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着物でオペラ座&ヴァンドーム広場 「MariMaedaの着物クリエーション ~PARIS・着物で満喫編~」vol.10(最終回)

着物でオペラ座&ヴァンドーム広場 「MariMaedaの着物クリエーション ~PARIS・着物で満喫編~」vol.10(最終回)

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クリスマスからニューイヤーのパリの街並みは、一年で最も華やかで美しい輝きを放ちます。今回は、今のシーズンにぴったりのテーマである荘厳なオペラ・ガルニエをはじめ、世界中のセレブが集まるヴァンドーム広場界隈にスポットを当ててみました。

みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。年の瀬となり、ご多忙のことと存じます。

今の時期のフランスの街並みは、クリスマスの装飾やイルミネーションで飾られ、一年中で最も華やかで美しい輝きに満ちております。

今回は、今のシーズンにぴったりのテーマである荘厳なオペラ・ガルニエをはじめ、世界中のセレブが集まるヴァンドーム広場界隈にスポットを当ててみました。

パリ・オペラ座(Palais Garnier)

パリオペラ座

世界中の憧れ、パリ・オペラ座(オペラ・ガルニエ)。
1875年、シャルル・ガルニエの設計によって建てられた劇場(ガルニエ宮)です。

優美なネオ・バロック様式の外観と内装で建てられていて、劇場の天井には、かのシャガールが手がけた天井画があることでも有名です。

オペラ・バスティーユが完成して以来、バレエや管弦楽の公演に限られていた時期もありましたが、現在ではまたオペラも公演されています。
ミュージカル『オペラ座の怪人』の舞台にもなったのが、このオペラ座ですね。

Carpeaux The Dance
Carpeaux The Dance
Perrand Lyric Drama
Perrand Lyric Drama

そしてなんと、オペラ・ガルニエの屋上ではハチミツが作られているのです!

その由来は、小道具係のジャン・ポクトンという人が養蜂講座に参加したことによるそう。彼は職場であるオペラ座の屋上に巣箱を置いてみたところ、たくさんの蜜蜂が集まり、おいしいハチミツが作られるようになりました。

現在は、フォション(Fauchon)社によって「Le Miel Récolté sur les toits de lOpéra de Paris(オペラ座のハチミツ)」として販売され人気商品になっています。

オペラ・ガルニエの屋上では、ハチミツが作られています

パリにお越しになられましたら、是非、お着物で本場のオペラやバレエを満喫してみてはいかがでしょうか。

『パリ・オペラ座のすべて』
(原題:LA DANSE –le ballet de l’Opéra de Paris)

フレデリック・ワイズマン監督によるドキュメンタリー映画。
最高位のダンサーである”エトワール”の、マニュエル・ルグリ、ニコラ・ル・リッシュ、アニエス・ルテステュ、マチュー・ガニオが総出演していますので、ファンにはたまらない映像です。厳しいレッスン・シーンから、オペラ座の経営に関するシーンなど見どころ満載ですのでぜひチェックしてみてください。

伝統的なオペラ座周辺のカフェ

ネオ・バロック様式の建物も立ち並ぶオペラ座界隈

パリの中心地にあるオペラ座付近には、デパートや大型ショッピング店などが隣接していますので、オペラ座を拠点に観光・ショッピングを楽しむ人々で常に賑わっています。

また、この界隈にはネオ・バロック様式の建物も建ち並んでいますので、おのずとエレガントで優美な写真を撮ることができます。

また、数多くのカフェやレストランもあります。

待ち合わせの場所として、また鑑賞後のディナーの場としても、憩いの場になっています。

数多くのカフェやレストラン

なかでも有名なのが、みなさまご存じの『CAFE DE LA PAIX(カフェ・ド・ラ・ぺ)』。オペラ座の最も近くにあるカフェレストランです。

カフェドラペの前にて
CAFE DE LA PAIXの前にて

このクラシカルなレストランは1862年のナポレオン三世の治世に開業して以来、今日に至るまでその名声を誇っています。

過去には、ギュスターヴ・フローベール、ヴィクトール・ユーゴー、オスカー・ワイルド等の文化人もこのお店に出入りしたようです。

着物でバレエ

バレエシューズで有名なRepetto。

オペラ座からヴァンドーム広場に向かって歩いていると目に入ってくるのが、日本でも大人気、バレエシューズで有名な『Repetto(レペット)』です。

世界中のバレリーナのオーダーシューズを受け入れており、またこのお店のディスプレイはいつも夢があり、まさにバレエの舞台を見ているような華麗で美しい演出がされています。

「着物」「バレエ」というキーワードからは、2018年6月に開催されました【きものSalon × 京都きもの市場】読者参加イベントのことが思い出されます。
バレエ『眠れる森の美女』を新国立劇場で着物姿のみなさま総勢100名とご一緒に鑑賞したのですが、とても素晴らしい、記憶に残るイベントでした。

