着物・和・京都に関する情報ならきものと

大人が振袖を楽しむ方法 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.94

大人が振袖を楽しむ方法 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.94

記事を共有する

「今日のわたしは令嬢よ!この五つ紋が目に入らぬか」なんて言ってみたり。にぎやかで楽しいスタジオ撮影になりました。それぞれが燻った思いを昇華させる、お焚き上げの時間だったように思います。

昨年4月1日のコラムはこちら!

2024.04.04

よみもの

単衣はいつから? 2024年版 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.82

大人の振袖を楽しむ会2

仲間同士で楽しむ振袖

先日、仲間同士で集まって、いい大人がこっそり振袖を楽しむ会というのに参加してきました。正式名称は「大人振袖を楽しむ会」だったんですけどね。

実はわたしはどこか頭が固いところがあって、振袖は、未婚の女性の第一礼装で、特別なときに着るもの、という意識が強いんです。

2024.11.03

よみもの

結婚式に振袖を着ると、花嫁より目立っちゃう!? 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.89

演歌歌手としてのステージ衣装だとか、素人だとしてものど自慢に出るとか、なにかそういう落としどころのような、きちんとした言い訳を持ち合わせていないと袖を通しにくいというか……心臓に毛が生えていて、三つ編みでもできそうと豪語するわりに、変なところで気が小さいんです。

でも、成人式のときの写真に納得がいかないとか、親に与えられたまま、黙って従うしかなかったけど、本当はこうしたかったとか、若い頃にはできなかったシックなコーディネートがしてみたいとか、仲間たちの話を聞いているうちに、内輪だけで楽しむ分にはいいんじゃないの?と思うようになりました。

ファッションとしてのきものだからいいじゃないか、表現の自由じゃないか、と大声をあげて堂々と表を歩くのではなく、本当に内輪だけの、秘密基地で遊んでいるような感覚です。

心浮き立つ振袖選び

さて当日は何を着ようかと、若い頃の振袖を広げて、ちょっと袖を通してみました。しっとりとした袖の重さが心地よい。やっぱり袖の長いきものは特別だなぁと心浮き立つ気持ちになります。

母が選んでくれたサーモンピンクの振袖、親戚や友人の結婚式に何度も着ました。だけど、本当はわたし、紫色のシックな振袖が着たかったんだよね。

2023.08.01

よみもの

これから振袖を選ぶ方へ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.74

数年前に、生け花の仲間から「娘さん、着てくれないかしら」と紫色の振袖をいただきました。五つ紋がついている立派なものです。

いかにも御令嬢という感じ。いただいてからすぐに、お茶の先生のお祝いの会があったので、そのときに娘に着せました。よし、大義名分は果たしたぞ。次は、大人の振袖を楽しむ会で、わたしが着たっていいじゃないか。

にぎやかで楽しいスタジオ撮影

写真スタジオに集ったのは9人。一番若い人でも40半ば。はっきり言って振袖を着るには無理のある年齢です。でも、この場所に若い人はいない。

ヘアメイクと着付け師のプロの技のおかげで、みんな本当にかわいらしく、またみんな調子に乗って、頭に花をこれでもかと盛りつけてみたり、あんまり笑うと皺が、と言い合ってまた笑ったり。

わたしは「今日のわたしは令嬢よ!この五つ紋が目に入らぬか」なんて言ってみたり。にぎやかで楽しいスタジオ撮影になりました。それぞれが燻った思いを昇華させる、お焚き上げの時間だったように思います。

撮影が終われば、みんなさっと振袖を脱いでたたんでお片付け。いつもの姿に戻って居酒屋で打ち上げをしました。この潔さもまた良し。

出来上がった写真

提供:きくちいま

こんなお遊びも、たまにはいいな。思い切って参加して本当によかった!

出来上がった写真を見ながら、「うーん、令嬢というには貫禄がありすぎる」と思い出し笑いをしているところです。

ITEM

記事に登場するアイテム

正絹友禅お振袖 「道長に冊子紋」

【十日町 桐屋】 手絞り染振袖 紋意匠金通地・唐絞り

特選手加工友禅振袖 「孔雀に牡丹」

【栗山吉三郎】 和染紅型お振袖 「京洛図」

2025.02.03

よみもの

二十歳のつどい ―『Snow Man』の和姿に憧れたある男子の場合 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.92

2023.01.09

よみもの

振袖選びが母と娘の絆を深める 「親子できもの日和」vol.3

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS急上昇キーワード

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する