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新感覚の晴れの日の装い「MariMaedaの着物クリエーション」vol.6

新感覚の晴れの日の装い「MariMaedaの着物クリエーション」vol.6

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2016年、韓国で開催されましたモデルフェスティバルにて、着物の素材を使用したフォーマル・ドレスとタキシードを制作いたしました。アジアの各国から有名人著名人がノミネートされ、その年に輝かしい活動をされた方々にアワードが授与されました。

みなさまこんにちは。
すっかり夏らしくなりつつあるこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
これからの日々、暑さも厳しくなりますので、ご体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごし下さいますよう。

自然界の美しさと共に鮮やかな単衣を

鮮やかなグリーンの着物で散策してみました。

パリもここのところ、大変暑い日が続いております。
私のお散歩コースになっているパーク・アンドレ=シトロエン(Parc André Citroën)を、鮮やかなグリーン系の単衣着物で散策してみました。
さまざまな花々にうっとりしながら、(なんと)遅咲きの桜に見とれております。

澄み切った青空や美しい花々に囲まれて。

花と小枝の透き間からこぼれ落ちる強い光を感じていると…顔にはご覧のような影が。おもしろい写真になりました。

澄み切った青空、美味しい空気と美しい花々に囲まれて。

鮮やかな黄緑色の葉っぱが目に留まり、思わず近づきます。

着物の色と草花が、自然と溶け込んでいくよう。

鮮やかな黄緑色の葉が目に留まります。
竹藪林を散策中。

まるで日本の風景のようですが、ここはパリです。

(パーク・アンドレ=シトロエン:Parc André Citroënの竹林については、vol.5『紋章の世界 ― 奥深き日本の伝統美』もご覧ください。)

vol.4『大島紬の反物から、贅沢なコート4種を制作』でもお伝えいたしましたが、この公園は本当に広々としたスペースで、後ろにそびえ建っています透明の建物では温室栽培が行われています。

透明の建物は温室の植物が栽培されています。
ピクニックや日光浴を楽しんでいます。

コロナ禍中においてもパリの人々は、自然界からのエネルギーを得るため、家族や友人達とピクニックや日光浴を楽しんでいます。

私もここ数か月は外出を控えぎみでしたので、着物を着ての散策は至福の時間でした。

新感覚の晴れの日の装い

タレント ユージさん、モデル 香川沙耶さんの衣裳を着物地から

韓国で開催されたモデルフェスティバルにて。

少し前のことになりますが、2016年に韓国で開催されましたモデルフェスティバルにて、着物の素材を使用したフォーマル・ドレスとタキシードを制作いたしました。

レッドカーペットを颯爽と歩いているお二人は、みなさまにも大変お馴染みのタレント ユージさんと、モデルの香川沙耶さんです。

アジア各国から有名人著名人がノミネートされ、その年に輝かしい活動をされた方々にアワードが授与されました。

この時にお召しいただきましたお二人のタキシードや、香川沙耶さんの着ているマント風のジャケットの裏地には、日本代表ということもあり真っ赤なシルク(長襦袢に用いられる素材)を使用しました。
真っ白なコスチュームに「日の丸」を意識しています。

もちろんレッドカーペットを歩くことも想定していましたので、さりげなく見える裏地の赤を利き色にしています。

お二人のジャケットは、着物の白生地の反物から制作いたしました。流水柄の地紋が、白地に波のような光沢感を与えています。

ユージさんの着ているタキシードと袴の組み合わせは、和洋折衷の、あえてどことなく不思議なコーディネートを試みました。

ネックラインに巻かれているスカーフは、インドで制作した私のオリジナルの生地。シルクに銀を細かく手差しして仕付けられている「モケーシュ」という素材です。
香川沙耶さんが着ているインナートップスのコルセットは、唐織の白い帯地で制作しております。

ロング・トレーンのスカートには、シルクの羽二重地を用いています。
これらのコスチュームは、このような華やかなレッドカーペットにおけるシーンや、婚礼などマリアージュの衣裳としてもお召しいただきたく制作いたしました。

バックボードの前でポージング。

アジア各国、さまざまなスポンサーが協賛。バックボードの前でのポージングも映えます。

アワード受賞式の様子

注目の的になったお二人。

会場では、ひときわ注目の的に。

お二人の英語でのスピーチも完璧で、堂々とした佇まいでした。

英語でのスピーチも完璧でした。
右端が香川沙耶さん。

ホワイト・ドレスの香川沙耶さん、場に際立ちます。

この時は、私も着物地で制作したホワイトのロング・ジャケットを着ています。
とてもかっこよく着こなして下さったユージさんとの、思い出のショットです。

ユージさんとの思い出ショット。
ロング・ジャケットにジャガードのベストを重ね着。

こちらは、上で私が着ていますロング・ジャケットに、ジャガードのショート・ベストを重ねています。

ロング・ジャケットも着物の白生地の反物から制作しており、大胆な菊の地紋が大変美しく浮かび上がります。

日本を代表するモデルさん方と。

日本を代表するモデルのメンバー。
お世話になった方々との。

私も、お世話になりました方々と、思い出の記念撮影です。

実はヘア&メイクも…

今となれば懐かしい思い出です。

実はこの時の香川沙耶さんのヘア&メイクは、私が手掛けました。

大規模なイベントだけに楽屋はパニック状態。
メイクもヘアも私のイメージではなく、それならば私が完璧に仕上げようと。デザイナーとしては当然の行為なのですが、時間もスペースもなく…必死で取り組みました。

この時、ユージさんも香川さんも不安そうに私をみつめておられました。
私自身はというと、このようなパニックには長年の経験上慣れていたこともあり、何とかなるという自信がありました。今となれば懐かしい思い出です。

コロナ禍のパリを着物姿で

エッフェル塔をバックに。

パリの象徴でありますエッフェル塔をバックに。

パリの街並みと日本の着物は、本当にしっくりと馴染みますね。

巴里の街並みと着物は、しっくりと馴染みます。
ユニークな船の前で。

セーヌ川に浮かぶユニークな船の前で。
この船の所有者の方は、長年、この船で生活されています。

世界中の自由と平和を心から願いつつ。

変異ウイルスがまだまだ猛威を奮っています。
しかし、ワクチン普及の成果もあって感染拡大に抑制がみられ、状況は改善されているように思います。

パリでは6月からカフェやレストランの営業が再開され、テラス席は人々で賑わっています。マスクの義務化も屋外では免除されており、少しずつですが、以前の生活を取りもどしています。

世界中の自由と平和を心から願いつつ。

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