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パリ、着物でアート紀行 「MariMaedaの着物クリエーション ~PARIS・フォト旅行編~」vol.8

パリ、着物でアート紀行 「MariMaedaの着物クリエーション ~PARIS・フォト旅行編~」vol.8

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パリは芸術の都、とりわけこの季節、街全体が美術館のような美しさです。歴史的な建造物や風景は人々を常に魅了し続けて… パリ旅行を楽しむことはまだまだ困難な今、少しでもパリへの旅気分を味わってくださいませ。

みなさまごきげんよう。
日増しに秋の訪れを感じる今日このごろ。パリでは木々の紅葉がはじまり、街には枯れ葉が舞い散っております。

パリは芸術の都、とりわけこの季節、街全体が美術館のような美しさです。

歴史的な建造物や風景は人々を常に魅了し続けて…
コロナ禍ということもあり観光客は少ないのですが、ワクチンの普及に伴い、少しづつ以前の生活を取り戻しはじめました。
観光シーズンの秋ではございますが、パリ旅行を楽しむことはまだまだ困難なことでしょう。少しでもパリの旅気分を味わっていただけましたら幸いに存じます。

パリで最も美しい鉄橋、アレクサンドル3世橋

アレクサンドル3世橋

パリのセーヌ川に架かるこの橋は、フランス共和国の大統領サディ・カルノーとロシア皇帝アレクサンドル3世の間に結ばれた友好の証として、ニコライ2世により1900年のパリ万国博覧会にあわせて建設されました。

華の都、巴里は正に美の宝庫です。

「1897 Pont Alexandre III 1900」と刻まれています。

右岸には、パリ万博の展示会場だったグラン・パレとプティ・パレ。
左岸には、パリの歴史的建造物のひとつであるアンヴァリッド。

橋は、アンヴァリッド広場とグラン・パレ/プティ・パレの間を結ぶように架かっています。エンジニアのジャン・レサルと建築家のジョゼフ・カシアン=ベルナールによって建設されました。

橋の幅40m、長さ107m。橋げたの無いアーチ状になっています。
アールヌーボー様式の傑作であるこの橋の四隅には、高さ17メートルの印象的な装飾柱があり、柱の上の金メッキを施した青銅のペガサス像はそれぞれ「芸術・商業・産業・科学」の繁栄を象徴しています。

さらには37本のアールヌーボーの街灯や、天使、ニンフの像などが微笑み、パリを舞台にした映画にもよく登場する有名なスポットとなっています。
2011年の映画『ミッドナイト・イン・パリ』のラストシーンの舞台にもなりましたね。

柱の上の像はそれぞれの繁栄を象徴しています。

パリで最も美しい鉄橋アレクサンドル3世橋(Pont Alexandre III Tours)を背景に、セーヌ川とともに穏やかな風を感じて。

天使の微笑みに魅了されながら…花の都パリは、まさに美の宝庫です。

セーヌ川を背景に。

ドラマティックなパリの夜景

橋から眺めるエッフェル塔

夕暮れ時の眺めは、実に優美な雰囲気に包まれています。
橋から眺めるエッフェル塔…セーヌに浮かぶ美しい光景が見られます。

橋の側面に施された彫刻がライトアップされて。

橋の側面に施された彫刻
橋の下から眺めるのも格別です。

女神とペガサスの像の輝きや街灯の美しさを石畳の階段を下り、橋の下から眺めるのも格別です。

橋の正面にナポレオンのお墓もあるアンヴァリットを望む景色は、パリで最も豪華絢爛な景色です。

アレクサンドル3世橋の下を、遊覧船が通りぬけていきます。

遊覧船が通りぬけていきます。

プティ・パレ&グラン・パレ

プティ・パレのエントランスの風景

プティ・パレ*(Petit Palais, Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris)は、前回の夏号にも登場いたしましたが、この雄大なエントランスの風景は必見です。

みなさまもパリ旅行の折には、ぜひお着物での写真撮影をおすすめいたします。

*プティ・パレ:パリ市立美術館。中世とルネサンス期の絵画や美術品のドゥトゥイット・コレクションと、18世紀家具のタック・コレクションやドミニク・アングル、ウジェーヌ・ドラクロワ、ギュスターヴ・クールベ、クロード・モネ、モーリス・ドニなど、フランスの芸術家とパリ市のコレクションが展示されている。

