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お花にワインに郵便やさん!? 「都留詩織のきもので下町おでかけ帖」vol.13

お花にワインに郵便やさん!? 「都留詩織のきもので下町おでかけ帖」vol.13

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読めば必ず行きたくなる♪ 魅力あふれる谷中銀座商店街、みなさんでしたらどんな着物でおでかけされますか?

2024.02.22

よみもの

谷中銀座をぶらりお散歩「都留詩織のきもので下町おでかけ帖」vol.12

みなさんこんにちは!都留詩織です。

今回も谷中銀座より、ワインも扱うお花屋さんや、いつも行列ができている人気のカフェをご紹介します!

『花とワインの店Jiphie』

JR日暮里駅から徒歩10分ほど、谷中銀座の入り口近く『花とワインのお店 Jiphie(ジフィー)』にやってきました。

所狭しと並んだお花の甘い香りの中から出迎えてくださったのは、オーナーの堀野さん。

オーナーの堀野さん

お花の似合う美しいオーナー堀野さん

「谷中にお店をオープンしたのは、いけこみ先の銀座、西麻布にも通いやすかったから。またギフト発送も多かったので、お店で作業する自分の居心地の良さを第一に考えました。谷中は猫の町と言われますが、愛犬家も多く、犬好きの私にとってはそこも魅力です

と、にこやかに笑う堀野さん。

「お客さまとお話しする時間がとても楽しいんです」

そんな言葉通り、お話し好きの堀野さんのもとには次々と常連さんが。

お店でお話し

今日のお天気やペットのことなどとりとめもない会話の中から、「これきれいね」と、目に留まったお花の感想が自然にこぼれてきます

すかさず「そうなんです!」と、生産者さんや種類の話など、お花への愛にあふれた説明をする堀野さん。

クレマチス

チャーミングなお人柄と確かなセンスに信頼を置く常連さんが多いのも納得です。

心を動かす、色とりどりのお花

お店には定番のお花のほかにも、少し変わった色やシックな色合い、また葉ものや実ものも数多く取り揃えられています。

バラ
コスモス

仕入れの基準は、自分の心が動くかどうか。

市場にピンとくる花が多い日は、つい予定より買いすぎてしまいます(笑)。でも谷中は、アートに造詣が深い方の来店も多く、変わったお花もよく手にとってもえらるんですよ」(堀野さん)

説明をする堀野さん

花とワインで心地よい時間をプレゼント

ワインセラー

お店の一角の棚にはなんと、ワインがずらり!「花とワインの店」と掲げられている通り、お花と一緒にワインも扱っているのだそう。

「ワインのインポーターをしている夫のセンスに信頼をおいていたため、安心してお客様にご案内できるという確信がありました。

花のある食卓で、ワインを飲みながらその日の出来事を語らう時間の心地よさが好きなんです。だからこそ、花とワインを一緒に組み合わせてギフトや自宅用に選んでもらえるお店をつくりたいと思いました」

ワインの棚

堀野さんのセンスでセレクトされたお花と、おいしいワイン。

唯一無二の組み合わせで、心地よい時間までもプレゼントすることができるんですね!大切な方への贈り物を考えている方は、ぜひ堀野さんに相談してみてください。

堀野さんと都留さん

こだわり食材を使ったカフェ『TAYORI』

次にやってきたのは、谷中銀座商店街の中ほどからほんの少しだけ脇道に入ったところにあるカフェ『TAYORI』

とても人気のお店で、ランチタイムにはよく行列ができています!

TAYORI入り口1

木漏れ日ゆれるなか、石の敷き詰められた坪庭からのアプローチを進んでドアを開けると……

TAYORI店内1

あたたかみのあるオレンジ色の照明が印象的な、落ち着いた雰囲気の心地よい空間が広がっていました。

TAYORI店内3

「もともとは築60年ほどの民家で、退去されたあとしばらく空き家になっていました。坪庭があり、奥の座敷では日本舞踊の教室をやっていたそうで、当時使っていた看板は大切に保管し、今でも軒先ににかかっています」

と店長の工藤さん。

TAYORI店内4

ここでは、いろいろな地方の生産者の食材を使った、季節や旬を感じられるようなお惣菜や食事が楽しめます。

お惣菜を眺める

和・洋・中・エスニックなどのジャンルにとらわれず、定食・お惣菜・デザート・おつまみなど、どの時間帯に来店しても楽しめるメニューを用意しているそう。

お惣菜

この日のランチはサクサクの……

店内にはパチパチという揚げ油の音とともに、香ばしい香りが漂っています。

この日のランチ定食は?

アジフライの定食

タルタルソースがたっぷりのったアジフライ!

アジフライをいただく1

揚げたてのアジフライは噛むとサクッと良い音がして、身がふっくら!

このサクサク感、伝わるでしょうか……!

アジフライをいただく2

小鉢やお漬物、つやつやと輝くごはん、具がたっぷり入ったお味噌汁など、ひとつ一つのおかずもどれもとてもおいしいんです。

おかず
お味噌汁

食の郵便やさん?

日頃から生産者とのより良い関係性を考えているというカフェ『TAYORI』さん。店内には”食の郵便やさん”なるものが!

食の郵便屋さんコーナー1

「ここでは生産者からの手紙を読むことができます

また、食べたあとのお客さまの”おいしいの気持ち”を手紙として書いていただき、生産者の方々に届ける仕組みです。

食を通じて、いろんな人たちがゆるやかにつながっていくことを目指しています。どうぞ、書いてみてくださいね!」

と店長の工藤さん。

食の郵便屋さんコーナー2

私も農家の方と、お店のスタッフさんへ感謝のお手紙を書いてみました!

手紙を書く都留さん

考えてみれば、食材は毎日口にするものなのに、生産者の方と関わりを持つことはほとんどありません。生産者の思いとお客さんの「おいしい!」をつなぐお店は、まさに郵便屋さんのような役割を担っているとも言えるかもしれません。

手紙をポストに入れる

最後に、店長の工藤さんに谷中の魅力を尋ねてみました。

谷中は個人商店が多く、住むことと働くことがとても近い町だと思います。朝・昼・夕方の町の顔がきちんとあり、人々の挨拶や立ち話が当たり前のように生まれているのも魅力のひとつだと感じます」

人々の何気ない交流や日々の暮らしが息づくこの町にぴったりのコンセプト、カフェ『TAYORI』。

谷中にお越しの際はぜひ足を運んでみてくださいね!

いよいよ最終回!

さていよいよ次回は、本連載『都留詩織のきもので下町おでかけ帖』最終回!

都留さん全身

風情あるいろんな下町を着物で訪れてきましたが、次回で一旦ひとくぎり。

考えただけですでに涙が出てきそうな私ですが、最後まで頑張りますので、ぜひ読んでくださいね!

撮影/YUTAKA SATO
ヘアメイク/MIKU SHIGEYAMA

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