外での飲酒は禁止なはず。それを伝えると、「あー!そうだ、そうだ、うっかりしてたー」と2人で顔を見合わせ爆笑。

見ず知らずの人と、こんな瞬間を生み出してくれるのも着物の魅力です。

女の子と一緒に記念撮影

そして、続いてフィラデルフィアからいらっしゃったご家族連れには、

「エクスキューズミー、お楽しみのところ邪魔はしたくないんだけど、私の8歳の娘がどうしても、あなたはとても美しい!と伝えたいと言ってるの」

と話しかけて来ました。その後ろを見ると、少し離れたところにもじもじと立っている可愛い女の子が。

日本文化にとても興味があると言うこちらのお嬢さん。せっかくなので、ピクニックマットにお招きして、一緒に記念撮影をしました。

こちらは小さな女の子までも褒め上手。素敵なドレス、素敵な靴、目に留まったものはなんでも褒めてくれます。

私が座っている目の前の池は、10分に1回ほどの頻度で20人乗りのスワンボートがやってきます。そのたびに、乗客のみなさんがこちらを指差しながら写真を撮っていかれるので、撮影を終えて合流した夫がその姿を見て一言。

「すごいよ!聖子、カリブの海賊のアトラクションみたいになってるじゃん!」

何がすごいのか分かりませんが、着物は自分の1日を特別なものにするだけでなく、周りの方のその日1日、その旅を特別なものに彩ってくれるようです。

さて、次回は…

着物屋さんだけでなくパフォーマーとしても活動を続けている私が、ニューヨークで開催されたジャパンパレードにて花魁道中を披露させていただいた話をさせていただきますね。

どうぞ楽しみに!

All photos by Adam Erdossy

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