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蛍のころの踊りの舞台 「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」vol.3

蛍のころの踊りの舞台 「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」vol.3

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「六月半ばまでは祇園白川付近で蛍が出てきて、川沿いのお茶屋さんでは、お客様とお話ししながら、またお酌をしながら鑑賞できるという…なんともゆったりとした贅沢な時間どす。」 東京オリンピック聖火ランナーに選出された京都・祇園甲部芸妓の佳つ雛さん。花街での日常を、やさしく素直な目線で語ります。

雨に濡れる紫陽花

雨に濡れる紫陽花が美しさを増しています。
みなさんこんにちは!
まだまだマスクが手放せしまへんね。
もっともっと活気のある京都へ、早よ戻ってほしおすね。

五月末から六月半ばは、祇園白川付近で蛍が出てきて…
こんな繁華街、そして煌々と灯りがついている場所なのですが、川沿いのお茶屋さんでは、お客様とお話ししながら、またお酌をしながら鑑賞できるという、なんともゆったりとした贅沢な時間どす。

舞妓ちゃんの簪にも、柳に蛍のついているものなどあります。
舞妓ちゃんの2年目のときにささせてもろうてました。
幼い舞妓ちゃんは、この時期、柳でビラが垂れているデザインのものが多おす。
お姉さん舞妓ちゃんになると、紫陽花などの大ぶりな簪になります。

柳に蛍のついている舞妓さんの簪
宴会着は単衣の着物に絽の帯

引きずり(宴会着)では、単衣の着物に絽の帯とだんだん夏に近づき、芸妓は分かりにくおすが、櫛が黒塗りから白や透明のものに変わります。
後ろへさす玉簪は、赤玉から青玉に。
頭飾りは、舞妓ちゃんほどあまり季節月々に変わらしまへんね。

祇園街も一日よりようやく動きはじめました。
まだまだ通常のようには戻りませんが…
お座敷ではお祝いの舞『君に扇』を舞わせてもうたりします。
以前の写真どす。
もともとは『舞扇園生梅』という曲の一部がお座敷で使われていると姉さんに教えてもらいました。

『君に扇』の舞をお座敷で披露
流水に八つ橋と沢瀉の着物

着物は流水に八つ橋と沢瀉(おもだか)どす。
置屋の小田本と実家の家紋がどちらも沢瀉なので、とても好きな柄どす。
色合いも季節にぴったりで、博多献上は気持ちがきりっと引き締まりますね。

六月末に、五花街合同の「都の賑わい」という舞台が二日間行われます。
それぞれの花街によって踊りの流派が違うので、とても見ごたえのある舞台どす。
客席も花街の関係の方がたくさんおいやすので、とても華やかで緊張感があります。

うちは舞妓の頃に出させてもうたのですが、出させてもらううれしさと緊張感でいっぱいどした!もう6年前どすね!早よおすねぇ〜

六月末の都の賑わい
六本木ミッドタウンで舞の披露

その時は、ちょうど祇園祭の大船鉾が150年ぶりに復帰するということで、「都の賑わい」の舞台本番1週間前に東京でも披露させてもらいました。
ミッドタウンに、大船鉾と芸妓・舞妓20人以上で特設ステージに並び…
出演メンバーで東京へ大移動したのを覚えてます。

今年は「都の賑わい」も中止になってしまいましたが、来年はまた五花街の芸舞妓が華やかな舞台をご披露できますように。

おおきに。

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