着物・和・京都に関する情報ならきものと

話題の『LV DREAM』へ ~ポンヌフ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.1

話題の『LV DREAM』へ ~ポンヌフ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.1

記事を共有する

今年はいよいよ着物でヨーロッパへ!リアルなパリの今をお届けする新連載がスタートします。初回はまず……ポンヌフ界隈から。話題沸騰!ルイ・ヴィトンのエキシビジョン『LV DREAM』を訪ねます。

2022.12.02

よみもの

日本舞踊家 YÛKÔ FUJIMA 藤間裕凰さん(前編)「MariⅯaedaが訪ねる、パリで活躍する日本人」vol.7

新連載スタート

新連載が始まります!

春の訪れを迎え、日々過ごしやすい季節となりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ここ数年のコロナ禍の影響で、自由に旅を楽しむことができずストレスを感じていた方も多かったのではないでしょうか。ようやく自由に旅の計画を立てられるようになってきて、私自身、本当に喜ばしく感じております。

そんななか、「いつか着物でヨーロッパへ」とりわけ「着物でパリへ」とおっしゃられる着物ファンの方々は以前よりとても多くいらっしゃるように思います。

花の都パリ。

在仏30年を越えてなお日々魅了され続けているパリの風景をお届けするとともに、名所や今話題のスポットなどを訪ねる新連載がスタートします。ぜひ次のご旅行のご参考にもしていただけましたら幸いです。

まずは、ポンヌフ界隈から。

話題のエキシビション『LV DREAM』へ

ポンヌフ界隈で今年一番話題となっているスポット『LV DREAM』。

今年の秋まで限定で、サマリテーヌデパートの向かいにある巨大なルイ・ヴィトン本社内で開催中です。

ドリーム/ルイ・ヴィトンエキスポジション。
ドリーム/ルイ・ヴィトンエキスポジション。

19世紀後半には欠かせないショッピングスポットであった旧・ラベルジャルディニエール ストア('La Belle Jardiniere' department store)があった歴史的建造物内にて展開されています。

創業者ルイ・ヴィトンが描かれたアート

創業者ルイ・ヴィトンが描かれたアート

芸術的な歴史と、進化した現代的な品々を幅広い角度から見ることができるエキシビジョン。

1854年に設立されたルイ・ヴィトンの歴史をたどりつつ、才能あるアーティストとの多くのコラボレーション作品を、時空を超えた夢のような空間で体感することができます。

アート感覚で展示

年代物のバックやトランクがアート感覚で展示されている

ルイ・ヴィトンは、 積み重ねたり吊るしたりしやすいフラットトランクの発明により、バゲッジ(旅行用バック)の世界に革命をもたらしました。
常に革新的で、クリエイションの先駆者として憧れのブランドですね。

オシャレな展示を背景に着物シルエット。

各展示スペースは、どこも趣向が凝らされていて本当にステキ。

歴史と未来の時空空間を旅しているようで、とってもワクワクする空間です!

スクリーンアートを背景に。

スクリーンアートを背景にすると…着物のシルエットと不思議な調和をみせています。

モダンな図案は和の空間かと思うような雰囲気もあり、日本の伝統衣装である着物ともマッチするのがおもしろいですね。

モダンな図案と日本の伝統衣装がマッチング。

コラボレーションの軌跡も見逃せない

スカーフが並んで

こちらには、さまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションしたスカーフの図案が並んでいます。

春らしい色合いのスカーフもございました。

スカーフ

現在、草間彌生さんのアート作品とコラボレートした商品が、世界中のルイ・ヴィトンにて大々的に展示販売されています。

草間彌生さん

シャンゼリゼ通りのショップの建物の屋根には、草間さんを模った(かたどった)巨大なオブジェが展示されていますし、またヴァンドームのお店では、草間さんのロボットがウィンドウに展示されています(強烈なインパクトがありますよ!)。

巨大なオブジェ1

photo by MariMaeda

巨大なオブジェ2

photo by MariMaeda

こちらは、以前、村上隆さんとコラボレーションされた際のお品ですね。

村上隆さんとコラボレーション製品。

ルイ・ヴィトンの伝統的なアタッシュケースは、あらためて着物にも合いそうだなと拝見いたしました。

アタッシュケース

夢のカフェでひと休み

『LV DREAM』のフロアから上階に上がると、巨大なギフトストアがあり、本、香水、グラス、装飾品、小さな革製品などなど……ユニークな商品が展示販売されています。

そしてそこに、緑豊かなトロピカルガーデンのような雰囲気でステキなカフェ『マキシム・フレデリック アット ルイ・ヴィトン』も設けられています。

モダンでスタイリッシュな空間。

このカフェは、パリの最新ラグジュアリーホテル、シュヴァル・ブラン・パリ(Cheval Blanc Paris)のパティシエであるマキシム・フレデリックとルイ・ヴィトンがコラボレートしたカフェ&ショコラトリー。

トロピカル ガーデンのようなカフェ。

モダンでスタイリッシュな広々とした空間で、窓際のスペースからはポンヌフ界隈の景色を眺めることができます。

ルイ・ヴィトンをモチーフにしたケーキ。

ケーキの種類も豊富で、実にユニークに展示されています。

なんと、ルイ・ヴィトン『モノグラム』の一部をモチーフにしたケーキも……!

ルイ・ヴィトンをモチーフにしたケーキ。

お皿やコーヒーカップは、ルイ・ヴィトンのオリジナル。フォークやナイフは、私の好きな銀食器のクリストフルでした。

ヴィトンのロゴマークがクッキリとあしらわれているケーキ。

チョコレートカラーを小物にリンクさせて

アットホームでモダンなテーブルコーディネートの雰囲気は着物姿での居心地も良く、ぜひ旅の合間に、こちらでゆったりと過ごされてはいかがでしょうか。

美味しいエスプレッソに感激

美味しいエスプレッソに感激

着物の色合いと同じトーンのケーキ

着物と同じ色合いのケーキには七宝模様も!