鑑賞後は、みなさまとご一緒にお食事を楽しみつつ、ご出演者の方々が駆けつけてくださって当時『きものSalon』編集長だった古谷尚子さんとトークショーをされたりと、現在のコロナ禍から考えますと夢のような幸福な時間でした。

またこのようなイベントが開催され、みなさまと着物姿でお会いできますことを心待ちにしております。

魅惑のヴァンドーム広場(Place Vendôme)

さて、Repettoのお店からヴァンドーム広場に向かって行きますと、数多くの高級ブランド店や宝石店が立ち並んでいます。

17世紀のフランス都市計画の典型といえるヴァンドーム広場は、世界でも最もゴージャスな場所です。その名の由来は、かつてここにヴァンドーム公爵の邸宅があったことにちなみます。

ヴァンドーム広場
歴史史跡の指定を受けています。

ヴァンドーム広場は、かつて上流階級の邸宅であった建物28軒に囲まれています。
それらの建築物との調和が見事で、広場そのものが歴史史跡の指定を受けていることにも納得します。

この広場の建設を発案したのは、建築家マンサール。自ら八角形の設計図を描きました。
マンサールはルイ14世の主席建築家であり、ヴェルサイユ宮殿の数々のモニュメント、なかでもノートルダム・ド・ヴェルサイユ教会やグラン・トリアノンなどを手がけたことで有名です。

広場の中央に据えられているのが、フランス語でコロンヌと呼ばれる記念柱です。

ルイ14世の騎馬像があったのですが、絶頂期にあったナポレオンがアウステルリッツの闘いの勝利を記念して、敵の大砲1200門の銅を溶かして作らせたコロンヌ(1810年完成)と入れ替えました。

19世紀後半に壊されたコロンヌ、現存はその後に再建されたものを見ることができます。

コロンヌと呼ばれる記念柱
ヴァンドーム広場は魅惑のスペースです。

第2帝政期から、広場は、徐々に変化を遂げました。広場から北東に延びるラペ通りを含むこの界隈は、前世紀以降、パリの優雅を象徴する服飾関係の店が多く集まり、トレンド発信の地となります。

1893年、ヴァンドーム広場に最初に店を構えたのはブシュロンでした。ついで1898年にカルティエ、1902年にショーメ、1906年にヴァン クリーフ&アーペルが店を出します。

1997年には、シャネルが時計・宝飾専門店を出店。
特にガブリエル・シャネルはヴァンドーム広場をこよなく愛し、何年にも渡り広場に住まいを構えました。

かの有名なシャネルNo.5のボトルは、この広場の形からインスピレーションを受けたものだとも言われています。

現在のヴァンドーム広場は、パリの人々そして世界中の人々にとって、ひとたび足を踏み入れたらいずれも憧れのブランドのウィンドウを飾る宝石に目を奪われ、時間が経つのも忘れてしまうほどの魅惑のスペースです。

ゴージャスなスペースとマッチします。

世界屈指の高級品が立ち並ぶヴァンドーム広場ですが、この季節になりますと毎年着物を着て訪れたくなります。

研ぎ澄まされた最高の宝石と、伝統的な日本の美を象徴する着物。この気品に満ちたゴージャスなスペースに本当に良くマッチします。

ちなみに女性は「宝石大好き派」と「着物大好き派」「どちらも派」という3つのパターンがあるように思いますが、私の場合は、自分の身に纏う物=着物(や洋服)により強く反応するタイプのようです。

みなさまはいかがでしょうか。

世界屈指の高級品が立ち並びます。

ホテル・リッツ(Hôtel Ritz Paris)前でのできごと

旧グラモン邸は現在ホテルリッツ。

現在はホテル・リッツとなっている、旧グラモン邸。パリでも最も美しく格式高いホテルのひとつです。

そういえば、この場所で数年前の元旦にユニークな出来事がありました。

数年前のユニーク出来事

私は着物姿でホテル・リッツの前で記念写真を撮っていたのですが…

次から次へと「一緒に写真を撮りたい」とリクエストされることからホテルの前での一人での写真撮影は全く行えず、やむなく、少し離れたところにある巨大なツリーとともに撮影することになりました。

パリで着物を着ていますと常に起こる現象なのですが、着物には不思議な魔力があるようです。

着物には不思議な魔力があるようです。

宝石箱のようなイルミネーション(illuminations)

街中が宝石箱のような輝きに満ち溢れる。
マドレーヌ寺院 Église de la Madeleine

12月に入りますと、パリは街中が宝石箱のよう。この輝きのまま、煌めきに満ちあふれた新年を迎えます。

最後に、パリより年末年始の風景をお届けいたします。

ホテル ル ブリストル パリ
ホテル ル ブリストル パリ(Le Bristol Paris)
アベニュー・モンテーニュ
アベニュー・モンテーニュ(Avenue Montaigne)
シャンゼリゼ通り
シャンゼリゼ通り( Avenue des Champs-Élysées)

本連載も、このvol.10で一旦締めくくりとなります。来年はさらにパワーアップした内容で、みなさまにリアルなパリの様子を着物にてお届けいたします。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

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