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『季の美 House』でジャパニーズクラフトジンを堪能 「京都できもの、きもので京都」vol.20

『季の美 House』でジャパニーズクラフトジンを堪能 「京都できもの、きもので京都」vol.20

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京都の自然と素材、クラフトマンシップと歴史が融合した繊細な味わい。海外の権威ある賞をいくつも受賞している、ジャパニーズクラフトジンの金字塔のような存在。初のブランドハウスである『季の美 House』を訪ねました。

2024.12.27

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世界に注目される「ジャパニーズクラフトジン」

季の美 House」を訪ねました

いま「ジャパニーズクラフトジン」が世界的な人気になっています。ご当地ジンを見かけたり、いただいたりする機会も増えました。

私が初めて購入し、風味の虜になったのが、京都蒸溜所のつくる『季の美 京都ドライジン』。河原町二条上るあがる、初のブランドハウスである『季の美 House』を訪ねました。

ジンってどんなお酒?

ジンって?

ジンというとマティーニやジントニックなど、カクテルの材料として使われる蒸留酒で、そのものの味わいについてはあまり知られていないかもしれません。

ジンは、ウォッカ、テキーラ、ラムと並ぶ世界4大スピリッツのひとつ。

“オランダ人が生み、イギリス人が洗練し、アメリカ人が栄光を与えた”と評されています。

ジンってどんなお酒?

併設されたショップにて

最も広く飲まれているのが「ロンドンジン」と呼ばれる規定分類のタイプで、純度が高くクリアなドライジン

銘柄でいえば、タンカレーやボンベイ、ビフィーターなどがそれに当たります(あくまでも製法と原材料の規定なので、京都で作られたロンドンジンもあるわけです)。

ジンの歴史

ジンの歴史が壁一面に

そして、ジェニパーベリーを代表とするスパイスやハーブ、果実の皮などのボタニカルな素材を使い、蒸留を通して風味を加えるのですが、その種類に制限がなく、製造の自由度が高いので、オリジナリティーを出しやすいのもその特徴です。

「季の美」

『季の美ハウスジン(限定品)』

私が初めて『季の美』を購入したのは、JALの機内販売。

家人へのお土産を買いそびれ、どうしようかと『JAL SHOPPING』をめくっていたら、ふと目に留まり、これにしようと求めました。

ジェニパーベリーに和のボタニカルを加えた風味は、オンザロックやソーダ割りなど、シンプルな飲み方が合い、料理やつまみを問わず美味しく飲めると好評でした。

クラフトビールブームの次は、クラフトジン

ボトルも美しい

その後、日本のご当地クラフトジンをお土産にいただいたこともあり、「クラフトビールブームの次は、クラフトジンなのかな?」と感じるようになったのです。

歴史ある町家を生かした空間で『季の美』の世界観を

木材商の町家を生かした空間

河原町二条、鴨川ほど近くにある『季の美 House』

その『季の美』の世界観が体験できるお店があると聞いて今回訪れたのが、『京都蒸溜所 季の美 House』。

木材商の町家を生かした空間

木材商だったという町家を生かした空間

築100年以上という木材商の町家を生かした空間は、「お店の間」「展示の間」などいくつかのコーナーに分かれ、ジンの歴史や季の美の製造が学べたり、蒸溜所のVR動画が見られたり、テイスティングが楽しめ、限定グッズも買えたりと、さまざまな体験ができます。

木材商の町家を生かした空間

スタンディングで気軽に味わうにも、一枚板の豊かな風情が

会員制の豪奢なサロンも

会員制の豪奢なサロンも

まず、マネージャーの下村勇介さんに、製法をレクチャーしてもらいました。

=下村勇介さんに、製法をレクチャーしてもらいました

「『季の美』の特徴は、米からつくるライス・スピリッツだということです。

ブレンド用の水は京都伏見の銘酒『月の桂』で知られる(株)増田徳兵衛商店の仕込み水を使用。そして、フレッシュなボタニカルにこだわり、11種類の素材を選定。

赤松、柚子、山椒、生姜、玉露、笹、赤紫蘇など、地産の素材をその特性に応じて6つのグループにわけ、別々に蒸留してブレンドするんです。

京都の自然と素材、クラフトマンシップと歴史が融合した、繊細な味わいは唯一無二で、海外の権威ある賞をいくつももらっているんですよ」

京都の自然と素材、クラフトマンシップと歴史が融合

京都の自然と素材、クラフトマンシップと歴史が融合

今や、ジャパニーズクラフトジンの金字塔のような存在。

そのようなお酒を作られたのは、どんな方なんですか?とお尋ねしたら、なんと創業者は、ウイスキーの輸入代理店を営む英国人と日本人のご夫婦、そしてイギリスのウイスキー専門雑誌の英国人編集長の3人とのこと。

まさにロンドンスタイルと京都テイストが出会ったのですね!

