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『アレクサンドラ・ソジュフェール』の日傘で ~サンジェルマン・デ・プレ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.3

『アレクサンドラ・ソジュフェール』の日傘で ~サンジェルマン・デ・プレ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.3

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文化の中心地として名立たる芸術家たちを魅了したサンジェルマン・デ・プレ。現在は老舗カフェに有名ブランド店も軒を連ねる、パリらしさ満載のエリアとなっています。着物で訪れたい、リアルなパリの”今”をどうぞ。

2023.04.30

よみもの

パリの老舗百貨店『サマリテーヌ』 ~ポンヌフ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.2

フランスの夏

みなさまごきげんよう。

ヨーロッパでも年々夏の暑さが厳しくなってきておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

夏の気配ただようサンジェルマンデプレ通り

夏の気配ただようサンジェルマンデプレ通り

この季節、フランスでは多くの人々がヴァカンスを第一優先に考え、季節の変化を楽しむことを生きがいとして生活しておられます。

来年の今ごろは、パリオリンピックで賑わっていることでしょう。

今回は、パリにお越しになられたらぜひとも訪れていただきたいカルチェ、サンジェルマン・デ・プレ周辺をご紹介いたします。

私も大好きなエリア。ぜひその魅力を感じていただけましたらうれしいです。

老舗店の日傘をアレンジ

ALEXANDRA SOJFER 218 Bd St-Germain 75007 Paris

ALEXANDRA SOJFER
218 Bd St-Germain 75007 Paris

日本ではあまり知られていませんが、『アレクサンドラ・ソジュフェール』はフランスで大変有名な傘の老舗。

私がこちらを知ったのは40年も前のことで、当時、ファッション業界の先輩からパリ土産でこちらの傘をいただきましたのがそのきっかけでした。

日傘

創業1834年の『アレクサンドラ・ソジュフェール』。

現在でもひとつひとつ職人さんによる手作業にて創作されているそうで、パラソルを開くとその内側にもこだわりが感じ取れ、とても優雅な気分になれます。

もともとこちらはシンプルな生成りの生地の日傘だったのですが、そこに私がフランス製のアンティークレースを縫い合わせ、このように個性的な傘となりました。和装、洋装どちらにも愛用しています。

持ち手

持ち手の木の部分は取り外しができ、コンパクトに。

真鍮部分はゴールドですので、ゴールドが輝くレースをあしらいました(アーム手袋も自作)。

内側

内側は黒いレースに透け感のある白い布をあわせて

中心

傘の中心にもゴールドのレースを

日傘は、夏の必須アイテムですね。

実はフランスでは日傘を差している人をほとんど見かけないのですが、夏着物を着た時にはベストパートナー的存在だと感じています。この季節には欠かせないですね。

優雅にステッキや傘を買い求める紳士淑女の店だったことを感じさせる店構え。和装にもピッタリの傘をはじめ、バッグやショールなど夢のようなアイテムがずらり

優雅にステッキや傘を買い求める紳士淑女の店だったことを感じさせる店構え。和装にもピッタリの傘をはじめ、バッグやショールなど夢のようなアイテムがずらり

近くに素敵な香水店を発見。白いお花のディスプレイが爽やか。レースの羽織も自作のものです

近くに素敵な香水店を発見。白いお花のディスプレイが爽やか。レースの羽織も自作のものです

ブランド店を散策

名だたるファッションブランドが軒を連ねるサンジェルマン・デ・プレ。

ETRO 177 Bd Saint-Germain, 75007 Paris

ETRO
177 Bd Saint-Germain, 75007 Paris

まずは『エトロ』(ETRO)に到着。シックで重厚感のある外観です。

エトロ

夏らしいポップな花柄トップスとジーンズの組み合わせがサイケデリックで新鮮

『エトロ』と言えば、テキスタイルのすばらしさ。ペイズリー柄が有名ですが、図案や織り技法に対するこだわりはどこか着物にも通じる感覚があるように思えます。

その『エトロ』の隣には『サンローラン』のお店があります。

エトロ

こちらは以前『ソニア リキエル』の本店があった場所。

”ニットの女王”と呼ばれた憧れのソニア・リキエル氏ご本人を、よくこの界隈でお見掛かけしたものでした(2016年に他界)。

何ともいえない、”これぞパリ”といった風格をまとわれた方で、まさにサンジェルマン・デ・プレの”主”のような方でした。

現在の『サンローラン』もまた、お若い方々に大人気のお店。創業者のおふたりの時代から大変に親しみのあるこの建物を眺めるにつれ、感慨が込み上げてきます(イヴ・サンローラン氏は2008年に他界)。

サンローラン

そしてこちらは、長年シャネルのデザイナーを務めたことでも有名なカール・ラガーフェルト氏のお店。

KARL LAGERFELD
194 Bd Saint-Germain, 75007 Paris

心から尊敬するデザイナーのおひとりですが、単なるファッションデザイナーとしてだけでなく政治・経済・文化など大変博学な方で、語学も4か国後を流暢に操っていらっしゃいました。フォトグラファーとしても有名でしたね。

こちらの界隈の本屋さんや老舗カフェ『カフェ・ド・フロール』では、何度か御本人をお見掛けしたことも。憧れの方でしたので見入ってしまいがちなのを抑えつつ、目が合わないように頑張ったものでした。

メタルオブジェ

ウインドウの、スポットライトを浴びているカール・ラガーフェルト氏のメタル・オブジェもかっこいいですね。

いつのことだったか……私の師匠である山本寛斎氏に「カール・ラガーフェルトさんを尊敬している」と話した時には、寛斎氏がカール・ラガーフェルト氏に嫉妬されていたことも、今となっては良い思い出です(カール・ラガーフェルト氏は2019年に他界/山本寛斎氏は2020年に他界)。

そしてこちらの白い洋館は『ラルフ ローレン』のブティックです。

ラルフローレン

RALPH LAUREN

館内にはテラス・レストランもあり、素敵な空間が演出されています。

『ラルフ ローレン』と言えば、オリンピックにおけるアメリカ選手団の公式デザイナー。来年のパリオリンピックでもまた、新鮮なユニフォームを披露して下さることでしょう。

ラルフローレン

色鮮やかなカジュアル・ファションがその持ち味

そして、連載vol.1でも取り上げました『ルイ・ヴィトン』のお店も。

LOUIS VUITTON 170 Bd Saint-Germain, 75006 Paris

LOUIS VUITTON
170 Bd Saint-Germain, 75006 Paris

草間弥生さんのモダンでキュートなディスプレイが目を惹きます。

LOUIS VUITTON

2023.04.05

よみもの

話題の『LV DREAM』へ ~ポンヌフ周辺~ 「きものでパリ navigated by MariMaeda」vol.1

お店の横には、老舗カフェ『レ・ドゥ・マゴ』。

そろそろひとやすみといたしましょうか。

続きは、サンジェルマン・デ・プレ後編をお楽しみに。

LOUIS VUITTON

撮影/助友利矢子

2020.06.01

よみもの

日傘をさして、おでかけをもっと楽しく! 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.5

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