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5月限定、鯉のぼりの帯 「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」vol.2

5月限定、鯉のぼりの帯 「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」vol.2

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「本来五月は、都をどり一色の四月が終わり、お一日(ついたち)に八坂神社と踊りのお家元へ都をどりの御礼のご挨拶をさせてもらいます。」 東京オリンピック聖火ランナーに選出された京都・祇園甲部芸妓の佳つ雛さん。花街での日常を、やさしく素直な目線で語ります。

建仁寺さんの牡丹

緑照り映える季節になりました。
みなさんどうお過ごしですか?

街全体が閑散として、花見小路もとても静かな日が続いています。
建仁寺さんでは大輪の牡丹がとてもとてもきれいどした。

伝統ある「都をどり」をはじめ「祇園祭」の山鉾巡行も中止になり、京都全体がマイナスなムードになっていくように感じ…心が苦しくなります。
そんななか、とあるお茶屋さんのお母様がマスクを作ってくれはりました!

祇園祭の山鉾の柄!
とっても可愛らしおすよね。

お茶屋さんのお母様から、マスクと一緒に元気をいただきました。
ひとつ世間が落ち着いたら、うちもお客様に、このいただいた元気を伝えられたらと思います。

祇園祭の山鉾柄の手づくりマスク

本来五月は、都をどり一色の四月が終わり、お一日(ついたち)に八坂神社と踊りのお家元へ都をどりの御礼のご挨拶をさせてもらいます。
毎年、無事に舞台が終わったなぁと、達成感でとてもうれしい日どす。
そのあと芸妓連中は、お家元やお師匠さん方と集まって食事会をします。
同期同士などとテーブルに座り、お稽古中からのできごとや舞台のことなどを振り返ったり…と話が弾みます。

あやめの簪をつけた舞妓時代の写真

舞妓時代、五月にはあやめの簪(かんざし)をつけました。

佳つ江ちゃんの衿替えの挨拶と一緒に

三年前の五月末に、七年ほどお世話になった置屋さんを出て「自前」の挨拶しました。
年季を終えた芸妓が一人立ちして「自前さん」になります。

着付けをしてくれはる男衆(おとこし)さんと、お家元のご自宅まで寄せてもらいます。

うちの左の、藤色の着物を着た芸妓さんが同期の佳つ江ちゃんどす。
ちょうどうちの「自前」の挨拶と、佳つ江ちゃんの「衿替え」の挨拶が一緒どした。

自前さんになるということで、これから一人暮らしをするというワクワクと、ほんまに一人でやっていけるのかと言う不安でいっぱい…

とても懐かしおすね(*´-`)

大好きな鯉のぼり柄の染め帯

そしてこちらの写真は、まだ置屋にいたころに着ていた大好きな帯どす。
五月の時期しかあきまへん「鯉のぼり」の帯どすね!
とっても可愛らしくて、小田本の姉さん方がしめたはるのをみて憧れどした。

うちは舞妓を五年させてもうたので、芸妓で置屋にいたのは三ヶ月だけなのですが、この帯を締めさせてもらえてとてもうれしおした!

東京オリンピック聖火ランナー佳つ雛

そして今年は、本当は「オリンピックの聖火ランナー」に選んでもうていました。
走るお稽古を日々鴨川で…と思っていたのですが、オリンピックも来年に延期…
5月27日に京都市内で走る予定どした。

一刻も早く世界が元の生活に戻ること、そして無事に来年の東京オリンピックが開催されることを祈ります。

おおきに。

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