『季の美』3種類をテイスティング!

季の美の間にて、テイスティング

ライティングも心地良い「季の美の間」

さていよいよ、「季の美の間」にてテイスティングです!

“利き季の美”という、6種類から3種を選ぶテイスティングセットをお願いしました。

“利き季の美”

“利き季の美” (15ml×3 ¥1,800-)

私が選んだのは、「季の美ハウスジン」「季のTEA」「季のばいの3つ。

ここHouseの井戸水がそっと添えられて、柔らかなお水が口内をクリアにしてくれました。

ジンってどんなお酒?

「ハウスジン」は飽きのこないベーシックな味とまろやかな口当たり、「TEA」は宇治茶の深みが心地よい残り香となります。

ばいは梅酒とジンのいいとこどりのようで、ハスカップベリーや甜菜の甘みも加わり、強いアルコールが苦手な人にも飲みやすい度数29%。

下村さん

「ジンというと洋酒のイメージがあると思いますが、和も洋もエレメントとして入っているので、日本酒のアテにも合いますし、緑茶割りも美味しいんですよ」

と下村さん。

どんな味にも合う万能感

確かに和・洋・中、どんな味にも合う万能感があり、暖かいお湯割りもオンザロックもいけて、食事中のドリンクとしても秀逸でした。

お正月はおせちをハウスジンの緑茶割りでいただきましたが、下村さんのおっしゃる通り、いくらにもなますにも、お刺身や煮物との相性もよく、私もすっかり愛飲するようになっています。

下村さん

ジンへの愛が深い下村さん

和服も似合うしつらえに合わせ、おめでたい付け下げと袋帯を

こちらはインテリアも素晴らしく、内装には『森の工房 inwood』の手作り家具、そこここに取り入れられた西陣織『細尾』のテキスタイル『雲母唐長(KIRA KARACHO)』の唐紙を壁紙にと、京都の工房や職人とのコラボレーションが光ります。

唐紙を壁紙に

壁紙には『雲母唐長(KIRA KARACHO)』唐紙

西陣織「細尾」のテキスタイル

カウンターなど随所に用いられた、西陣織『細尾』のテキスタイル

そもそも、季の美のボトルデザインも、長い伝統を受け継ぐ雲母唐長の版木の文様を使用しているそう。

雲母唐長の版木の文様を使用

2023.10.23

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『HOSOO LOUNGE』のスイーツで、ラグジュアリーなひとときを 「京都できもの、きもので京都」vol.5

付け下げに袋帯を合わせて

そんな美しい空間ですし、年初1月ですので、付け下げに袋帯を合わせて伺いました。

薄い紫をぼかした雪輪柄は、毎年新年に着るおめかし着。コンディションのよいリサイクルの付け下げです。

「誉田屋源兵衛」の能衣松笹文唐織

合わせた帯は『誉田屋源兵衛』の能衣松笹文唐織

私の持ち物のなかでたぶんいっとう重厚な帯です。今月のお初釜では正客を務めることになっているので、訪問着にこの帯を締めようと思っています。

2024.07.11

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道明」の笹浪組の大暈

帯締めは「道明」の笹浪組の大暈。社中の姉弟子さんとお友達が、書籍の出版のお祝いに下さったもの。「ここぞ!」のときに締めているお守り的な紐です。

2023.09.19

まなぶ

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道行は、勝山さと子さんのコート生地

道行は、勝山さと子さんのコート生地であつらえたもの。何色がありましたが、紺色とこの桜鼠と迷ってこちらにしました。

利休バッグは『かづら清老舗』、畳表の草履は『祇園ない藤』、どちらも長く愛用しています。

利休バッグは「かづら清老舗」
畳表の草履は「祇園ない藤」

はんなりと和姿で、京都のジンを味わうのも乙ですね。

1月は柔らかものや袋帯で装う機会がいちばん多い月。ふだん地味めの紬が多い私も、今月は思い切り晴れ着を楽しんでいます。

内装には「森の工房 inwood」の手作り家具

撮影/弥武江利子

2025.01.18

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