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つい鏡が見たくなる羽織や、自慢すぎて脱ぎたくなくなるコート 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.15

つい鏡が見たくなる羽織や、自慢すぎて脱ぎたくなくなるコート 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.15

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実際にまわりの話を聞いてみると、コートや羽織は「お下がり」や「いただきもの」という形で入手し、とりあえず、という感じで着ている人が多いようです。洋服のコートは色や形にこだわるのに、きもののコートをとりあえずで済ませていては勿体ない!もっと楽しまなくちゃ。

きもののコートをとりあえずで済ませていては勿体ない

「鬼滅の刃」が人気で、何かと話題になっていますね。先日麻の葉柄の久留米絣を着てスーパーに買い物に行ったら、お菓子売り場にいた小さな女の子に「ねずこと同じもようだ!」と言われました。ピンクの地色に麻の葉柄のきものを着ている禰豆子(ねずこ)という女の子の他にも、市松の羽織を着ている男の子がいたり、黄色い鱗文様の羽織を着ている男の子がいたり。人気マンガの登場人物を通して、きものの柄にスポットが当たっている感じがします。こういう形で小さい子に浸透していくのはしみじみ喜ばしいことですね。このマンガは大正時代の設定なので、男女問わず羽織を着ている人物がたくさん登場します。だんだん羽織のおしゃれがしたくなってくるかも。

秋も深まり、きものの上からもう一枚羽織りたくなってきました。
コートと羽織の大きな違いは、玄関先で脱ぐかどうか。
羽織は屋内でも着たままで大丈夫なので、帯がうまく結べないときや、帯の形に自信がないときにたくさん助けてもらいました。羽織は衿の形が正面から見たときに大きなVになるので、すっきり見える効果も期待できる優れもの。特に黒地の羽織は一枚あるとジャケットやカーディガン代わりのような感覚で楽しめます。

一方コートは、「せっかくの帯まわりが見えない」と嘆く人と、「大事なきものや帯が守れて安心」という人に分かれます。訪問着や付下げなどフォーマルの場合は羽織ではなくコートを着ることが多いので、汚れから守る要素は確かに強いかも。
若い頃、母からお下がりでもらった赤い道行コートがまるで郵便ポストのように見えて苦手でした。このときに学んだことは、なんとなく好みでないものは、何年たっても好きにはならない、ということです。

実際にまわりの話を聞いてみると、コートや羽織は「お下がり」や「いただきもの」という形で入手し、とりあえず、という感じで着ている人が多いようです。洋服のコートは色や形にこだわるのに、きもののコートをとりあえずで済ませていては勿体ない!もっと楽しまなくちゃ。
そろそろ探してみませんか?つい鏡が見たくなる羽織や、自慢すぎて脱ぎたくなくなるコート。これから先のきものライフがぐんと楽しくなりますよ。

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