着物の力は、途轍もないものがある。

今回、会場を訪れているフランス人のマダムが「J'adore ce style.(このスタイルが好きです)」とおっしゃっていて、てっきり展示品のことと聞き流していましたが、どうやら私の着物スタイルをお褒めいただいていたよう……にっこりと笑顔を向けて下さいました。

着物の力は本当にすばらしいなと、あらためて実感いたしました。

LV DREAM

LV DREAM
26 quai de la Mégisserie
2022年12月15日~2023 年11月15日
11:00~20:00
観覧無料
要予約(混んでいない時は予約なしも可)
※カフェ、ショコラトリー、ギフト ストアへは予約なしで入場可
最寄りメトロ:Pont Neuf(ポンヌフ)徒歩1分

最新の情報は公式HPなどでご確認をお願いいたします。

ポンヌフ橋周辺をおさんぽ

16世紀から17世紀にかけてアンリ4世によって建築されたポンヌフ。

アーチ型の石造りの橋で、建築当時は「最新式の石造りの橋」として話題となりました(フランス語で「ポン=橋」「ヌッフ=新しい」ですから、そのままですね!)。

そしてポンヌフは、右岸のルーブル宮殿から左岸のサン・ジェルマン教会へと向かうメインストリートでもありました。

左岸と右岸が初めて結ばれた最古の橋

左岸と右岸が初めて結ばれた最古の橋

情緒ある石畳を左岸から右岸に向かう人々

情緒ある石畳を左岸から右岸に向かう人々

美しいセーヌの眺めは格別で、左岸方向に向かう景色にはマリーアントワネットが投獄されていたことでも有名なコンシェルジェリーを臨みつつ、バトームーシュなど、セーヌ川を行き交う船の光景を眺めることができます。

ミュゼットの流れる音を聞きながら……

きっと、パリならではのノスタルジックな気分を満喫いただけることでしょう。

着物パワーは絶大です。

橋の上に着物姿でいますと、さまざまな方々からお声がけいただきます。

ブギニスト(古本屋)にもぜひ

モード関係のポスターがずらり。

セーヌ川を挟んで左岸・右岸の川沿いには、ずらりとブギニスト(古本屋)が立ち並びます。世界遺産にも認定された、パリの観光スポットですね。

とはいえ一般的な観光ルートには入っていないようにも思いますから、ぜひ、本好きの方にもそうでない方にも、気軽なお着物姿でめぐっていただくのもおすすめです。

VOGUEのポスター

パリらしいイラスト画ですね。

もともと16世紀に露天商として営業していたブキニスト。1606年にポンヌフが完成すると、橋の上で手押し車に商品をのせて販売していたそうなのですが、19世紀にセーヌ川沿いでの営業形態となったそう。

古代フラマン語で「ブギニスト=価値のない本」いう意味がありますが……全くその逆で、パリならではのお宝的な商品がいっぱい。

私もかつて20代のデザイナーになりたてのころには、このブギニストでデザインのヒントとなる資料をたくさん買い込んだものでした。今でも大切に保管しています。

着物姿の女性のポスター

着物姿の女性のポスター

風の谷のナウシカのポスター

『風の谷のナウシカ』アールヌーボー調のポスター

お店のオーナーから、「あなたの帯とこの古本のイメージが合うからここで撮影しては?」とご提案をいただきました。

風情豊かなブギニスト。

(実はこうした撮影は、お店によっては許可していただけない場合もありますので、撮影時は必ずお声がけの上で行って下さいますよう。)

こちらのお店のオーナーGIGIは、とても協力的な対応をして下さいました。

お店のコレクションを拝見していますと、もともとモード系がお好きみたいですし、私が着物姿ということもあり、大変に好意的でした。

お店のオーナーGIGI②

ブキニストの目印となるのは緑の箱。ブリキ製で、サイズや設置方法などに規定があるのだそうですよ。パリ市への収入課税などは免除されていて、市によって守られているようです。

セーヌ河畔

ブキニスト

セーヌ川畔に立ち並ぶ
左岸側「Quai de la Tournelle」~「Quai Voltaire」
右岸側「Pont Ⅿarie」~「Quai du Ⅼouvre」

チョコレートカラーのスカーフを帯揚げに

ルイ・ヴィトンのスカーフを帯揚げに。

Photo by MariMaeda

スカーフが帯枕に包まれた状態。

Photo by MariMaeda

今回の装いでは、ルイ・ヴィトンのスカーフを帯揚げにしてみました。チョコレート・カラーで、普段はもちろんスカーフとして使用しています。

今回のスカーフの雰囲気のチョコレート・ケーキもみつけましたよ!

帯揚げの雰囲気のチョコレート・ケーキ。

160年にわたる創造的な交流へのオマージュである今回のエキシビジョン。メゾンの歴史と現代の芸術のコラボレーションを発見する没入型の旅にご招待していただきました。

過去と未来、伝統と現代性、パリとその他の地域や国々との対話―

今回の『LV DREAM』では、これらを探求したルイ・ヴィトンのイノベーション精神が、どこか着物の世界にも相通じて感じられました。

革新的な新たな試みにチャレンジし続けていくには、大変な勇気と努力が必要なものですね。

積み上げられたトランクがチョコとマッチング

積み上げられたトランクがチョコレートと感動的にマッチ。お土産にも最適ですね

撮影/助友利矢子

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する