プティパレ前にて

いつもの夏でしたら海外旅行などのレジャーに行かれる方々も、パンデミックの影響で足止めされていることにストレスを感じておられることでしょう。今回は番外編といたしまして、パリの美しい景色を着物姿とともに。少しでも観光気分を感じていただけましたら幸いです。

優美な装飾と着物をマッチングさせたく撮影しました。

19世紀の優美な装飾と、日本の伝統的な着物のマッチング。

こちらは、プティ・パレの真向かい側にありますグラン・パレ(Grand Palais)。

*グラン・パレ:パリ8区にある大規模展覧会場・美術館。1900年のパリ万国博覧会のために建てられた。

現在は改装工事中でCHANELのシートが掛かっています。近年では、CHANELのコレクション会場としても有名ですね。

グラン・パレ
フランス・レースの柄重ね衿

撮影の際には単衣の訪問着を着用。

訪問着にあわせて半衿には、フランス・レースを用いたものを自作しております。

エッフェル塔のトリックアート

パリを代表する建築物エッフェル塔ですが、様々なアーティストがエッフェル塔を題材に作品を発表しています。
こちらは5月のことになりますが、パリのトロカデロ(Trocadero)広場に、錯覚を利用したトリックアート作品が展示されました。

トロカデロ広場の錯覚を利用したトリックアート作品

フランス人アーティストのJR(ジェイアール)氏が制作したもので、紙を使ったコラージュにより、エッフェル塔(Eiffel Tower)がまるで別の場所にあるかのように見せる作品です。

着物姿で崖の中に立っている光景は、何とも不思議な写真となりますね。

エッフェル塔とトリックアート作品。

実際は私の後ろにエッフェル塔があり、その左にトリックアート作品が見えています。視界の角度でトリックがされています。

その他、シャイヨー宮国立劇場(Théâtre national de Chaillot)でも撮影。

「芸術のパリ」にふさわしい劇場で、様々なジャンルの演目が公演されています。
過去に、日本の歌舞伎公演も2回ほど開催されました。

シャイヨー宮国立劇場
テラス・カフェが立ち並ぶ、エトワール広場付近

この時は、長いロックダウン後の久々の外出となりました。
エトワール広場の付近には、素敵なテラス・カフェが立ち並んでいます。

凱旋門を包む大規模なアート演出

先日、パリ随一の観光名所である凱旋門が丸ごとラッピングされた形で姿をあらわし、人々を驚かせました。

シャンゼリゼ側からみた凱旋門

モニュメントを「梱包」することで知られるアーティスト、クリスト&ジャンヌ=クロード夫妻の遺志を継いだもので、着想から60年もの時を経て、ついにパリの名所が梱包された大規模なアート作品です。

ブルガリア出身のクリスト&ジャンヌ=クロード夫妻にとって、パリで過ごした7年間は特別なものだったそう。過去にはパリ最古の橋であるポンヌフを「ラッピング」したこともあります。

凱旋門のラッピング構想にあたっては、自身の作品を売却し資金を集めるなど長年力を尽くされたそうですが、クリスト氏は2020年5月、惜しまれつつこの世を去られました。

また、2020年に公開されるはずだった本プロジェクトは、コロナ禍のために一年延期。かかった資金1,400万ユーロ(約18億円)はクリスト財団の私財から捻出され、資金面でいかなる私的援助、公的援助も受けていないとのことです(2021年9月18日から10月3日までの16日間にわたって開催されました)。

FOCH通り側から見たバックスタイルはこちら。

FOCH通り側から見たバックスタイル
夜の凱旋門

あらためまして通常の凱旋門はこちらですから、その変化に驚きますね!

着物を着てこの巨大な作品と写真を撮りたいとあわてて現地に駆けつけましたが、ワクチンパスポートを携えていなかったため、セキュリティーがかかり近くの柵の外でストップとなりました。

近くの柵の外でストップとなりました。
夜のシャンゼリゼ通りを着物で。

ラッピングされた凱旋門を眺めながら、夜のシャンゼリゼ通りを着物で。

早くみなさまが、気軽に旅のできる状況となりますよう。

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